明日8月10日(土)深夜0時~1時31分(11日0時~):2013年
 
「ETVセレクション」で、2007年に放送されて評判を呼んだ
ETV特集「焼け跡から生まれた憲法草案」アンコール放送されます。
 
この番組をみると「現行憲法はアメリカの押しつけだから、
今こそ自主的に憲法を作ろう」という主張が、いかに単純で通俗的なものかがわかります。
現行憲法には、それまで人類が獲得してきた基本的な原理と、戦争を経た日本人の願いが取り込まれていたのでした。
番組企画内容は放送当時、次のように説明されています。
 
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日本国憲法の誕生に新たな光を投げかける資料が最近、関心を集めている。
終戦直後、日本人が構想したさまざまな憲法草案である。
政府やGHQとは別に民間の憲法草案が作られていたのだ。
中でも注目されているのが、在野の学者やジャーナリストが党派を超えて集まった「憲法研究会」。
194512月に発表された「憲法草案要綱」は、
国民主権と人権尊重の原理を掲げ、
「日本国ノ統治権ハ国民ヨリ発ス」とし、
天皇の役割は儀礼的なものに制限。
象徴天皇制の原型とも言えるものだった。
 
GHQの民政局はこの草案に着目。法律の下の平等や、拷問の禁止など、
基本的人権の規定には、GHQの草案を通して現在の憲法にそのまま取り入れ
られた条文もある。
 
GHQが瞠目した画期的な草案は、どうやって生まれたのか。
中心メンバーだった鈴木安蔵が書き残した記録からは国民主権に基づく新たな憲法を生み出そうと、議論を重ねていった様子が浮かび上がってきた。
 
番組では、敗戦直後の近衛文麿や政府の草案作りや進歩党、自由党、社会党、共産党の憲法案も紹介。
 
焼け跡で、新しい憲法を構想した戦後日本人の姿を浮かび上がらせていく。
 
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なお、この番組は、その後放送した「NHKスペシャル 日本国憲法誕生」とともにNHK出版より取材記が発売されているとのことです。