伊方原発を止め、ふるさと瀬戸内を守りましょう!
-過ちをくり返さないために 語り継ごう8・6
(被爆68周年8・6ヒロシマのつどい)(上)
堀内美鈴(愛媛県・松山市)
私は瀬戸内海の向かい側の愛媛県松山市に住んでいます。
「3・11」の福島第一原発事故を目の当たりにして、愛媛県の伊方原発をはじめとして原発のない社会を目指して、一市民として出来ることに取り組んでいます。
そのご縁で、今日、呼びかけをさせていただくことになりました。
心から感謝申し上げます。
伊方原発は日本で一番長い45kmほどの長さの佐田岬半島の根元の、瀬戸内海に面した場所にあります。広島市からは約100キロはなれています。
全国の原発で、内海に面しているのはこの伊方原発だけです。
「3・11」原発大震災後、伊方は定期検査のために1~3号機、全てが停止しています。四国電力は今年の夏の電力需給見通しについて、余力5%以上で、節電要請や計画停電の準備はしないと発表しています。
すでに四国では原発に全く依存しなくても電気は足りています。
愛媛県には原子力センターもあります。この原子力センターは福島第一原発から約800キロ離れていますが、東日本大震災後、3月23~24日にかけて、はじめてヨウ素131を観測しました。ひとたび原発が重大な事故を起こせば、日本のどこに住んでいようとも、みな影響を受けます。
また、国連報告によると、この事故で放出された放射性セシウム137の量は広島に落とされた原爆の168倍と推測されています。
私たちはいま、世界で最も深刻な原子力災害の真っただ中を生きているのです。
国全体がこのように非常事態にあるにも関わらず、四国電力は先月8日に原子力規制委員会に伊方原発3号機の再稼働申請をしました。
他にも、北海道電力・泊原発、関西電力高浜原発、九州電力川内原発と玄海原発も審査中ですが、伊方は他の原発と比べて一番審査回数が多く、再稼働のトップランナーになるのではないかと心配です。
私は「3・11」で、原発のない社会を作りたいと心から思いました。
とにかくまずは、現地で原発とともに暮らしてきた方々に会ってお話しを聞きたいと思い、伊方の地元でチラシの戸配布をしたり、長年反対運動をしてこられた方々や伊方から30キロ圏内で暮らす人々ともお会いしました。
そして、伊方についてこれまで知らなかった事をたくさん教えられました。
原発建設予定地では、それを阻止しようと立ち上がった住民たち、特にお母さんや子どもたちがいました。また、日本で初めて住民が国を訴えて原発裁判を起こして、20数年間、闘いぬきました。けれども電力会社や行政に携わる人たちは、現地の住民を切り崩し、引き裂き、中には自殺にまで追い込まれた住民がいたことを知りました。
表に出されることが無かったこのような現地の声を聞けば聞くほど、それまで自分が無意識に使っていた電力が、いかにむごい方法で立てられた原発が生み出したものであったかを思い知らされました。
原発再稼働は電力供給の問題ではなく、私たちの人権が踏みにじられ、立ち上がれなくされた後に初めてやってくる、人権侵害の結果なのです。
たんぽぽ舎です。【TMM:No1927】より