検察 原発事故「全員不起訴」の姑息なタイミング
"お祭り"に便乗し目くらまし
うっかりニュースを見落としていた国民も多いのではないか-。
福島第一原発事故をめぐって、告訴・告発されていた東電の旧経営陣や菅元首相など40人余りが全員、不起訴処分となった1件だ。(中略)
「検察が『不起訴』を発表したのは9日、東京五輪が決定した翌日のことでした。日本中がお祝いムード一色で、新聞もテレビも五輪関連ニュースで埋め尽くされていた。国を挙げたお祭り騒ぎで、不起訴のニュースは完全にかき消されてしまったのです。おまけに、この日は休刊日。各新聞社は、あふれるほどの五輪記事を夕刊用に準備していました」(中略)
「結局、夕刊に掲載できなかった新聞もあり、翌朝の各紙の扱いもバラバラ。全国紙が足並みを揃え、『不起訴』を大きく取り上げる事態には至らなかった。 検察はこうなることはすべてお見通しで、都合の悪い発表をこっそり五輪騒ぎに合わせてきたのです。東電本社を家宅捜索せずに不起訴とした検察は、国民から批判されることを怖れていました」
検察は過去にもメディアを巧みに利用し、時には弱みにつけ込んで情報操作を行ってきた。大マスコミは性懲りもなく、検察の悪知恵に加担したことになる。国民もつくづくバカにされたものだ。(9月13日、日刊ゲンダイより抜粋)