毎日新聞 2013年10月08日 20時52分(最終更新 10月08日 23時27分)
みずほ銀:暴力団融資 当時の頭取も把握 佐藤社長進退も
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厳しい表情で記者会見するみずほフィナンシャルグループの佐藤康博社長=東京都中央区で2013年10月8日午後4時23分、竹内幹撮影
みずほ銀行が信販会社を通じた暴力団員らへの融資を放置していた問題で、親会社のみずほフィナンシャルグループ(FG)の佐藤康博社長(みずほ銀行頭取)は8日、問題発覚後に初めて記者会見を開き、2010年7月時点で、問題融資について当時の西堀利(さとる)頭取にも報告が上がっていたことを明らかにした。また、佐藤社長自身も11年7月のみずほ銀の取締役会などに出席し、問題融資の存在について知りうる立場にあったことも明らかになり、経営トップの進退問題になる可能性も出てきた。
問題融資を把握していたのが「担当役員まで」との従来の説明と異なり、金融庁に対しても事実と異なる報告をしていたことになり、みずほのずさんさが改めて浮き彫りとなった。金融庁は8日、「当庁への報告において、事実と異なる報告を行っていたことは極めて遺憾」とするコメントを出した。
みずほは8日、社外の弁護士でつくる第三者委員会を設置し、問題融資の原因究明を進める。佐藤社長は自らの経営責任について「グループの責任者として、問題融資を知りうる立場であり、責任があると思っている。責任については、第三者委員会の判断を待って決める」と述べるにとどめた。
今月4日にみずほFGの法令順守担当副社長が記者会見した後、7日夜の西堀氏への聴取や社内調査などにより、問題融資を把握していたことが判明した。西堀氏は聴取に対して、10年9月のオリコに対する出資比率引き上げを控えた10年7月の段階で、「オリコの提携ローンの問題を認識し、反社会的勢力に対する対応に改善策を検討した」と話しているという。また、後任頭取の塚本隆史みずほFG会長(みずほ銀会長)に、オリコの問題融資が引き継がれたかどうかについて調査を続けている。
11年2月から12年1月までに開かれた、みずほFGとみずほ銀のコンプライアンス委員会と取締役会の計8回の会議で、問題融資の資料が提出されていたことも明らかになった。それぞれ10人前後が出席しており、組織ぐるみの隠蔽(いんぺい)が濃厚になった。