《包囲ネット2・5総決起集会資料から》
 ◆ 不起立宣言
豊中教組 SK

 私は豊中市内の小学校で働く教育労働者です。橋下・維新の会による教育基本条例案=君が代解雇条例案に反対して学校現場で不起立で闘うことを決意しています。
 私が所属する豊中教組(日教組)執行部は「国旗国歌法」の成立とともに、卒・入学式での「君が代斉唱」に「立っこともやむなし」との方針を言い始めました。
 それまでは「日の丸・君が代」反対の組合方針のもと、各分会では連日職員会議、校長交渉にとりくみ、分会会議では不起立を確認してきました。しかし執行部の方針が変わったことで、処分を受けても組合に頼れないことが明らかになるなど、不起立者は減っていきました。数年前からついに職場では一人になってしまいました。
 けれども私は豊中教組の変質に納得できず、不起立を続けてきました。個人ビラを配って職場の労働者に不起立を呼びかけてきました。
 それは、解放教育にとりくむなかで、「身分差別の元凶は天皇制にある」「かつての天皇制による侵略戦争は最大の人権侵害」であることを強く意識したからです。「天皇のため、お国のために生命をささげよ」と教育した教員の責任は重大だと感じたからです。


 また、「障害児教育」にとりくむなかで、すべてのこどもの人権や労働者の権利の大切さを意識してきました。人間としての、労働者としての誇りを大切にしたいと思っています。

 1月30日の府市統合本部会議は、2月府議会に提出する府教育基本条例案=君が代解雇条例案の内容を橋下・松井・維新の会が押切り、決定しました
 その内容は、
 ①教育目標の設定について教委と対立した場合、知事は委員意見をつけて議会に提出する、
 ②教育委員の罷免権について、知事が罷免にあたるかを判断する、
 ③府立高の学区撤廃を2014年度に実施する、
 ④3年連続定員割れした府立高を統廃合の対象とする、
 ⑤定年退職で空いた校長ポストは学校内外から公募する、

 というものです。
 橋下・維新の会による教育への介入であり、府立高の学区撤廃や統廃合は、こどもたちの間により一層の格差を持ち込むものとして認めることはできません。

 1月16日の東京「日の丸・君が代」処分取り消し訴訟での最高裁判決を受け、橋下・維新の会は「処分を単に回数で区切る点は見直さなければならない」(松井知事)などと修正方針を示しましたが、橋下市長は「指導研修の中身が重要になる。指導研修してそれでもなお(起立が)嫌というなら、辞めてもらったらいい」と公言しているように、解雇の恫喝をゆるめてはいません
 また、1月17日大阪府教委は府立学校全教職員に対し、卒・入学式での「君が代起立斉唱」の職務命令を出し、校長に指示しました。府教委は橋下・維新の会に屈服し、一体となって「日の丸・君が代」に反対する教育労働者をひとり残らず学校現場から排除する攻撃に乗り出しています。
 私は、橋下・維新の会の独裁支配に屈従することはできせん。国家権力や天皇の奴隷になることを拒否します。

 橋下は市長就任の記者会見で、維新の会に反対する労働者を念頭において、「面従腹背でも大歓迎だ」と述べました。
 これは奴隷精神を強要するものであり、本心と建前の使い分け、つまりウソ偽りをこどもたちに奨励するものであり、教育労働者として絶対に認めることはできません。
 橋下・維新の会のファッショ的独裁を許すことは民族差別・排外主義と新たな侵略戦争を許すことになると考えています。
 君が代解雇条例を阻止するために、今こそ学校現場での不起立の闘いが重要です。
 全国で不起立を闘う教育労働者ともに不起立で闘うことを呼びかけます。

2012年2月2日