お願い:
こどもたちのいのちと人権を守るために、
一刻も早く日本政府が、
こどもの権利条約個人通報制度の批准を閣議決定し、
文部科学省・教育委員会が
こどもの権利条約の活用に踏み出させるために、
みなさんの知恵と力を貸してください!
ひとりでも多くのこどもたちと保護者のみなさんの手に、
この情報を届けてください。
国連こどもの権利委員会は、2010年6月に日本政府に対して自殺、体罰、こどもの意見尊重などについて、厳しく具体的に勧告しています。(抜粋参照)
しかし、日本政府・外務省と文部科学省は、昨年2月に来日した”子どもに対する暴力に関する国連事務総長特別代表”のパイスさんの勧告をも無視し、東京都のみならず大阪でも、日の丸・君が代の教育現場での強制等によって精神的な拷問の強要が横行し、今なお、こどもの権利条約個人通報制度も批准せず、国連の人権尊重の流れに敵対しています。
緊急事態を含めて常に適用される国連・子どもの権利条約
・子どもの権利基盤アプローチは緊急事態においても適用可能であり、適用されるべきである
・子どもの権利基盤アプローチは、子どもたちの生活への長期的かつ測定可能な効果を確保することを目的とし、子どもの権利条約、とくにその4つの一般原則を出発点として用いている。
・ ニーズ基盤アプローチとは対照的に、子どもは慈善の客体ではなく、権利を享有・行使する資格がある存在としてとらえられる。
・子どもそのものの保護から子どもの権利の保護への転換。
・子どもの発達とは個人としての人間が受精から成人期へと発育・成熟していく過程のことであり、あらゆる分野の―身体的・認知的・情緒的・社会的・霊的――発達を指している。子どもたちは、待てない。
緊急事態におけるプログラム展開への権利基盤アプローチ:
子どもの権利とは、国連・子どもの権利条約に掲げられたことを通じて法的地位を与えられた、一連の普遍的権利および原則のことである。この間、子どもそのものの保護から子どもの権利の保護へとパラダイム転換が行なわれてきた。ニーズ基盤アプローチとは対照的に、権利基盤アプローチでは子どもは権利を享有・行使する資格がある存在としてとらえられ、慈善の客体とは見なされない。国連・子どもの権利条約は実のところ緊急事態も含めて常に適用されるのであり、人道機関は、あらゆる人道状況において子どもの保護に対する権利基盤アプローチを採用するよう求められる。条約の4つの基本原則――(i) 差別の禁止、(ii) 子どもの最善の利益、(iii) 生命・生存・発達への権利、(iv) 意見を聴かれる権利も、緊急事態下のプログラム展開にとって重要な原則である。
基本原則のひとつで示されているように、子どもの発達(個人としての人間が受精から成人期へと発育・成熟していく過程)は、緊急事態におけるプログラム展開で考慮すべきもうひとつの重要な要素である。子どもは緊急事態中も含めて常に発達し続けているのであり、いかなる人道対応においても、発達段階に応じて子どもたちが有するさまざまな、そしてその子ども特有のニーズが考慮されなければならない。
子どもの権利員会:総括所見:第3回日本政府報告書審査
生命、生存および発達に対する権利
委員会は、子どもおよび思春期の青少年が自殺していること、および、自殺および自殺未遂に関連したリスク要因に関する調査研究が行なわれていないことを依然として懸念する。
委員会はまた、子どもの施設で起きている事故が、そのような施設で安全に関する最低基準が遵守されていないことと関連している可能性があるという情報にも懸念する。
42.委員会は、締約国が、子どもの自殺リスク要因について調査研究を行ない、防止措置を実施し、学校にソーシャルワーカーおよび心理相談サービスを配置し、かつ、困難な状況にある子どもに児童相談所システムがさらなるストレスを課さないことを確保するよう勧告する。
委員会はまた、締約国が、官民問わず、子どものための施設を備えた機関が適切な最低安全基準を遵守することを確保するようにも勧告する。
子どもの意見の尊重
43.司法上および行政上の手続、学校、子ども施設ならびに家庭において子どもの意見は考慮されているという締約国の情報には留意しながらも、
委員会は、正式な規則では年齢制限が高く定められていること、
児童相談所を含む児童福祉サービスが子どもの意見をほとんど重視していないこと、学校において子どもの意見が重視される分野が限定されていること、
および、政策策定プロセスにおいて子どもおよびその意見に言及されることがめったにないことを依然として懸念する。
委員会は、権利を有する人間として子どもを尊重しない伝統的見解のために子どもの意見の重みが深刻に制限されていることを依然として懸念する。
委員会は、締約国が、あらゆる場面(学校その他の子ども施設、家庭、地域コミュニティ、裁判所および行政機関ならびに政策策定プロセスを含む)において、自己に影響を及ぼすあらゆる事柄に関して全面的に意見を表明する子どもの権利を促進するための措置を強化するよう勧告する。
【市民的権利および自由(条約第7条、第8条、第13~17条、第19条および第37条(a))】
体罰
47.学校における体罰が明示的に禁じられていることには留意しつつ、委員会は、その禁止規定が効果的に実施されていないという報告があることに懸念を表明する。
47.学校における体罰が明示的に禁じられていることには留意しつつ、委員会は、その禁止規定が効果的に実施されていないという報告があることに懸念を表明する。
委員会は、すべての体罰を禁ずることを差し控えた1981年の東京高等裁判所判決に、懸念とともに留意する。
委員会はさらに、家庭および代替的養護現場における体罰が法律で明示的に禁じられていないこと、および、とくに民法および児童虐待防止法が適切なしつけの行使を認めており、体罰の許容可能性について不明確であることを懸念する。
(a)家庭および代替的養護現場を含むあらゆる場面で、子どもを対象とした体罰およびあらゆる形態の品位を傷つける取り扱いを法律により明示的に禁止すること。
(b)あらゆる場面における体罰の禁止を効果的に実施すること。
(c)体罰等に代わる非暴力的な形態のしつけおよび規律について、家族、教職員ならびに子どもとともにおよび子どものために活動しているその他の専門家を教育するため、キャンペーンを含む伝達プログラムを実施すること。
子どもに対する暴力に関する国連研究のフォローアップ
49.
子どもに対する暴力に関する国連事務総長研究(A/61/299)について、委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。(a)東アジア・太平洋地域協議(2005年6月14~16日、バンコク)の成果および勧告を考慮しながら、子どもに対する暴力に関する国連研究の勧告を実施するためにあらゆる必要な措置をとること。
(b)以下の勧告に特段の注意を払いながら、子どもに対するあらゆる形態の暴力の撤廃に関わる同研究の勧告の実施を優先させること。
- (i)子どもに対するあらゆる形態の暴力を禁止すること。
- (ii)子どもとともにおよび子どものために活動しているすべての者の能力を増進させること。
- (iii)回復および社会的再統合のためのサービスを提供すること。
- (iv)アクセスしやすく、子どもにやさしい通報制度およびサービスを創設すること。
- (v)説明責任を確保し、かつ責任が問われない状態に終止符を打つこと。
- (vi)国レベルの体系的なデータ収集および調査研究を発展させ、かつ実施すること。
(c)すべての子どもがあらゆる形態の身体的、性的および心理的暴力から保護されることを確保し、かつ、このような暴力および虐待を防止しかつこれに対応するための具体的な(かつ適切な場合には期限を定めた)行動に弾みをつける目的で、市民社会と連携しながら、かつとくに子どもの参加を得ながら、これらの勧告を行動のためのツールとして活用すること。
(d)次回の報告書において、締約国による同研究の勧告の実施に関わる情報を提供すること。
(e)子どもに対する暴力に関する国連事務総長特別代表と協力し、かつ同代表を支援すること。