LIBOR不正操作問題、米欧当局が銀行のトレーダーを刑事訴追へ

http://s1.reutersmedia.net/resources/r/?m=02&d=20120723&t=2&i=633209272&w=&fh=&fw=&ll=192&pl=155&r=CTYE86M032J00
[22日 ロイター] ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)不正操作問題で、米欧当局が銀行のトレーダーを刑事訴追する方向であることが、関係筋の話で明らかになった。
2人の関係筋によると、米連邦検察は最近、LIBOR操作に関わった疑いのある人々の一部の担当弁護士に、近く逮捕・刑事訴追する可能性があることを伝えた。2人の関係筋は、調査が続行中であることを理由に匿名を条件に明らかにした。
この担当弁護士らは、検察が今後数週間以内に逮捕、刑事訴追に踏み切る計画であることを示唆したとしている。金融関連事件では、検察が刑事訴追する前に担当弁護士にその旨を伝え、当局の捜査に協力するなどの機会を与えることが珍しくないという。
 
欧州の関係筋によると、欧州金融規制当局は、LIBOR不正操作で結託した疑いがある複数の銀行のトレーダーに焦点を絞り、トレーダーらがやりとした電子メールを調査。不正操作の実態を把握しつつあるという。
この関係筋は、調査が続行中であるとして匿名を条件に、さまざまな銀行の相当数のトレーダーが対象と指摘した。
 
米連邦当局が最も注目している人物や銀行は不明。米司法省の調査責任者は、ロイターの取材に応じなかった。
 
個人を訴追する動きは、不正操作が組織ぐるみでないと当局がみている可能性を示唆する。
欧州の関係筋は「個人の訴追が、当局の銀行への調査に影響を与えることはない」とする一方で、「銀行側は、当局が少なくともこの問題を一部のトレーダーによる不適切な行動が主因と判定することを期待している」と指摘した。
 
LIBOR不正操作問題について、ロイターは、バークレイズ(BARC.L: )、UBS(UBSN.VX: )、シティグループ(C.N: )などの大手銀行の社員および元社員12人以上が調査対象になっていると伝えている。
HSBCホールディングス(HSBA.L: )やドイツ銀行(DBKGn.DE: )の社員も調査対象とされている。HSBCはコメントを差し控えた。シティグループとUBSのコメントは得られていない。
 
今回の問題で、銀行は地方自治体や企業などから相次ぎ訴訟を起こされている。モルガン・スタンレーは最近、2014年末までに発生する当局および裁判の和解費用が140億ドルとの試算を示した。
 
REUTERS ロイター 2012年 07月 23日 10:06 JST