「1億円お願いします」「余ったら返します」・・・
東京都の補助金を受けている病院グループに、猪瀬氏自身がねだって、無利子無担保で5000万円受け取っていた。
5000万円を受け取った場所は、議員会館の徳田武衆議院議員の部屋
仲介者として新右翼団体(一水会)、木村三浩代表が立ち会った
無利子・無担保で借りたものだが、借用書の相手側の名前は「見ませんでした」と説明。
政治資金収支報告書にも記載はなく、公選法の虚偽記載にあたる疑い。
ー・―・―・―・―・―・転載記事ー・-・-・-・-・-・-・-
11月23日の毎日新聞朝刊より
「個人的な借用」
都知事選前 報告書記載なし
東京都の猪瀬直樹知事〔67〕が、公職選挙法違反事件で幹部らが逮捕された医療法人「徳洲会」グループ側から昨年12月の都知事選前に5000万円の資金提供を受けていた問題で、猪瀬氏は22日の記者会見で「個人としての借り入れで、選挙に使うつもりはなかった」と釈明し、公職選挙法などには抵触しないとの見解を示した。返却が今年9月に同グループが東京地検特捜部の強制捜査を受けた後になった点については「たまたま」とする一方で「返済するのがやや遅れてしまったのは大変申し訳なかった」と謝罪した。
都の条例は都知事に対し、知事に就任した時点の借入金などを資産報告書に記載するよう定めているが猪瀬氏は5000万円について記載しておらず、同日に修正した。条例違反に対する罰則はない。
猪瀬氏によると、資金提供を受けたのは昨年11月。徳田虎雄・前徳洲会理事長が入院する神奈川県鎌倉市の病院を訪れ、知事選出馬のあいさつをした。その後、徳洲会側から現金で5000万円を受け取り、借用書を書いた。無利子・無担保だった。場所は「議員会館だったかもしれない」と述べ、仲介者として新右翼団体(一水会)の木村三浩代表が立ち会ったという。
受け取った現金は、妻(今年7月に死亡)名義の金庫に入れたまま使用せず、選挙後の今年1~2月に徳洲会側へ返済する旨を伝えたという。だが妻の病気や徳洲会側の都合などで返済が遅れ、強制捜査後の9月になって特別秘書が現金をそのまま返却。この経緯を知っているのは「自分と妻だけ」で、選挙責任者や会計責任者には伝えていなかったという。
また、5000万円の受領は「申し出を断るのは失礼」との思いがあったと説明。選挙費用や便宜の見返りを期待しての提供だったことはないと強調。一方で「自分の預金が底をつくかもしれないという思いがどこかにあった」「当時は政治家としての意識が弱かった。借りるべきではなかった」とも述べた。
知事選の収支報告書によると、猪瀬氏は自己負担の3000万円と後援組織からの寄付50万円を運動費用に充て、2113万円余を使った。猪瀬氏の資金管理団体の2012年収支報告書にも徳洲会関連の寄付や借入金の記載はなかった。【川口博之】
毎日新聞2013年11月22日
<猪瀬知事>責任回避に終始 五輪に影響、懸念の声
記者会見の最中、汗を流しながら記者の質問に答える猪瀬直樹都知事=東京都庁で2013年11月22日午後3時45分、梅村直承撮影
「はっきり覚えていない」「逐一記憶していない」--。昨年12月の東京都知事選前に医療法人「徳洲会」グループからの5000万円提供が明らかになった猪瀬直樹都知事。22日の定例記者会見では授受の日時や目的すら明言せず、あいまいな答えに終始した。選挙で支持した都議からも苦言が相次ぎ、都職員からは2020年東京五輪の開催に「いい影響があるわけがない」と懸念する声が漏れた。【竹内良和、和田浩幸】
【立件にはハードル】5000万は前徳洲会理事長の妻の自宅に
普段の記者会見ではポケットに片手を突っ込みながら、記者を怒鳴りつける時もある猪瀬氏。しかしこの日はそうしたスタイルが一変。約1時間以上にわたる記者たちの質問に対し、言葉を選びながら答えた。
5000万円を受け取った経緯を「断るのは失礼だから、とりあえず預かった」と説明したが、詳細を問われると明言を避けた。受領の場所は「議員会館だったかもしれない」。同席した仲介人の存在について問われると「(徳洲会発行の新聞に)行ったと書いてあるなら行ったのでしょう」。借用書も「書いた」と断言しつつ、存在を問われると「確認しないと分からない」と言葉を濁した。
それでも事実関係を問う質問はやまず、猪瀬氏は会見の終盤になって「皆さんに心配をかけたことをおわびします」と謝罪し、頭をわずかに下げた。だが責任問題については最後まで「当時はまだ知事ではなかった」などとかわし続けた。
知事会見を聞いた五輪担当の都幹部は「釈明しても、世間を騒がせていることは事実。五輪にいい影響があるわけがない」と心配そうな表情。五輪準備部の若手職員は「知事は知事、職員は職員だ。万一、猪瀬知事が辞めても東京で五輪があることに変わりない」と淡々と語った。
都議会最大会派・自民党の中堅都議は「初めての選挙で訳が分からなかったのかもしれないが、認識の甘さでは済まされない」と苦言を呈し、他会派の若手は「3年後の再選が難しいというイメージを持たれると、五輪に向けたやりとりで相手に見くびられるかもしれない」と指摘した。
【立件にはハードル】5000万は前徳洲会理事長の妻の自宅に
普段の記者会見ではポケットに片手を突っ込みながら、記者を怒鳴りつける時もある猪瀬氏。しかしこの日はそうしたスタイルが一変。約1時間以上にわたる記者たちの質問に対し、言葉を選びながら答えた。
5000万円を受け取った経緯を「断るのは失礼だから、とりあえず預かった」と説明したが、詳細を問われると明言を避けた。受領の場所は「議員会館だったかもしれない」。同席した仲介人の存在について問われると「(徳洲会発行の新聞に)行ったと書いてあるなら行ったのでしょう」。借用書も「書いた」と断言しつつ、存在を問われると「確認しないと分からない」と言葉を濁した。
それでも事実関係を問う質問はやまず、猪瀬氏は会見の終盤になって「皆さんに心配をかけたことをおわびします」と謝罪し、頭をわずかに下げた。だが責任問題については最後まで「当時はまだ知事ではなかった」などとかわし続けた。
知事会見を聞いた五輪担当の都幹部は「釈明しても、世間を騒がせていることは事実。五輪にいい影響があるわけがない」と心配そうな表情。五輪準備部の若手職員は「知事は知事、職員は職員だ。万一、猪瀬知事が辞めても東京で五輪があることに変わりない」と淡々と語った。
都議会最大会派・自民党の中堅都議は「初めての選挙で訳が分からなかったのかもしれないが、認識の甘さでは済まされない」と苦言を呈し、他会派の若手は「3年後の再選が難しいというイメージを持たれると、五輪に向けたやりとりで相手に見くびられるかもしれない」と指摘した。
時事通信 11月22日
自民幹事長「コメントしかねる」=都知事進退に発展との見方も
自民党の石破茂幹事長は22日、東京都の猪瀬直樹知事が医療法人「徳洲会」グループから5000万円を受け取っていたことについて、「受領が法律的にどういう行為なのか、返却がどういう評価になるのか。知事のコメントを見ないとコメントはいたしかねる」と述べ、言及を避けた。国会内で記者団の質問に答えた。自民党は昨年12月の都知事選で猪瀬氏を支援している。
一方、同党参院幹部は「法律違反や虚偽記載という話に波及する恐れがある」と指摘。「明らかになっている事実だけでも、果たして都知事としてふさわしいのか」と述べ、都知事の進退問題に発展する可能性があるとの認識を示した。
日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)は記者団に「非常に残念。きちっと説明しなければ有権者は納得しない」と、都知事に説明責任を果たすよう求めた。社民党の福島瑞穂副党首は取材に対し「報道されていることが事実なら辞職すべきだ」と語った。