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シリアの子どもたち 救おう!
和平会議へ ノーベル賞受賞者・国連関係者が書簡
国連関係者やノーベル平和賞受賞者ら15人は22日、スイスで同日開かれたシリア内戦の終結を目指す和平会議に合わせて連名書簡を発表し、子どもたちが戦闘の犠牲になっていることを懸念し、内戦当事者らに子どもを守る対策を緊急にとるよう呼びかけました。
書簡には、バレリー・エイモス国連人道問題担当事務次長など国連関係者のほか、ノーベル平和賞受賞者の南アフリカのツツ元大主教、国際援助団体の代表者らが名を連ねています。
書簡は、シリア内戦ですでに1万1千人を超えるこどもが亡くなり、400万人以上の子どもが攻撃を逃れて家から避難を余儀なくされていると指摘。「こどもの置かれた球場に焦点をあてる時だ」と強調しています。
また「暴力が原因で世代が丸ごと一つ失われようとしている。子どもを守るのはわれわれすべての責任だ」とし、▽子供向け救命物資の配送を妨害しない▽学校や医療施設を攻撃対象にしない▽人口密集地で爆発性の兵器を使わない―の3点を緊急に実行に移すよう求めました。
- 日経2014/1/23 1:30
シリア和平会議始まる 政権・反体制派、初の同席【モントルー=花房良祐】シリア内戦の和平会議が22日、スイス西部モントルーで始まった。2011年に反政府運動が始まってから初めてアサド政権と反体制派「シリア国民連合」が和平会議で同席。米ロも中東の不安定要因となった内戦の政治解決を目指して対話を後押しした。一方、移行政府の樹立に向けた協議は非難の応酬となり、和平に向けた難しさも浮き彫りになった。
ケリー米国務長官やラブロフ・ロシア外相のほか、シリアからアサド政権のムアレム外相と国民連合のジャルバ議長ら約40カ国・機関の代表団が出席した。12年に米ロなど関係国がまとめた内戦当事者の合意に基づく移行政権の樹立を盛り込んだ「ジュネーブ合意」が主な議題。ただアサド大統領の処遇を巡る政権と反体制派の溝は深く、ムアレム外相は反体制派をテロリストだと激しく非難。「シリア人が自分で大統領を決める」とし、アサド大統領の退陣を拒否した。一方、国民連合はアサド政権がレバノンのシーア派組織ヒズボラとイランの戦闘員を流入させていると反論。「シリアの革命はアサドによるテロに直面している」と述べた。ジュネーブ合意の受け入れを表明し、アサド大統領に退陣と移行政権への権限移譲を要求した。ケリー米国務長官もアサド大統領の移行政権への参加は「(シリア人の)同意を得られない」として足並みをそろえ、改めて退陣を求めた。和平協議の大きな進展が見込めないなか、関係国は限定的な停戦を模索。ファビウス仏外相は「停戦して医薬品を運搬するための人道的な回廊を開くべきだ」と訴えた。激しい戦闘が続く地域では食料が不足。シリア北部アレッポなどを念頭に置いているもようだ。合意しやすい部分から話し合い、政権と反体制派の不信感を取り除いていきたい考えだ。一方、直前になって招待が撤回されたイランについては余波が続いている。ロシアのラブロフ外相はイランの関与が和平に必要だと指摘。イラン外務省幹部は会議に先立ち、「影響力のある勢力が参加しなければシリアの包括的な解決策は見つからない」と不満を表明した。在外人権団体によると、2011年以降、13万人以上が死亡した。政権は連日のようにアレッポなどを空爆。全土で21日だけで199人が死亡したという。