たんぽぽ舎です。【TMM:No1272】
◆ 地震と原発事故情報 その257 ◆
5つの情報をお知らせします(12月4日)
★1.騙されるな、高速増殖炉は増殖できない 増殖が始まるのに16年かかる
まったく無意味な高速増殖炉 もんじゅ開発の真の理由は核武装準備
以下は12月3日に「2011もんじゅを廃炉へ!全国集会」でたんぽぽ舎が集会参加者に配布したビラです。 ☆申し入れ書☆ 騙されるな、高速増殖炉は増殖できない 2011年12月3日 核開発に反対する会 槌田 敦
【増殖が始まるのに16年かかる】
高速増殖炉は、使った燃料より作り出す燃料の方が多いと、これまで宣伝してきた。多くの人々はこれを信じて、高速増殖炉研究の意義を認めた。しかし、まったくのウソだった。
国際核燃料サイクル評価(INFCE)は、1980年、高速増殖炉(100万kw、70%稼働)のプルト(Pu)収支を報告していた。(この文ではプルトニウムのことをプルトという。ウラニウムをウランというのと同じである)このINFCE報告によれば、表1が得られる。ここで、分裂性プルトとは、質量数が奇数のもので、核分裂するPu239と241のことである。
表1 分裂性プルト(kg)の収支
初期投入 年間投入 年間回収 年間利得
3230 1292 1501 209
この表1によれば、年間209キロ増えるから増殖することになるという。しかし、運転開始の時に投入したプルトが忘れられている。その量は3230だから、これを年間の増える量209で割ると、15.4年かかる。つまり、増殖になるのは、16年目からである。
【まったく無意味な高速増殖炉】 そして、これを続けても2倍に増殖することはできない。得られる量は、投入した量のせいぜい1.16倍にしかならず、その作業年数は無限年必要とする。高速増殖炉計画はまったく無意味なのである。これは数学の間題として面白いから、計算を試みていただきたい。さらに、この増殖は再処理工程で、プルトの損失がないことを前提にしている。仮に、プルトの再処理回収効率が90%とすると、年間回収量は1351となるから増殖になるのに55年かかる。これは、高速増殖炉の寿命を超えている。そのうえ、現在の技術では、炉心の再処理はできない。その理由は、高速増殖炉でほ、使用済み燃料の中にある白金族の元素が妨害して使用済み燃料を硝酸で溶かすことができないからである。得られるものはブランケットのプルトだけで、その量は、年間238キロでしかない。年間投入量が1292キロだから、まったくの赤字である。
【もんじゅ開発の真の理由は核武装準備】
それにもかかわらず、増殖というウソを掲げて、文殊菩薩を騙る二セもんじゅを運転し、その使用済みブランケットを再処理しようとしている。その目的は、ブランケットから得られる純度98%の超兵器級プルトである。それ以外に説明のしようがない。(238/243=0.98)昨年12月、文科省に対して、参議院福島みずほ議員より、ニセもんじゅのプルト収支のデータを請求したところ、拒否の回答があった。増殖しないことがばれるのを恐れてのことである。「増殖信仰」を吹き飛ばすことこそ、今問われている。反対運動の中心に据えていただきたい。
(略)
★2.もんじゅ「廃炉しかない」 敦賀で反対派全国集会に1300名が参加
○福島第一原発事故を受け、細野豪志原発事故担当相が、核燃料サイクルの核を成す高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の廃炉を検討する考えを明言する中、廃炉を求める全国集会が三日、地元で行われた。もんじゅに近い敦賀半島の白木海岸。全国から集まった千三百人が「もんじゅ運転再開はんたーい」と声を張り上げた。原水爆禁止日本国民会議(原水禁)や原子力資料情報室などが主催する集会は、ナトリウム漏れ事故が起きた十六年前の十二月八日に合わせ、毎年開かれている。
○今年の参加者は例年の五割増し。関係者は「個人参加が目立つ」と話す。
愛知県扶桑町から参加した女性(36)は「福島の事故まで、原発のことは全然知らなかった。知れば知るほど怖くなり、止めなきゃと思った」と話す。
もんじゅは核分裂でプルトニウムを増殖させやすくするため、冷却材に水の代わりに液体ナトリウムを使う。空気や水に触れると激しい発火や爆発を起こす恐れがあり、地震に弱いとされる。 集会で講演した小林圭二・元京都大原子炉実験所講師は「原発よりはるかに危険で経済的にも成立しない。実用化のめども立たない」と語った。高速増殖炉計画は構想から既に半世紀余。もんじゅには一兆円を投じた上、トラブル続出でほとんど動かなくても年間二百億円以上の維持費がかかる。批判も受け、細野担当相は来夏をめどに、存廃を決断する考えだ。○集会に先立ち、主催者らは、再稼働を認めないよう、もんじゅ周辺の自治体を回った。だが、敦賀市の河瀬一治市長は「運転再開を目指し、しっかりと研究成果を出す選択肢しか私は持っていない」と断言。財政面でも雇用面でも、原発に依存し、共存している。半径二十キロ圏にほぼ全域がおさまる南越前町の川野順万町長は「みな不安。でも私が賛成か反対を表明すると、利害関係がありすぎて地元はおかしくなる」と話す。原水禁の藤本泰成事務局長(56)は「地元が危機感を持っているのは確か。言いにくい気持ちは理解するが、廃炉に向けて、地元から声を上げてほしい」と期待した。
(東京新聞インターネット版より抜粋)
★3.<テント日誌 12/3(土)> 放射能から子どもたちを守りたいという母親たちの願い ―― 経産省前テントひろば 84日目 ――
○午前中は昨日からの雨が続いていた。今日は午後から明大土曜会主催の落語会があるので気になっていたが午後からは晴れてきた。最近は天気予報もあたるね、テントに来た人と話した。 落語はテントの中で行われた。明大出身の柳家三壽さん。師匠は宮城県気仙沼市の出で今回の大震災には心痛めているとのことであった。噺は縁結びの一席だが、巧みな語り口に一同は笑いも挟んでの楽しいひと時だった。第二回目を来年の二月に開催するとのことだ。先のことになるが楽しみが増えた。
○週末にはテントの周辺でもいろいろの催しがあるが、また、各地での集会などがあってテントから出掛ける人も多い。だから、落語会の終わった後の午後は比較的閑散としていたが夕方からは人も集まった。テントの中でも、外でも話が盛り上がっていた。誰からともなくはじまる話しはあちらこちらに飛びながら自然に現在という時代の話になって行く。話の渦と流れはなかなか止まらないが、時間はあっという間に過ぎて、今日もテントの一日は終わる。
○来週の土曜日と日曜日には大きな集会と行動がある。12月10日には「1000万人暑名」を展開しているグループ主催の集会が日比谷野音で開かれる。12月11日には経産省包囲行動が予定されている。 ( 文責 M・O )
★4.11月15日「ノーモア・ヒバクシャ・ノーモア・原発」記者会見から(略)
★5.全国から電力会社・経産省を包囲しよう!再稼働反対 12・11デモ
<東電福島原発震災の発生から9ヶ月> http://nonukes.jp/
★12月11日(日)
◇午後1時:日比谷公園中幸門(日比谷図書館裏)に集合、集会開始
※千代田線・日比谷線「霞ヶ関駅」C1出口より200m
丸の内線「霞ヶ関駅」B2出口より300m
都営三田線「内幸町駅」A7出口より150m
<集会内容> ・原発現地から ・脱原発運動の現場から(原発輸出反対、避難の権利、被曝労働問題など) ・寸劇(東電前アクション) など
◇午後2時:デモ出発 ※プラカード、鳴り物などの持ち寄り歓迎
[デモコース]
東電→九州電→四国電→北海道電→中国電→東北電→東電→中部電→関西電→経産省をぐるっと一周してゴール!・8つの電力会社と経産省に再稼働反対をアピールし、申し入れ文を出します。・各地域(出身)のみなさまへ、地元の原発に反対する申し入れ文を持参ください!※全長7.5キロのロングコースデモです。JR有楽町駅、東京駅、地下鉄大手町駅などから途中合流や離脱もできますので、自由にご判断下さい。
★翌日12日(月)
・午前9時~11時:全国交流会(再稼働阻止へ何ができるか)
弁護士会館5階508号(霞ヶ関駅B1b、B1a出口)
・午後1時30分~3時:経産省保安院との交渉&要請・院内集会
衆議院第2議員会館 第2会議室(国会議事堂前、永田町駅)
11月11日、冷たい雨がそぼ降る中、経産省・保安院は「9・11」に続いて「再稼働反対」を掲げる「人間の鎖」によって完全に包囲されました。
玄海原発4号機の強引な再稼働、ベトナムなどへの原発輸出の加速、「避難させずに除染」キャンペーンなど、「原子力ムラ」による逆襲が続いています。また、大飯3号、伊方3号、大飯4号とストレステスト結果の報告も相次ぎ、保安院による「審査」も始まっています。しかし、福島第一原発事故の実態を反映しないアリバイテストは茶番に過ぎません。
来春の原発ゼロ稼働へのカウントダウンが始まっています。「人間の鎖」の成功をはずみに、経産省・電力会社に、再稼働の断念と全原発停止、原発輸出の中止と「自主」避難者への賠償など「避難の権利」の確立を強く迫りましょう!
今度は、全国から電力会社と経産省を包囲する大きなデモを実現したいと思います。ぜひご参加ください。
【呼びかけ】 11・11-12・11再稼働反対!全国アクション実行委員会
[連絡先]ピープルズ・プラン研究所
(TEL) 03-6424-5748 (FAX) 03-6424-5749
【ウェブサイト】 http://nonukes.jp/
【ツイッター】 @1111nonukes ◆11・11~12・11は「再稼働反対アクション月間@経産省前テント」http://2011shinsai.info/node/1088 様々な企画が実行中!→ http://tentohiroba.tumblr.com/ (予定表あり)皆さんのアクション企画(座り込み、抗議アピール、デモ、ライブ、上映会、学習会、青空講座、展示、交流会、カフェ、経産省への大声大会など)を募集中です。 ※連絡先:070-6473-1947 tentohiroba@gmail.com ◆ぜひ各地でも、再稼働反対の「11・11-12・11」アクションを!【アクション登録はこちら】→ http://nonukes.jp/admin/regist_action_form.html