東京新聞 2014年2月7日
 
 福島第一 海側井戸500万ベクレル 昨年7月採取、公表より高濃度
 
 東京電力は6日、福島第一原発1号機の海側にある観測用井戸で昨年7月5日に採取した水から検出された放射性ストロンチウム90が、過去最高の一リットル当たり500万ベクレルだったと発表した。従来の公表値より、大幅に高濃度の汚染だったことが分かった。
 
 この水の濃度について、東電はこれまで、ストロンチウム90を含むベータ線を出す放射性物質の合計で九〇万ベクレルと公表。
放射性のストロンチウム90だけでも、五・五倍以上高い500万ベクレルという数値が出ていたが、東電は「値が不自然」として伏せていた。
 その後、東電は計測器の設定を確認。ストロンチウム90だけの値が正しく、90万ベクレルが誤っていると分かった。
 
 井戸は海から近く、これまで考えていたよりも多くの放射性物質の流出が疑われる。
 東電はほかの井戸でもストロンチウム90の値を確定させていく。
今回と同様により高い値が出る可能性がある。従来の最高値は、今回の近くの井戸で1月22日に計測。ベータ線を出す放射性物質の合計で310万ベクレルだった。