毎日暑い日が続いていますね。残暑お見舞い申し上げます。
Modern Times (Tempi moderni Eating Machine )
公開:
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1936年
| http://www.geocities.jp/h2o_classic/modern-times.jpg |
製作:
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監督:
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脚本:
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撮影:
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ロリー・トザロー
アイラ・モーガン | |
音楽:
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出演:
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工場の作業員チャーリーは、ベルトコンベアーで運ばれるネジを締める単純作業を続けるうちに、手を休めることが出来なくなり、狂人だと思われて病院に入院させられる。退院後、仕事を失いあてもなく街をさまよっていると、デモ隊のリーダーと間違えられて刑務所に入れられる。釈放後、造船所で仕事を見つけるが、未完成の船を沈めてしまい、浮浪者の娘と一緒に逃亡する。チャーリーと娘は川岸に空き家を見つけて、一緒に住みながら新たな職探しに出かける。不況の時代を生き抜く人々の姿を面白おかしく描きながら、機械化時代への警告と風刺を込めて製作したチャールズ・チャップリン最後のサイレント作品。
チャップリンは『街の灯』(31)を手掛けた後、新たなサイレント映画の製作を試みるが、ハリウッドは既にサイレントを捨ててトーキーの時代に入っていた。あくまでもサイレントにこだわるチャップリンは、トーキーの時代にも通用する新しいサイレント映画のアイディアを見つけることが出来ずにいたが、休暇中にポーレット・ゴダードと出会い、彼女の芸域の広さに感心したチャップリンは、ゴダードを相手に迎えた映画の製作を思い立つ。工場に出稼ぎに来た農民たちがベルトコンベア・システムで4、5年働くと神経が衰弱してゆくという恐ろしい話を若い記者から聞いたチャップリンは、この話から映画のヒントを得て、『Commonwealth(国家)』という題名の脚本を執筆、労働者達の食事を取る時間を節約する自動給食マシーンなどのアイディアを映画に取り入れて、チャップッリンならではのスラップスティックな面白さを追求する。チャップリンはこの映画をトーキーで撮影しようと思い立ち、会話の台本を用意して、ゴダードのサウンド・テストを行い、刑務所のシーンを撮影してみるが、チャップリンはその出来栄えにひどく落胆して、カフェのシーン以外は全て会話なしで撮影される。チャップリンが独特の言語で「ティティナ」を唄ってはじめて観客に声を聞かせたカフェのシーンは最後に撮影されるが、撮影には12日かかり、ローストダックを運ぶ場面では250人が動員された。ゴダードをスターダムへと押し上げるが、現在の高い評価とは裏腹に公開当時の評価は最悪で、「新みのないサイレント映画」と評されアメリカで下降していたチャップリンの人気に拍車をかける結果となった上に、批評家の中には共産主義的な作品と評するものもいた。また、ドイツやイタリアといったファシスト政権下の国々では、この作品の内容が共産主義寄りとみなされて上映が禁止される。また、この映画の内容が、フランスのルネ・クレール監督が32年に製作した『自由を我らに』に酷似していたことから、チャップリンは『自由~』の製作会社トービル社から盗作の告訴をされそうになった。チャップリンが巨大な歯車に飲み込まれてゆくシーンと共に有名な、チャップリンがゴダードと一緒に歩き去るラスト・シーンは、後にフランスの映画監督ジャン・ルノワールが『どん底』(36)で流用する。 |