シリアのヒジャブ首相がアサド政権から離反し、反政府勢力に参加へ
 
 シリア:首相が政権離反し亡命
 毎日新聞 朝刊 2012年8月7日 
 
 【カイロ前田英司】内戦状態が深刻化するシリアのヒジャブ首相が6日、アサド政権を離反して出国した。反体制派の離反兵士団体「自由シリア軍」のクルディ副司令官は毎日新聞の電話取材に「首相の離反を手助けした」と証言、ロイター通信は当局者の話として、首相が家族と共に隣国ヨルダンにいると伝えた。これまでの離反者で最高位の一人であり、閣内からの「寝返り」を封じられなかったことは、アサド政権のほころびを改めて浮き彫りにした。
 これに対し、シリア国営テレビはヒジャブ首相が解任され、ガラワンジ地方自治相が暫定首相に就いたと伝えた。解任の理由など詳細は報じていない。
 
 
 
毎日新聞 2012年08月04日 10時10分(最終更新 08月04日 10時50分)

国連総会:安保理非難 対シリア攻撃即時停止を決議

http://img.mainichi.jp/mainichi.jp/select/images/20120804k0000e030228000p_size5.jpg
シリア攻撃即時停止決議案を採択した国連総会の様子=2012年8月3日、AP
 
 【ニューヨーク草野和彦】国連総会は3日、内戦状態にあるシリアのアサド政権に無差別攻撃の即時停止を求める一方、有効な措置を打てない安全保障理事会を非難する内容の決議案を賛成133、反対12、棄権31の賛成多数で採択した。
 決議案の作成は、武器提供などで反体制派を後押ししているサウジアラビアが主導した。同国のムアリミ国連大使は採択後、「安保理は、痛々しい(シリアの)現実から目をそらしているとの印象を与えている」と述べる一方、「シリア国民の苦しみを無視することはできないという合意があった」と総会決議の意義を強調した。
 安保理決議案にはこれまで3度、ロシアと中国が拒否権を発動。アサド政権非難の総会決議は今年2月に続くもので、両国は前回同様、今回も反対した。チュルキン露大使は決議は「武装化した反体制派を支持」するもので、「シリア国民全体の利益である問題の平和的解決にはつながらない」と批判した。
 シリアのジャファリ大使は、決議がサウジアラビアの「偽善」を示すものだとして受け入れを拒否した。
 
 決議は反体制派を含むすべての当事者に暴力停止を求める一方、最初に攻撃を停止するのは政府軍側であるとした。また、アサド政権が国際法を順守し、生物・化学兵器を使用しないよう要求した。