戦後三大公安事件の一つとされる三鷹事件で死刑が確定し、その後、獄中で死亡した元死刑囚の長男が10日、東京高裁に44年ぶりとなる再審を申し立てました。

 竹内景助元死刑囚は、1949年、国鉄三鷹駅構内で無人電車が暴走して通行人ら6人が死亡した三鷹事件で死刑が確定し、無実を訴えて再審を申し立てていました。しかし、1967年に獄中で死亡したため、再審の手続きが打ち切られていました。竹内元死刑囚の長男は「死刑囚の子どもということで、さまざまな困難を経験し、とても再審を申し立てることができなかったが、弁護団の力添えでようやく申し立てることになった」として、44年ぶりに東京高裁に再審を申し立てました。弁護団は、犯行時間に竹内元死刑囚が共同浴場に入っていたとアリバイを証明する同僚2人の供述など、28の新証拠を提出しました。竹内元死刑囚の長男は、今回の申し立てについて「父親の冤罪(えんざい)を晴らすため、最後まで頑張ります」とコメントしています。
 
ANNニュース 2011年11月10日