《教育労働者全国通》から
 ■ 「教育の民営化」に絶対反対で闘おう


 ◎ 「国家戦略特区」の柱に公立学校民営化
 安倍政権は10月18日、地域を限定して規制緩和する「国家戦略特区」の具体策を決定した。その柱の一つが「公立学校の民間委託」だ。学校の設置者は地方公共団体、管理運営は丸ごと民間企業に委託される。そうなれば教育内容も含めて民間企業に丸投げされ、そこで働く教職員は非公務員となる
 公教育もまた国際競争力を強化するための市場とされる。教育の民営化の最大の狙いは、国鉄や郵政の民営化のように公務員労働運動と労働組合の解体であり、教育労働者の首切りだ。安倍は、「チャレンジ特区」を申請した大阪で、公設民営化の突破口を開こうというのだ。


 ◎ 「国鉄型」解雇を狙うJR東海会長・葛西
 こうした中で資本家の急先鋒として登場しているのが、国鉄分割・民営化で1047名のクビを切った葛西敬之(現JR東海会長)だ。葛西は安倍首相の盟友として、原発再稼働、集団的自衛権、特定秘密保護法が必要だとくり返し主張している。
 10月6日付の読売新聞では、「この法案(特定秘密保護法)の画期的な点は2点。その第一は、敗戦以来、初めて、公務員は『国家』『国益』『国民』のために存在、機能するという位置づけがなされたことである。……更に画期的なのは『適性評価』の導入である」と述べている。「特定秘密」を扱う公務員らに義務づける「適性評価」とは、「特定有害活動」「テロ活動との関係」、犯歴、精神疾患、飲酒習慣、経済状態、家族や同居人の国籍など多岐にわたる。徹底した身辺調査だ。思想や組合活動などを調査し、公務員労働者が団結することを圧殺しようとしている。
 また葛西は、第一次安倍政権の時から教育再生会議の委員をしてきた。Voice11月号「わが『教育再生』論」では、「国家や国家主権を否定する人たちに主権者教育はできません」と国家主義を呼号する。
 安倍・葛西の狙いは、国家・資本に忠実でない公務員のクビを切り、労組を解体し、改憲と戦争に動員することなのだ。

 ◎ ガマンは限界! 業績評価制度うち破る決起
 その時、首切りの選別基準に使われるのが、業績評価だ。業績評価制度は、競争と分断を持ち込み、同僚間の「いじめ」を生み出している。さらに管理職のパワハラと見せしめ的な選別排除を横行させ、精神疾患と自死を激増させてきた(その最たるものが、初任者への免職攻撃だ!)。
 今や校務分掌も研究授業も研修レポートも生活指導も、すべてが支配の道具にされている。この中で奪われてきたのは、仕事への誇りと職場の協働体制だ。
 しかし、ガマンは限界、怒りの決起が始まっている。クビにされた初任者が「解雇不当」と裁判に立ち上がり、支援の輪が広がっている。評価制度への怒りの声を上げた青年教育労働者が、職場の仲間とつながって本物の団結をつくり出している。
 屈服してきた組合幹部をのりこえ新自由主義を打ち破る闘いだ。自己解放をかけた青年の決起とそれを見捨てない仲間の決起が職場を変える。これこそ団結を奪い返し、闘う労働組合をよみがえらせる闘いだ。ここに希望があり、展望がある。

 ◎ 国鉄闘争とともに民営化反対で闘おう
 教育の民営化は公教育を破壊し、子どもたちの命も奪う。「教育の民営化絶対反対」で、今こそストライキで闘う日教組をつくり出そう。
 JR北海道事故の原因は、国鉄分割・民営化とそれに屈服してきた労働組合のあり方にこそある。国鉄1047名解雇撤回闘争を貫き、業務の外注化・非正規職化攻撃と絶対反対で闘う動労千葉のように闘えば、勝利の道が開かれる。公共部門の民営化を狙う橋下大阪市長は、市職や市教組の現場労働者の反撃に完全に打ちのめされている。
 国鉄闘争全国運動を軸に、最高裁に「解雇撤回・JR復帰」の判決を求める10万筆署名を職場で集め、労働運動の力で安倍・葛西を打倒しよう!

 ◇ 新自由主義「教育改革」の先頭に立つ
   国鉄民営化の張本人・葛西(現JR東海会長)倒そう
 ■葛西の発言/秘密保護法、原発再稼働、安倍「教育再生」を主張

 ◎公務員労働者の支配を狙う
 「この法案(特定秘密保護法案)の画期的な点は2点。その第一は、敗戦以来、初めて、公務員は『国家』『国益』『国民』のために存在、機能するという位置付けがなされたことである。……更に画期的なのは「適性評価」の導入である」(10月6日付読売新聞)

 ◎国家主義を呼号
 「国家や国家主権を否定する人たちに主権者教育はできません」「国民たる者の義務をいかに教えるか。これこそ、今日の主権者教育の第一ではないでしょうか」(Voice11月号「わが『教育再生』論」)

 ◎原発再稼働を推進
 「放射能による直接的な死亡者はなかった」「日本の原発の安全性は飛躍的に高まっている。火力発電よりも遙かに安全な原発を速やかに再稼働すべきではないか」「原発を活用して汚染を減ずることこそ人類の福利」(9月30日付産経新聞)
『教育労働者全国通信 第49号』(2013.11.5)
 
 
パワー・トゥ・ザ・ピープル!! パート2