日刊スポーツ 2013年12月16日 
 
 猪瀬氏 知事選でニセ宿泊費疑惑
 
 昨年12月の東京都知事選後に猪瀬直樹知事(67)の陣営が提出した「選挙運動費用収支報告書」に、選挙事務所の事務員らの宿泊費をめぐり、不適切な記載があったことが15日、事務員らへの取材で分かった。
 猪瀬直樹事務所によると、事務員らは選挙期間中、陣営側が賃貸料を支払って借り上げたマンションに無償で宿泊本来マンションの賃貸料などとして計上すべき支出を事務員の「宿泊費」として処理していた
 
 報告書によると、知事選投開票前日の昨年12月15日、事務員の男性4人にそれぞれ20万4000円ずつ、計81万6000円が支出されたことになっていた。公選法施行令では1日当たりの宿泊料の上限は1万2000円で、その17日間(知事選の選挙期間)分に当たる。
 
 事務所幹部によると、マンションは選挙スタッフの個人名で2部屋を契約した。幹部は「猪瀬氏の出馬表明前に個人名で契約したことなどから、今回のような報告をした。宿泊した事務員には事情を理解してもらって領収書も徴収した」としている。
 
 ただ、宿泊していたある事務員は「領収書は事務所が作った」と食い違う証言をしている。岩井奉信・日本大学教授(政治学)は「金の流れを正確に報告していなければ、形式的だが公選法違反の虚偽記載に該当する」と話している。
 
 猪瀬氏は今月16~17日と24日、徳洲会から5000万円を受け取った問題を集中審議する都議会総務委員会に出席する。さらなる追及を受けることになりそうだ。