足利銀、再上場申請=破綻から10年
足利銀行の持ち株会社、足利ホールディングス(HD)が、再上場に向け東京証券取引所に上場申請したことが31日、分かった。東証の審査を経て承認が得られれば、株価動向などを見極めた上で今秋にも上場したい考えだ。
足利銀行は2003年に経営破綻し、一時国有化された。野村グループを中心とする企業連合が08年4月、足利HDを設立。同年7月、足利銀の全株式を預金保険機構から譲り受けた。当初は10年度中の再上場を目指していたが、株価低迷で先送りされてきた。
足利銀:再上場を申請 株式市況好転、環境整う!?
毎日新聞 2013年07月31日夕刊
2003年に経営破綻し、一時国有化された足利銀行(宇都宮市)の持ち株会社、足利ホールディングス(HD)が東京証券取引所へ上場申請したことが31日、明らかになった。経営が安定してきたほか、昨秋以降、株式市況が好転したことから、再上場の環境が整ったと判断した。東証の上場審査が順調に進めば、今秋にも10年ぶりに再上場する見通しだ。
足利銀行はバブル期に多額の不良債権を抱え、03年11月に経営破綻。当時の持ち株会社、あしぎんフィナンシャルグループは上場廃止となり、解散した。
08年7月に、野村HD傘下の野村フィナンシャル・パートナーズ(FP)を中心とする投資グループが2800億円を出資して再建を進め、10年度中の再上場を目指していたが、リーマン・ショック後の市況低迷で見送っていた。
13年3月期までの5年間で、住宅ローン残高は2割増。投信などの預かり資産残高も3割増と収益基盤を安定させてきた。13年3月期連結の最終利益は154億円、銀行単体の最終利益は246億円を確保し、今後3年間も安定した収益を上げる見込み。株式市況が好転していることも、上場の大きな判断材料になった。【窪田淳】