10月3日19:30NHKクローズアップ現代 「自治体の放射能検査 見えてきた課題」

哀しい茶葉の検査拒否 科学者の日記110520
今日は哀しいニュースが目につきました。
「厚生労働省が、生茶葉を乾燥させた「荒茶」の放射能検査を東日本の14都県に求めた問題で、神奈川、埼玉、栃木の3県は19日までに、検査をしない方針を決めた。
静岡県の川勝平太知事も18日、検査要請に応じないと表明しており、産地自治体の反発が広がっている。」
・・・
お茶の葉っぱに放射性セシウムが付着していた問題は、大きな波紋を投げかけています。
お茶を生産している側の論理は、
「消費者が最終的に飲む時に安全ならばいいのであり、途中の段階で検査するのは嫌だ」
ということであります。
つまり、現在の東日本の放射線の汚染状況から言えば、かなり広い範囲でお茶の葉っぱにセシウムが検出される可能性があります。
従って、一度、セシウムが検出されると、「汚染されているというレッテル」が貼られるので検査をしないというのが生産者側の言い分のようです。
・・・・・・・・・
今回の福島原発の件では、この例でも判るように、現在の日本社会の大人の論理?というのがいろいろな面で出てきたと思います。
類似の話では、事故直後に茨城県の野菜が放射性物質で汚れたので、それに対して茨城県知事が農林水産省に出かけていって「野菜の規制値を緩めろ」という要求をしたことです。
わたくしはこれにはびっくりしました。
茨城県には野菜の生産者だけがいて、それを食べる子供たちはいないのかと思いました。
野菜をなぜ作るかというと、野菜を食べる人がいるからです。従って生産者は、できるだけ安全な野菜を子供たち(もちろん大人も)に提供するというのが役割のはずです。
ところが、福島原発が爆発して、その責任は東京電力にあるのに、知事はそちらに行かないで、多くの放射性物質を含んだものを東京電力の代わりに子供たちに食べさせようというのですから。論理のすりかえという点ではかなり激しいものです。
・・・・・・
次に広がったのが、汚染された野菜を「地産地消」という名目のもとで、これもやはり関東や福島の子供たちに食べさせようとしたことです。
特に、汚染された野菜を給食に使ったり、スーパーが地産地消の野菜しか仕入れないというようなことも行われました。
これも東電の責任を「被爆という形で何も責任がない人たちに押しつける」という生産者の非常に自分勝手な判断のように思いました。
大人は野菜を選べますが、子供達は強制的です。なんと可哀想なことをするのでしょうか?
・・・・・・
わたくしは今まで農業の人たちは、「素朴なところはあるけれども、日本人としての誇りや、日本を大切にする心を持っておられる」と信じていました。
農業は、たとえそれが自分の所有する土地であっても、日本の大地をお借りしているのですから、日本に対する愛着が他の職業よりも強いと思っていたのです。
でも、今回のこの一連のことでわたくしはその考えを修正せざるを得ません.
お茶の生産者の考え方がわからないではありませんが、お茶を安心して飲みたいという多くの人たちの願いや、安全なお茶を子供に飲ませたいというお母さんの思いは全く考慮に入っていないからです。
お茶が売れなくなったら困る、放射性物質が検出されたらお茶が売れなくなるというような考えだけで、お茶を生産されたらわたくしはそんな食材は買いません。
その放射性物質の量がどのくらいということには関係ありません。
人間は「信頼性、誠実さ」です。だから、飲む人の心が判らないで生産する人の食材は口に入れたくないのです.
むしろ、お茶の業界は1度でもセシウムが検出されたならば、より積極的に「自主的にセシウムを検査する」という動きにでて、お茶の愛好者に安心して飲んでもらうのが筋です.
このような動きが続いたら多くの人は完全に日本のお茶から離れてしまうでしょう。お茶は美味しいものですが、私はそれより魂を大切にして、水を飲みます.
それはお茶の生産者にとっても長い間大きな打撃になります。
・・・・・・
食品は最も人間にとって重要なもので、福島原発のような事件が起こった時に、食料を生産する人それを流通する人が極めて強い信念を持って日本人を放射線の被曝から守って欲しいものです。
わたくしたちは、今度のことでお茶の葉を買うこともできなくなりましたし、また、お茶のペットボトルもできるだけやめて外国産の紅茶等を買わざるを得ません.
農業の生産者は、こんな信念しか無かったのですか?
(平成23年5月21日 午前11時 執筆)
武田邦彦
『武田邦彦 ■■■■ 特設の2』
http://takedanet.com/2011/05/110520_e459.html
今日は哀しいニュースが目につきました。
「厚生労働省が、生茶葉を乾燥させた「荒茶」の放射能検査を東日本の14都県に求めた問題で、神奈川、埼玉、栃木の3県は19日までに、検査をしない方針を決めた。
静岡県の川勝平太知事も18日、検査要請に応じないと表明しており、産地自治体の反発が広がっている。」
・・・
お茶の葉っぱに放射性セシウムが付着していた問題は、大きな波紋を投げかけています。
お茶を生産している側の論理は、
「消費者が最終的に飲む時に安全ならばいいのであり、途中の段階で検査するのは嫌だ」
ということであります。
つまり、現在の東日本の放射線の汚染状況から言えば、かなり広い範囲でお茶の葉っぱにセシウムが検出される可能性があります。
従って、一度、セシウムが検出されると、「汚染されているというレッテル」が貼られるので検査をしないというのが生産者側の言い分のようです。
・・・・・・・・・
今回の福島原発の件では、この例でも判るように、現在の日本社会の大人の論理?というのがいろいろな面で出てきたと思います。
類似の話では、事故直後に茨城県の野菜が放射性物質で汚れたので、それに対して茨城県知事が農林水産省に出かけていって「野菜の規制値を緩めろ」という要求をしたことです。
わたくしはこれにはびっくりしました。
茨城県には野菜の生産者だけがいて、それを食べる子供たちはいないのかと思いました。
野菜をなぜ作るかというと、野菜を食べる人がいるからです。従って生産者は、できるだけ安全な野菜を子供たち(もちろん大人も)に提供するというのが役割のはずです。
ところが、福島原発が爆発して、その責任は東京電力にあるのに、知事はそちらに行かないで、多くの放射性物質を含んだものを東京電力の代わりに子供たちに食べさせようというのですから。論理のすりかえという点ではかなり激しいものです。
・・・・・・
次に広がったのが、汚染された野菜を「地産地消」という名目のもとで、これもやはり関東や福島の子供たちに食べさせようとしたことです。
特に、汚染された野菜を給食に使ったり、スーパーが地産地消の野菜しか仕入れないというようなことも行われました。
これも東電の責任を「被爆という形で何も責任がない人たちに押しつける」という生産者の非常に自分勝手な判断のように思いました。
大人は野菜を選べますが、子供達は強制的です。なんと可哀想なことをするのでしょうか?
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わたくしは今まで農業の人たちは、「素朴なところはあるけれども、日本人としての誇りや、日本を大切にする心を持っておられる」と信じていました。
農業は、たとえそれが自分の所有する土地であっても、日本の大地をお借りしているのですから、日本に対する愛着が他の職業よりも強いと思っていたのです。
でも、今回のこの一連のことでわたくしはその考えを修正せざるを得ません.
お茶の生産者の考え方がわからないではありませんが、お茶を安心して飲みたいという多くの人たちの願いや、安全なお茶を子供に飲ませたいというお母さんの思いは全く考慮に入っていないからです。
お茶が売れなくなったら困る、放射性物質が検出されたらお茶が売れなくなるというような考えだけで、お茶を生産されたらわたくしはそんな食材は買いません。
その放射性物質の量がどのくらいということには関係ありません。
人間は「信頼性、誠実さ」です。だから、飲む人の心が判らないで生産する人の食材は口に入れたくないのです.
むしろ、お茶の業界は1度でもセシウムが検出されたならば、より積極的に「自主的にセシウムを検査する」という動きにでて、お茶の愛好者に安心して飲んでもらうのが筋です.
このような動きが続いたら多くの人は完全に日本のお茶から離れてしまうでしょう。お茶は美味しいものですが、私はそれより魂を大切にして、水を飲みます.
それはお茶の生産者にとっても長い間大きな打撃になります。
・・・・・・
食品は最も人間にとって重要なもので、福島原発のような事件が起こった時に、食料を生産する人それを流通する人が極めて強い信念を持って日本人を放射線の被曝から守って欲しいものです。
わたくしたちは、今度のことでお茶の葉を買うこともできなくなりましたし、また、お茶のペットボトルもできるだけやめて外国産の紅茶等を買わざるを得ません.
農業の生産者は、こんな信念しか無かったのですか?
(平成23年5月21日 午前11時 執筆)
武田邦彦
『武田邦彦 ■■■■ 特設の2』
http://takedanet.com/2011/05/110520_e459.html
【放射能漏れ】
県「知っていたが検査しなかった」基準値超えは早摘み新芽の製茶
2011.9.6 23:12 (1/3ページ)
http://sankei.jp.msn.com/images/news/110906/stm11090623150007-n1.jpg
庁内には「狭山茶は安全です」とPRする貼り紙があったが、全てはがされていた=6日、県庁
厚生労働省の抜き打ち検査で埼玉県産の茶から暫定基準値を超える放射性物質が検出された問題で、県は6日、検出されたのは早摘みした新芽の製茶だったことを明らかにし、早摘み新芽製茶の販売自粛と回収を要請した。新芽に放射性物質が蓄積しやすいことは県も把握していたが、流通量が微量だったため検査対象としていなかったことも判明。上田清司知事は同日の定例記者会見で「県に高い知見がなかった。反省しないといけない」と釈明した。
■県は知っていた
問題の製茶は、いずれも5~7月に生産された新芽の早摘み茶。少量しか生産されず、愛好家に人気が高いとされている。
新芽に放射性物質が蓄積しやすいことは、他県産の茶葉から放射性物質が検出されたと初めて報道された5月ごろにはすでに指摘されており、県も6月中旬には把握していた。
にもかかわらず、県は新芽を検査対象から除外。その理由について担当者は「厚労省と調整した結果、検査は広く流通している製品で行った」と説明する。
■「知見なかった」
この点について、上田知事は会見で「放射能の分析について県は高いレベルの知見がなく厚労省に頼っていたが、そういう話はなかった」と釈明。「流通しているものを調べるので必死だった。愛好家のものまで調べるべきではなかったかと言われたら、批判は甘んじて受ける」と述べた。
さらに、県の責任について問われると、「(県の検査で基準値以下だったので)安心感が先行していた。もっと守備範囲を広げてやるべきだったと反省している」と認めた。
■対応が混乱
県産ブランド「狭山茶」を守るため、早いうちから検査で問題がないことを確認して“安全宣言”までしていた県。その根拠が根底から覆されただけに、県関係者の衝撃は大きく、対応も混乱していた。
県の検査で基準値を下回ったことから、県は6月20日ごろから県庁内の正面玄関など数カ所に「狭山茶は安全です」との張り紙を出していたが、厚労省の発表を受けて、急遽(きゅうきょ)撤去した。
上田知事も2日付のブログで「県内で生産された果物、野菜などは検査で一度も暫定規制値を上回っておりません」とアピールしていた。厚労省発表の前に書かれたものだが、6日夜も内容はそのままで、県産茶から放射性物質が検出されたことを告げる県ホームページの内容と整合が取れていない状態になっている。
◇
一方、この日、川越、入間両市の業者が販売した茶も放射性物質の基準値を超えていたことが新たに判明。厚労省の追加抜き打ち検査で、川越市内の業者が販売した製茶から1キログラム当たり800ベクレル(暫定基準値500ベクレル)の放射性セシウムが検出された。また、入間市内の業者が販売し、東京都小金井市民が同市役所に持ち込んだ製茶からは1240ベクレルが検出された。
産経ニュース