転載記事
毎日新聞 2013年04月20日
 
中国・四川地震:死亡157人、負傷者5800人以上に
 
 【蘆山(中国四川省)隅俊之、北京・石原聖】中国四川省雅安(があん)市蘆山(ろざん)県で20日午前8時2分(日本時間同9時2分)、マグニチュード(M)7.0の地震が起き、中国メディアによると、157人が死亡、5800人以上が負傷した。多数の家屋が倒壊、一部道路が遮断され、複数のダムで亀裂が見つかった。M3.0以上の余震が断続的に発生しており、2次災害の危険性も出てきた。被害の全容は明らかになっておらず、死傷者がさらに増える可能性がある。震源の深さは13キロ。
 
 中国メディアによると、蘆山県では幼稚園などが倒壊。病院は負傷者であふれ、手当ても受けられない状態となっている。震源地近くの同県竜門郷では、ほぼすべての民家が倒壊した。周辺の県も含め広い範囲で電気や水道、通信が止まり、道路も山崩れなどで寸断されている。被災者は約152万人に上る。
 習近平(しゅうきんぺい)国家主席は被災者救援に全力を挙げるよう指示。軍と武装警察の計7000人以上が出動した。李克強(りこくきょう)首相も同日午後、航空機とヘリコプターを乗り継いで被災地入りした。
 
 蘆山県は四川省の中心都市・成都の南西約110キロに位置し、人口約12万人。雅安市は人口約155万人で、パンダ保護研究センターがあり、東京・上野動物園のジャイアントパンダ2頭も同センターで飼育されていた。
 
 今回の震源は竜門山断層帯近くで、地震が多発する地域とされる。08年5月には、同じ断層帯の北側に位置する汶川(ぶんせん)県映秀を震源とするM8.0の大地震が発生し、死者・行方不明者が約8万7000人に上る甚大な被害が出た。
 
 新華社によると、今回の地震について、四川省地震局工程地震研究院の周栄軍院長が四川大地震の余震ではなく独立したものとの見解を示しているが、これを否定する見方もある。