沖縄県のアメリカ軍普天間基地の移設先とされる、沖縄県名護市辺野古の海の埋め立て手続きで、名護市議会は22日、仲井真知事に対し、埋め立てを承認しないよう求める市長意見を可決した。
22日に開かれた名護市の臨時議会で賛成多数で可決された市長意見は、
名護市議会:辺野古埋め立て反対、市長意見を可決
沖縄県名護市議会(26人)は22日の臨時市議会で、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古への移設に向けた政府の埋め立て申請に反対する稲嶺進市長の市長意見案を賛成多数で可決した。市長は27日に県へ提出する予定。12月以降に仲井真弘多(なかいま・ひろかず)知事が出す埋め立ての可否判断に影響を与えそうだ。
市長意見の提出は公有水面埋立法の手続きの一環。埋め立て事業で地元自治体の反対意見は全国初とみられる。
採決は議長を除いて行われ、市長派14人が賛成、移設を条件付きで容認する自民など保守系9人が反対した。公明2人は退席した。
来年1月の市長選には、再選を目指す稲嶺氏のほか、移設容認派が推す保守系2人が立候補を表明している。公明の退席は普天間問題に対する自公の違いを表したといえ、選挙協力に影響する可能性が出てきた。
市長意見は、辺野古沿岸部の埋め立てに伴う政府の環境保全策について「重大な問題がある」と指摘。希少種ジュゴンやサンゴの生息調査のずさんさや、埋め立て土砂が周辺環境に与える問題点を盛り込んだ。米軍の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイについても騒音が市民生活に影響を与えるなどとし、知事に埋め立てを承認しないよう求めている。
菅義偉官房長官は22日の記者会見で、名護市の反対意見の可決について「承認する、しないは沖縄県にお願いしている。理解を得る努力を続けることが大事だ」と述べた。【井本義親、佐藤敬一】
毎日新聞 2013年11月22日