韓国の原発不良部品納入 発注側部長ら逮捕 共謀疑い

不良部品の制御ケーブルが納品されていた新古里原発1、2号機(右から)=今年2月、辻渕智之撮影
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 【ソウル=辻渕智之】韓国の原発六基に不良部品の制御ケーブルが納入された問題で、釜山地検は、性能を示す試験成績書の偽造を共謀した疑いで、原発運営公企業「韓国水力原子力」の部長と次長を逮捕した。不正関与は部品の製造業者から試験機関、納品承認機関、そして発注側に及び、業界ぐるみだった可能性が高まった
 
 韓国メディアによると、韓水原の部長らは納品承認機関の韓国電力技術(韓国電力公社の子会社)側から試験成績に問題があると報告を受けたのに「そのまま承認しろ」と指示した疑い。
 
 指示を受け、韓電技術と試験機関のセハンTEP(民間企業)、製造業者「JS電線」の七人以上が対策会議を開き、試験で不合格だった制御ケーブルに合格の成績書を偽造したとみられる成績書の提出から承認までには通常五十日間かかるが、わずか十四日間と短かった。韓水原の役員が納品を押し切らせたとの疑惑も報じられている。
 
 制御ケーブルは冷却材の投入バルブに開閉信号を送る装置。この問題で先週までに計八人が逮捕され、一部は承認に便宜を図った代価で巨額の金品を受け取った疑いもある。