毎日新聞 2013年11月12日 朝刊
東京地裁:元日弁連常務理事に3億円賠償命令
東京都内の不動産会社が、国有地の架空取引で詐欺罪に問われた元日本弁護士連合会常務理事の弁護士、本田洋司被告(80)に対し、別の国有地購入の売買交渉を委任したのに取引が成立しなかったとして3億円の賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は11日、本田被告に全額の支払いを命じた。本田被告は手付金として受け取った3億円を国に納入したと主張したが、小林久起裁判長は「客観的な証拠がなく、金の所在も不明」と退けた。
提訴したのは渋谷区の「シマダアセットパートナーズ」。判決によると、同社は2011年9月、財務省が所有する東京都品川区の郵政宿舎の土地建物を巡り、交渉の委任契約を本田被告と締結。3億円を支払ったが、実際には取引は成立していなかった。
本田被告は静岡県内の国有地の架空取引で浜松市の住宅販売会社から1億7000万円をだまし取ったとして起訴され、同じ会社から他にも約2億円をだまし取ったとして詐欺容疑で警視庁に再逮捕されている。【川名壮志】