米新規失業申請急増、政府閉鎖やデフォルト懸念の影響=CEA委員長
米国債の元利支払いが滞った場合のみ、デフォルトと判断=フィッチ
[ニューヨーク 10日 ロイター] - フィッチ・レーティングスは10日、米国債の元利の両方、またはどちらかの支払いが滞った場合にのみ、デフォルトと判断すると説明した。
フィッチは以前、国庫資金が枯渇するとされる10月17日より前の「適切なタイミング」で、債務上限が引き上げられなければ、米格付けの「引き下げ方向での」見直しを正式に開始する、と表明していた。
フィッチは今回、格下げに至る流れについて、さらに詳しい説明を行った。それによると、債務上限が期限内に引き上げられなければ、「短期的なデフォルトリスクの高まり」を反映する「レーティング・ウォッチ・ネガティブ(RWN)」に指定することを検討するという。
ただし、連邦政府職員の給与など、政府へのモノやサービスの供給に対する支払いが広範囲、かつ長期的に遅れるケースは「デフォルトに当たらない」。米国債の元利の両方、またはそのどちらかの支払いが滞った場合にのみ、米国がデフォルトに陥ったと判断するとしている。
フィッチの現在の米国債格付けは「AAA」。見通しは大手3社で唯一「ネガティブ」で、これは2011年11月から変わっていない。
米デフォルトに備える投資家、あの手この手でリスクヘッジ
10月10日(ブルームバーグ):米国のデフォルト(債務不履行)を回避するための期限が近付くにつれ、投資家はリスクに備え始めた。ポートフォリオ内の米国債を短期から中長期に入れ替えたり、株・債券相場急落に備えるオプションを購入したりと、方法は様々だ。
JPモルガン ・チェースのプライベートバンク顧客の一部は現金保有を増やしている。債務上限引き上げ期限である17日より後に満期になる財務省証券を売って、中長期期国債 に乗り換えている顧客もある。スチュアート・キャピタル・アドバイザーズは現在バリュエーションが低めの保険、ハイテク、医療関連株を購入。米国の銀行株に連動する上場投資信託(ETF)からは資金が流出し、外国株のETFに流入している。
大半の投資家はデフォルトが回避されると考えているものの、取りあえず備えをしておこうという戦略だ。ルーミス・セイレスの債券ポートフォリオマネジャー、ケビン・カーンズ氏は「まず資本を守らなければならない」と話した。
投資家は2011年8月を先例に、今回も債務上限問題が土壇場で解決されると考えている。それでも、万が一のデフォルトへの懸念は米国の短期の借り入れコストに表れ始めている。オバマ大統領が8日に米憲法修正第14条を適用して議会の承認なしで債券発行に踏み切るべきだとの呼び掛けを拒否した後、財務省短期証券(TB)のレートは上昇。17日償還のTBのレートは9日には20ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇、8日は14bp上昇した。
スイスの銀行UBSの資産運用部門、UBSグローバル・アセット・マネジメント(運用資産6440億ドル=約63兆円)は、ヘッジのため米国債のオプションを購入したことを明らかにした。シカゴ在勤の米マルチセクター・フィクスト・インカム共同責任者、ブライアン・フェーレンバッハ氏によれば、同社は米国債とドイツ国債に関連したデリバティブ(金融派生商品)を使ってリスクヘッジを図っている。
同氏はロンドンでインタビューに応じ、「これは当社の防衛戦略の一部だが、その効果を試さずに済めばよいと思っている」と語った。「ワシントンの不透明性は信頼感にマイナスだ。解決を先送りすればするほど、最後の瞬間に過ちが起こるリスクが高まる」と苦言を呈した。
原題:JPMorgan Clients in Cash as Schwab Sees OptionsHedging Default(抜粋)
更新日時: 2013/10/10 16:41 JST