☆ 9月29日(日)《連歌・鳥の歌コンサート~鎮魂そして未来の命のために》
出演:ナターシャ・グジー、井上鑑ほか 会場:石巻中央公民館
http://tanoshiroyama.com/tanoshiro_public/20130929ishinomaki-renka1.pdf
《第4回「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会から》
◆ 誇り高く生きることを あきらめません
~地震津波被曝被災地より~
1 忙しいですね
忙しいとは「心」を「亡」ぼすと書くのです...とは随分前に知ったことです。皆さんもきっとどこかで聞いたり話したりしたことがあるのではないでしょうか。いやはや学校現場は忙しいです。教職員組合が職場の「多忙化」を課題にして、もう何年にもなります。けれども残念なことに、学校現場はますます忙しく、心を亡ぼさずにやっていけない状況にあります。
私が教職員評価制度に抵抗して、もう8年になります。毎年管理職に呼ばれ、諭されたり詰問されたり。「この制度に危惧を抱くあなた言うことは分かるが、これは決まったことなのだ」「公務員なのだ」という指導を毎年毎年受けています。かつては「処分するぞ」「処分されないようにしなさい」といろいろ大変でした(その節はご支援ありがとうございました)が、近年はそこまでの攻撃はありません。これも、多忙化のためでしょうか。
「日の丸・君が代」に起立せず歌わずに式に参加しています。向かい側に立つ来賓は気にしているかもしれません。ちらちらとこちらを見る管理職もいます。けれども、そのままです。これは私の「課題」として蓄積されていたり、または「小さなこと」と問題にされていないかというところでしょう。何せ、学校現場は忙しいのですから。
2 「マル生」
私は北海道夕張市で生まれ育ちました。石炭を運ぶ黒い貨車には白いペンキででっかく「マル生反対」と書かれていました。どういう意味か分かりませんでした。蒸気機関車の写真を撮ることに熱中していた少年時代、あのペンキに何度もがっかりさせられました。せっかくのD51が落書き状態の貨車と一緒じゃ絵になりません。
蒸気機関車もなくなり、炭鉱も(大きな事故の後)閉山し、それから私は「マル生反対」の意味を知りました。「まるなま」じゃなくて「まるせい」。「生産性向上」の「生」だったんですね。その頃には「合理化反対」の意味も理解しました。チャップリンの映画を見て「人間疎外」という言葉も理解しました。そして、炭労の人たちは「人間らしく生きるぞ」とアピールしていたんだなぁと、故郷の先輩を誇らしく感じました。
3 「合理化」は進んでいるか
さて、「生産性向上」は実っているのでしょうか。「合理化」は進んでいるのでしょうか。何ということでしょう。21世紀、職務の成果を上げるために最短ルートを最小コストで進めるシステムが、人々を包囲しています。不備を無くすべく努力し生産性を向上し無駄なく(合理的に)労働することを、当然の善きこととしている今日があります。しかも完成はせずまだまだ追求されています。とてもとても不甲斐ない今です。
なぜこんなことになっちゃったのでしょう。それは「合理化」「生産性向上」が自主的になされているからだと、私は考えています。無駄なことはしない。面倒くさいことは考えない。結果が分かっているなら先取りする。そして、なるべく無事に「私の場所」を維持したい。
そんな「合理的な」振る舞いが、かつては「人間疎外」と問題視されていたことを、「そんなこと言ってもしょうがない」と無視する小さな営みの連なりにしてしまっているのだと思うのです。そして、それまでの出来事(歴史・文化)を知らない若者たちは、こういうものだと学び、「人間疎外」を当然のように再生産してしまっているのです。討論をしても結局管理職が決めるのだから無駄。そんなことに時間をかけるよりも、早くにこの時間を終えて、テストのマル付けをしなくてはならない。そういないと、また帰宅したとき娘は寝ているだろう...そんな「合理化」です。
4 「人間疎外」が標準...ではなくて
私はあいかわらずに飄々と〝こんな人もいるんだよ〟という過ごし方をしています。私は標準じゃないかもしれないけれど、みんな同じではないものなんだよという姿で仕事しているんです。
教職員評価の自己評価票を出さない理由を書いたものを、ひょいと若者に見せたりします。初めて見る新鮮さもあって、若者は「そうですよね!」と目を輝かせます。すぐに同じことをしなくても、まず知ってもらうこと。伝えること。そして、そんな営みを続けること。脱原発デモのニュース報道でインタビューされたとき、すぐに声かけてくれた若者がいました。嬉しかったなっ。
私一人でできることには、限界があります。私と同じでなくても「定型外」の営みを、いろんな人がしていければいいなと思っています。ここに人間あり! そこにもどこにも人間あり! 人間を生きづらくしている「標準」なんかに、学校を譲るわけにはいきませんから。
東京・大阪でしんどい中、人間であること、その誇りを捨てていない仲間に敬意を表します。全国に、誇り高く生きる仲間がいるから、私も(いろいろありますが)元気に歩めるように思います。日々感謝です。ありがとうございます。
5 地震津波被曝被災地の今
先日女川原発すぐ近くの仮設住宅に訪問してお話を伺いました。女川原発再稼働反対のチラシを持って歩いているんです。「当然原発反対だっ! だけっど、今はそれどころじゃねっちゃ。(地盤沈下した土地の)嵩上げのことやら、いつまで仮設さいられるかってことだって、そっちのほうが、悪いんだけど先なんだわっ! それどころじゃないんだわっ」 そうだなぁと私は思いました。
3.11以降いろんなところでたくさんの人と出会っています。東松島で子どもたちとお絵描きしたり、福島を訪れて放射線の空間線量の高さに驚いたり、宮城ではとっくに片付けられている瓦礫が南相馬では放置されたままだったり、楢葉の山間で除染した後にたくさんの黒い袋が積み重ねられているのを見たり、郡山でガラスバッチ付けている子どもたちと遊んだり...。
親の仕事がないことをつぶやく小学生を知っています。月命日の度に海に行く人を知っています。本来ではない中でも、何とか明日を過ごしていくこと。私は、自分が勤める学校だけでなく、たくさんの人と誇り高き暮らしを取り戻したい(これ以上奪われない)。まずは原発再稼働阻止。これ以上もうこんなこと、たくさんです。
学校現場も、被災地も、忙しいです。心が亡ぼされ続けています。これを嘆くなら、それで終わりになってしまいそう。だからなんぼかでも「現場」に出て、いろんな方と歩んでいこうと思っています。
8月25日に仙台で脱原発のイベント、26日は2学期始業式。今年は東京で皆さんとご一緒できませんでした。けれど同じ地平を行く仲間の一人として加えてくださいね。これからも大らかに歩みましょう。
※ 石巻の仲間とコンサート成功のために奔走しています。ぜひあなたも石巻にいらしてくださいね。
つちやさとし tsuchiya_sat@mac.com Twitter:tanoshiro
Facebook:土屋聡 http://tanoshiroyama.com/
☆ 9月29日(日)《連歌・鳥の歌コンサート~鎮魂そして未来の命のために》
出演:ナターシャ・グジー、井上鑑ほか
会場:石巻中央公民館開場:13:30 開演:14:00
チケット:大人1000円、小中学生500円、未就学児・介助者無料
主催:石巻・子どもの健康と未来を守る会 http://ameblo.jp/ishinomaki-kids/
http://tanoshiroyama.com/tanoshiro_public/20130929ishinomaki-renka1.pdf
出演:ナターシャ・グジー、井上鑑ほか 会場:石巻中央公民館
http://tanoshiroyama.com/tanoshiro_public/20130929ishinomaki-renka1.pdf
《第4回「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会から》
◆ 誇り高く生きることを あきらめません
~地震津波被曝被災地より~
小学校教員(宮城県) 土屋 聡
1 忙しいですね
忙しいとは「心」を「亡」ぼすと書くのです...とは随分前に知ったことです。皆さんもきっとどこかで聞いたり話したりしたことがあるのではないでしょうか。いやはや学校現場は忙しいです。教職員組合が職場の「多忙化」を課題にして、もう何年にもなります。けれども残念なことに、学校現場はますます忙しく、心を亡ぼさずにやっていけない状況にあります。
私が教職員評価制度に抵抗して、もう8年になります。毎年管理職に呼ばれ、諭されたり詰問されたり。「この制度に危惧を抱くあなた言うことは分かるが、これは決まったことなのだ」「公務員なのだ」という指導を毎年毎年受けています。かつては「処分するぞ」「処分されないようにしなさい」といろいろ大変でした(その節はご支援ありがとうございました)が、近年はそこまでの攻撃はありません。これも、多忙化のためでしょうか。
「日の丸・君が代」に起立せず歌わずに式に参加しています。向かい側に立つ来賓は気にしているかもしれません。ちらちらとこちらを見る管理職もいます。けれども、そのままです。これは私の「課題」として蓄積されていたり、または「小さなこと」と問題にされていないかというところでしょう。何せ、学校現場は忙しいのですから。
2 「マル生」
私は北海道夕張市で生まれ育ちました。石炭を運ぶ黒い貨車には白いペンキででっかく「マル生反対」と書かれていました。どういう意味か分かりませんでした。蒸気機関車の写真を撮ることに熱中していた少年時代、あのペンキに何度もがっかりさせられました。せっかくのD51が落書き状態の貨車と一緒じゃ絵になりません。
蒸気機関車もなくなり、炭鉱も(大きな事故の後)閉山し、それから私は「マル生反対」の意味を知りました。「まるなま」じゃなくて「まるせい」。「生産性向上」の「生」だったんですね。その頃には「合理化反対」の意味も理解しました。チャップリンの映画を見て「人間疎外」という言葉も理解しました。そして、炭労の人たちは「人間らしく生きるぞ」とアピールしていたんだなぁと、故郷の先輩を誇らしく感じました。
3 「合理化」は進んでいるか
さて、「生産性向上」は実っているのでしょうか。「合理化」は進んでいるのでしょうか。何ということでしょう。21世紀、職務の成果を上げるために最短ルートを最小コストで進めるシステムが、人々を包囲しています。不備を無くすべく努力し生産性を向上し無駄なく(合理的に)労働することを、当然の善きこととしている今日があります。しかも完成はせずまだまだ追求されています。とてもとても不甲斐ない今です。
なぜこんなことになっちゃったのでしょう。それは「合理化」「生産性向上」が自主的になされているからだと、私は考えています。無駄なことはしない。面倒くさいことは考えない。結果が分かっているなら先取りする。そして、なるべく無事に「私の場所」を維持したい。
そんな「合理的な」振る舞いが、かつては「人間疎外」と問題視されていたことを、「そんなこと言ってもしょうがない」と無視する小さな営みの連なりにしてしまっているのだと思うのです。そして、それまでの出来事(歴史・文化)を知らない若者たちは、こういうものだと学び、「人間疎外」を当然のように再生産してしまっているのです。討論をしても結局管理職が決めるのだから無駄。そんなことに時間をかけるよりも、早くにこの時間を終えて、テストのマル付けをしなくてはならない。そういないと、また帰宅したとき娘は寝ているだろう...そんな「合理化」です。
4 「人間疎外」が標準...ではなくて
私はあいかわらずに飄々と〝こんな人もいるんだよ〟という過ごし方をしています。私は標準じゃないかもしれないけれど、みんな同じではないものなんだよという姿で仕事しているんです。
教職員評価の自己評価票を出さない理由を書いたものを、ひょいと若者に見せたりします。初めて見る新鮮さもあって、若者は「そうですよね!」と目を輝かせます。すぐに同じことをしなくても、まず知ってもらうこと。伝えること。そして、そんな営みを続けること。脱原発デモのニュース報道でインタビューされたとき、すぐに声かけてくれた若者がいました。嬉しかったなっ。
私一人でできることには、限界があります。私と同じでなくても「定型外」の営みを、いろんな人がしていければいいなと思っています。ここに人間あり! そこにもどこにも人間あり! 人間を生きづらくしている「標準」なんかに、学校を譲るわけにはいきませんから。
東京・大阪でしんどい中、人間であること、その誇りを捨てていない仲間に敬意を表します。全国に、誇り高く生きる仲間がいるから、私も(いろいろありますが)元気に歩めるように思います。日々感謝です。ありがとうございます。
5 地震津波被曝被災地の今
先日女川原発すぐ近くの仮設住宅に訪問してお話を伺いました。女川原発再稼働反対のチラシを持って歩いているんです。「当然原発反対だっ! だけっど、今はそれどころじゃねっちゃ。(地盤沈下した土地の)嵩上げのことやら、いつまで仮設さいられるかってことだって、そっちのほうが、悪いんだけど先なんだわっ! それどころじゃないんだわっ」 そうだなぁと私は思いました。
3.11以降いろんなところでたくさんの人と出会っています。東松島で子どもたちとお絵描きしたり、福島を訪れて放射線の空間線量の高さに驚いたり、宮城ではとっくに片付けられている瓦礫が南相馬では放置されたままだったり、楢葉の山間で除染した後にたくさんの黒い袋が積み重ねられているのを見たり、郡山でガラスバッチ付けている子どもたちと遊んだり...。
親の仕事がないことをつぶやく小学生を知っています。月命日の度に海に行く人を知っています。本来ではない中でも、何とか明日を過ごしていくこと。私は、自分が勤める学校だけでなく、たくさんの人と誇り高き暮らしを取り戻したい(これ以上奪われない)。まずは原発再稼働阻止。これ以上もうこんなこと、たくさんです。
学校現場も、被災地も、忙しいです。心が亡ぼされ続けています。これを嘆くなら、それで終わりになってしまいそう。だからなんぼかでも「現場」に出て、いろんな方と歩んでいこうと思っています。
8月25日に仙台で脱原発のイベント、26日は2学期始業式。今年は東京で皆さんとご一緒できませんでした。けれど同じ地平を行く仲間の一人として加えてくださいね。これからも大らかに歩みましょう。
※ 石巻の仲間とコンサート成功のために奔走しています。ぜひあなたも石巻にいらしてくださいね。
つちやさとし tsuchiya_sat@mac.com Twitter:tanoshiro
Facebook:土屋聡 http://tanoshiroyama.com/
☆ 9月29日(日)《連歌・鳥の歌コンサート~鎮魂そして未来の命のために》
出演:ナターシャ・グジー、井上鑑ほか
会場:石巻中央公民館開場:13:30 開演:14:00
チケット:大人1000円、小中学生500円、未就学児・介助者無料
主催:石巻・子どもの健康と未来を守る会 http://ameblo.jp/ishinomaki-kids/
http://tanoshiroyama.com/tanoshiro_public/20130929ishinomaki-renka1.pdf
パワー・トゥ・ザ・ピープル!! パート2