米原子力空母反対デモに参加して  
 
★3.米原子力空母反対デモに参加して  
     労働組合の方は素敵なプラカードを掲げてほしい!
     道行く人にアピールするために!        塚越 都
 
 ○9月25日(日)に行われた、米原子力空母(ジョージ・ワシントン)横須賀基地母港化3周年抗議、空母配備撤回を求める9.25神奈川集会に参加しました。
 私は横須賀へ行くのは初めてだったので、米兵やその家族を客層にしているだろう飲食店が立ち並ぶ、基地の町の雰囲気と艦船の浮かぶ横須賀港になんとも不思議な感覚を覚えました。集会は横須賀駅に隣接するヴェルニー公園で開かれ、様々な方々が原子力空母と米軍基地、そして脱原発を訴えました。特に印象に残っているのは、沖縄から参加された山城博浩さんの、長年の戦いから絞り出すような熱のこもった訴えと、社民党党首・福島みずほさんの再稼働を絶対にさせないという力強い訴えでした。
 
○ついにデモが始まりました。警察に誘導されて、歩道橋を渡り終わった所から出発です。デモの参加者は約1800人でしたが、ほとんどが労働組合を中心としたもので、幟(ノボリ)ばかりが目立っており街頭からは、何のデモなのか分からないといった表情がうかがえました。何人かにインタビューしたところ、回答を避ける人が多く、答えてくれた人は「怖い、うるさい、加わりたくない」と言った冷ややかな反応でした。驚きとともに基地の町でデモをすることの難しさを初めて感じました。しかし、中には理解のある方もいて、たんぽぽ舎の元気の良い一団を見て、純粋な市民の声には賛同できるし、原発も反対なので頑張ってほしいと応援してくれました。また、会津若松の商品を扱ったお店の方は、嬉しそうに手を振ってくれました。
 
○原子力空母と原発は同じ問題です。しかし、私も以前そのような認識がなかったように、脱原発と原子力空母が結びついていない人が多いと思いました。また「米軍がいなくなったら北朝鮮がすぐに侵略してくる」と真剣に話す若者や、「来年の電気が心配だからやはり原発は必要」と答える年配の女性もいました。脱原発や脱基地を唱える以前の、基本的な情報を共有出来ていない人はあまりにも多いのだと改めて気づき、デモをする際は、同時に情報も発信して、非参加者との溝を埋める努力が必要だと思いました。そのためには、労働組合の方々へは、先ず幟(のぼり)を下げてもらって、その代わりに訴えたい内容や情報発信のできるプラカードなどを掲げてもらいたいと思います。せっかく1800人も集まっているのに、町の人に不快感を与えるだけのデモになってしまったらもったいないと思うのです。
 
○その後、たんぽぽ舎から参加している皆さんと町の蕎麦屋さんでおいしいお蕎麦をいただいて、MOX燃料製造工場を門の外から見学しました。以前は見学ができたらしいのですが、事故後は見学をあおこなっていないそうです。
 原発問題を考えることは、他の基地問題や労働問題などの問題へつながっていきます。まずは、直ちに行わなければならないこと、子供たちの避難と事故処理。この問題に集中すべきです。と、同時に多くの問題を考えて解決のために前進しなければいけないなと思います。ただ、毎日出来ることは原発はいらないという意思を示して、原発の問題を周囲の人と共有することだと思います。 
  
★4.9.25 横須賀基地原子力空母Gワシントン撤去デモに参加して
     我家の上空は空母艦載機の騒音に悩まされています
 
             栗原 学(東電前アクション!) 
 
○9月25日、東電前アクション!は10人乗りワゴン車で、横須賀での原子力空母ジョージ・ワシントンの撤去を求めるデモに参加しました。10時半過ぎに会場のヴェルニー公園に到着すると、すでに多くの労組の旗と組合員たちで溢れていてオドロキ。
 
 その多くは前の週の19日の6万人集会に続いての連続行動だったようで、9.19に使われたであろうプラカードやバナー、うちわなどが多く見受けられ、「9.19」の熱気がそのまま横須賀に持ち込まれたかのような様相でした。
 
○私事ながら、3年前にGワシントンが入港して以降、横須賀と厚木の直線上ちょうど中間あたりとなる我が家上空は訓練などの日によって、早朝から日本政府との協定違反となるはずの夜中0時近くまで戦闘機や低空飛行のヘリの騒音に悩まされています。
 
 この騒音や戦闘機の墜落や核事故の被害を未然に「撤去」することは、原発を止めることにつながるし、つなげていかなくては…の思いでこの日横須賀のデモに参加しました。一方で、厚木基地の爆音問題に取り組んできた方から「福島事故を受けて『Gワシントンが来て、さらに騒音がひどくなる』というレベルの反対でいいのか、という思いに変わっている。すべての核をなくさなければならない、という決意だ」というアピールもあり、考えさせられました。
 
■デモの様子
 
○この日のデモは、1800人の参加。午後にもおなじ場所で同テーマのデモがあり、4500人が参加したとのコト。単純計算で6300人が、この日原子力空母撤去の声を横須賀であげたわけだ。9.19での約半世紀ぶりの「反核共闘」が地域にまで拡大すれば、さらに力になるのになぁ、、、と思った次第。そうすれば、もっと地元の人々も参加しやすいだろう。来年はなんとかなんないかな。
 
 デモ後、久里浜のウラン・MOX燃料精製工場:グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン(GNFJ)を見学。とりわけ、GNFJ工場の周囲はマンションや住宅地が多く、そんな場所に安全弁の閉め忘れやドラム缶の底の腐食などのお粗末としか言いようがない事故でここ三年で何度もウラン漏れを起こしている。
 
 集会中の発言で「東京に原発を、と反原発運動の皮肉として言われるが、すでに首都圏にGワシントンの二つの原子炉がある、ということはもっと知られるべき」と言われていましたが、三浦半島地震の危険も指摘されるなか、原子力空母とこのGNFJ工場など、「フクシマ」はあらゆる意味で遠くない、ということを実感した一日となりました。
 
 そして、首都圏・日本のみならず世界から核をなくす一環としての行動をさらに大きく!
 
◆ 地震と原発事故情報 その188 より