日本の若者が政治を語らず、投票にも行かないわけは、
日本には民主主義も言論の自由もなく、
文部科学省・教育委員会と政府マスコミに思想統制されている弾圧国家だから・・・
毎日新聞 2013年07月07日
余録: アフリカのスーダンから19歳で来日した…
アフリカのスーダンから19歳で来日した視覚障害者の青年は日本語に苦しんだ。「焦る」は「焦ります」となるのに、「あげる」はなぜ「あげります」でなく「あげます」なのか。鍼灸(しんきゅう)を学ぶべく日本語能力試験を受けた時は問題に歯が立たず、人目も構わず泣いた
▲そんなモハメド・オマル・アブディンさんの日本暮らしも15年。35歳になった彼は「わが盲想(もうそう)」(ポプラ社)という本を出した。「目で見たことのない日本を、見えない世界でどのように想像してきたか」がテーマだ
▲といえば難解なようだが、「スーダンは日本より数段広い」といったダジャレあり、イスラム教徒なのに酒に酔いつぶれた体験談ありで一気に読める。書名はヒトラーの「わが闘争」を意識し、独裁者の教条的で偏狭な思想の対極に自分を置きたかったという
▲「視覚障害者としてどう頑張ったかとか、さめた日本観を披露するとかじゃなく、ありのままの僕を書きました」とアブディンさん。パソコンの音声入力ソフトを使い、一つずつ言葉を選ぶ。紡(つむ)ぎ出されるのは軽妙で時に洒脱(しゃだつ)な、肩の力を抜いた日本語だ
▲東京外語大の博士課程で「平和構築」を研究する。エジプトのクーデターに話が及ぶと口調が改まった。「モルシ大統領は民衆の声を軽視した。でも軍は彼にもっと時間を与えるべきでした」。故国スーダンでもクーデターで政権を握ったバシル大統領の長期独裁が続く
▲中東には「数段」の民主化が必要だというのは易しい。が、民主主義と言論の自由がある日本で若者が政治を語りたがらないのはなぜ?というアブディンさんの疑問にはどう答えよう。