毎日新聞 夕刊 2013年06月03日
原子力規制庁は3日、高速増殖原型炉もんじゅ(福井県)から、原子炉等の状態を監視するための緊急時対策支援システム(ERSS)へのデータ送信が、約4時間半にわたって止まったと発表した。もんじゅ側の伝送サーバーの電源が何らかの原因で切れ、格納容器の温度や圧力など運転データが送れなくなった。
ERSSは、事故時に全国の原発から伝送されたデータを基に、炉心が溶融する時間など事故の進展を予測するシステム。
規制庁などによると、3日午前0時5分ごろ、もんじゅで警報が鳴り、外部にデータが送れない状態になった。もんじゅ側のデータを送信するサーバーの電源が止まっていた。再起動したところデータ送信が再開、約4時間半後に完全復旧した。電源が落ちた原因を調べている。
もんじゅは、約1万個の機器の点検漏れ問題で、運営元の日本原子力研究開発機構が、原子力規制委員会から運転再開準備の禁止命令を5月30日に受けたばかり。今回のシステムは点検漏れ機器には入っていない。
ERSSを巡っては、今年2月にも全国の原発のデータが表示されなくなるトラブルが起きた。【鳥井真平】