電 未公表データをHPで公表
去年3月の原発事故のあと福島第二原子力発電所で計測された放射線量について、東京電力が公表していないデータがあることが明らかになった問題で、東京電力は「当時、事故対応の混乱などで3時間おきにしか出していなかった。国には報告し発表されていたが対応は十分でなかった」としたうえで、このデータについては19日ホームページで公表しました。
 
この問題は、福島第一原発から南に12キロにある第二原発の敷地境界で計測された放射線量のうち、去年3月15日午前から4月3日にかけて、東京電力が公表していないデータがあることが明らかになったもので、東京電力がNHKからの指摘を受けて調べた結果、データの存在が確認されました。

これについて東京電力は会見で、「当時、事故対応の混乱などでデータを手で入力していて、3時間おきに直近の1時間分しか出していなかった。改めて調べたところ、データは国に報告され、発表されていたが、東京電力としての対応は十分でなかった」として、このデータについては、19日、ホームページで公表したことを明らかにしました。

これらのデータの中には事故から5日後に、それまで1時間あたり20マイクロシーベルト前後で推移していた放射線量が、突然、80マイクロシーベルトに急上昇するデータも含まれ、専門家は、「事故を検証するうえで重要なデータであり、未公表のデータが存在するのは問題だ」と指摘していました。
 
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 第一原発から南に12キロにある第二原発
 
 3月16日のデータを見ると、午前9時40分ごろ、それまで1時間当たり20マイクロシーベルト前後で推移していた放射線量が突然80マイクロシーベルトに跳ね上がり、10分後には87.7マイクロシーベルトまで上昇していました。
線量が上昇する1時間余り前の午前8時半ごろに、3号機の建屋から白煙が大量に噴き出ているのが確認されていて、放射性物質の放出との関連が疑われていますが、何が起きたのか詳しいことは分かっていません。