最高裁第1小法廷による<名張毒ぶどう酒事件>第7次再審請求の
特別抗告棄却不当決定に抗議する!
 
言論・表現の自由を守る会
2013年10月17日
 
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毎日新聞 10月17日(木)23時46分配信

<名張毒ぶどう酒事件>「高裁決定を丸のみ」弁護団怒り

 三重県名張市で1961年に起きた「名張毒ぶどう酒事件」で、無実を訴えてきた奥西勝死刑囚(87)の再審への扉は、またも開かなかった。「最高裁は名古屋高裁決定を丸のみしただけ。人の命を何だと思っているのか」。第7次再審請求の特別抗告を棄却した最高裁決定(16日付)を受けて17日夕に会見した鈴木泉弁護団長は、怒りに声を震わせた。

 弁護団に決定文が郵送で届いたのは17日午前10時半ごろ。わずか5ページの決定文に鈴木弁護団長は「信じられず、うつろな目で読んだ」と語った。弁護団は先月30日、検察側の主張に反論する書面を最高裁に提出したばかり。鈴木弁護団長は「最高裁は、我々が心血を注いで出した証拠や意見書を検討していない」と目に涙を浮かべた。

 会見に先立ち、弁護団の野嶋真人、伊藤和子両弁護士は八王子医療刑務所(東京都八王子市)で奥西死刑囚と約10分間面会した。普段はベッドに横たわって目を閉じていることが多いが、この日は2人が入室すると右手を高く上げた。

 しかし「ごめんなさい。力が及びませんでした」と伝えると、天井をうつろに見つめたという。第8次再審請求をする意向を伝え「僕はあきらめていません。必ず逆転して勝つと信じていますから」と言うと、奥西死刑囚は大きく何度もうなずいた。のどに管が入っているため声を出せないが、口が動き「ありがとうございます。頑張ります」と言ったように見えたという。

 特別面会人の稲生(いのう)昌三さん(74)によると、奥西死刑囚の妹(83)は最高裁決定を知り、「兄は無実。裁判長に直接会い、私の訴えを言いたい」と憤った。【稲垣衆史、石山絵歩】
 
 
 
 
 

ニッカリンTは赤色だった白ぶどう酒に赤い農薬を入れた?

懇親会で出されたぶどう酒は白。しかし、再審になって新たに、勝さんの家にあったニッカリンTは赤色だったことが明らかになりました。赤い農薬を入れればぶどう酒は変色し、皆気づくはずです。

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   ニッカリンT   同・裏側   同・内容液  ラベル「赤色」表示
 (瓶裏側の拡大写真)


生き残った人は皆、飲んだぶどう酒は「白かった」と話しています。ぶどう酒に入れられたのが、勝さんの家のニッカリンTでなかったことは明らかです。
それに真犯人なら赤いニッカリンを入れて白ぶどう酒の異変に気づかれないかどうかを心配するはずなのに、「自白」は一切そのことにふれていません。そのうえ勝さんは、公民館で村の女性にぶどう酒の色を尋ねられ、わざわざ包装紙をはずして見せています。それを見た村の女性は「白や、おいしいなぁ」と言ったことを証言しています。

 
 

毒物は、ニッカリンTではなかった!

奥西勝さんは、ニッカリンTを購入していたため、犯人と疑われ、ニッカリンTをぶどう酒に混入して犯行を行ったと、虚偽の自白の中で述べています。

ニッカリンTは、テップ剤と呼ばれる農薬ですが、ニッカリンTの製造方法では、主成分のテップの他、副生成物としてトリエチルピロリン酸(トリエチルピロホスフェート)が生成されます。
しかし毒物が混入されていたぶどう酒の飲み残りからは、テップとテップが加水分解した物質であるDEPが検出されているものの、トリエチルピロリン酸は検出されていません。
【図の解説】
左端(1)が飲み残りのぶどう酒を検査した結果。トリエチルピロリン酸の反応はない。
それと比べると、他の検査結果には、トリエチルピロリン酸の反応がある。

当時の鑑定人は、トリエチルピロリン酸が検出されなかった理由について、加水分解速度が非常に速く、それにより消失したと説明していました。
ところが、弁護団の労苦を重ねた調査と研究によって、ニッカリンTに関する様々な分析の実験を行った結果、ニッカリンTには、製造後30年を経過しても15%以上のトリエチルピロリン酸が含まれており、このトリエチルピロリン酸の加水分解速度はテップ剤と比較すると非常に遅いことが判明しました。

つまり、飲み残りのぶどう酒からテップが検出されているにも関わらず、トリエチルピロリン酸が検出されていないということは、事件に使われた農薬は奥西勝さんが所有していたニッカリンTではなく、別なテップ剤だということが明らかになった訳です。 ※当時市販されていた別のテップ剤の製造方法では、トリエチルピロリン酸が生成されません。

この結果により、奥西勝さんの無実は一層明らかになりました!!
 
 

勝さんが「やった」とされるていること(起訴事実)

 
動機・・・ 三角関係の清算のために、妻と愛人を殺そうと計画した。                  

 準備・・・ 三奈の会総会の前夜、自宅にあった農薬「ニッカリンT」を
       竹筒に移し入れ準備した。

 犯行・・・ 総会の当日、懇親会に出される女性用のぶどう酒をN氏宅から
       公民館に運び、そこで偶然一人になった隙に、ぶどう酒の王冠を
       歯で噛んで開け、竹筒の農薬をぶどう酒に混入した。


  ◆しかし、勝さんがぶどう酒のビンに毒を入れたところを見ていた目撃者はいない。
   また、証拠もない。

  ◆検察側は、現場で見つかった王冠に傷があり、この傷はぶどう酒のビンを
   歯で開けた時にできた傷だと認定した。

  ◆そこで、勝さんの歯型を調べた。

  ◆そして、王冠の傷と勝さんの歯型が一致するとして、これを唯一の物証とした。
   が・・・。

   

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津地方裁判所

http://www5a.biglobe.ne.jp/~nabari/img/buttan1.gif 王冠の傷は勝さんの歯型とは
  断定できない

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 毒物混入の機会は他の人にもあった

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 勝さんの自白は信用できず、
  犯行動機も納得できない。

名古屋高等裁判所

http://www5a.biglobe.ne.jp/~nabari/img/buttan2.gif 王冠の傷は勝さんの歯型と一致する

http://www5a.biglobe.ne.jp/~nabari/img/buttan2.gif
 毒物混入の機会は勝さんにしかない。

http://www5a.biglobe.ne.jp/~nabari/img/buttan2.gif
 勝さんの自白は信用でき、
  犯行動機も納得できる
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第1審 津地方裁判所
「無罪判決」全文
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第2審 名古屋高等裁判所
「死刑」判決→作成中