『四万十市』公式HPより転載
 
 幸徳秋水刑死百周年記念事業について
 
 幸徳秋水は明治4年(1871年)、わが中村に生まれました。
 秋水は、土佐の自由民権の風土の中で成長し、早くから板垣退助、林有造に私淑し、その後中江兆民に師事し、世界的視野での「自由平等」、「非戦平和」の思想を身につけました。
 
 明治37年(1904年)に始まった日露戦争は世界で最初の近代戦争でした。大国ロシアとの戦いに国民世論は熱狂しましたが、秋水は内村鑑三らとともに非戦論を唱えました。ロシアでも文豪トルストイが和平を訴えました。戦争に公然と反対する主張が展開されたのは、歴史上初めてのことでした。
 
 日露戦争終結の5年後(1910年)大逆事件がおこりました。秋水は天皇暗殺を企てたとして大逆罪に課せられ、翌年1月24日処刑されました。
 
 大逆事件は、秋水らによる自由平等思想の普及を恐れた明治政府弾圧による冤罪であったことは、すでに歴史的に証明されています。
 
 20世紀最後の年であった2000年、当時の中村市議会秋水の名誉を回復し偉業を讃える「幸徳秋水を顕彰する決議」を全会一致で採択しました。
 
 秋水は「自由平等」、「非戦平和」の思想を体系化したさきがけであり偉大な思想家・ジャーナリストとして世界の歴史に名を刻んでいます。
 
 来年2011年は幸徳秋水の刑死から100年になります。
 
 昨年4月、アメリカのオバマ大統領がプラハで「非核平和宣言」をおこなったように、「非戦平和」が世界の大きな潮流になっているいま、改めて郷土出身者である幸徳秋水の果たした歴史的役割ついて考えてみることは大変重要であり、意義があります。
 
 「幸徳秋水刑死百周年記念事業」に多くの皆様が参加されるよう呼びかけます。
 
                            2010年8月
                           幸徳秋水刑死百周年記念事業実行委員会
                             委 員 長 田 中 全 (四万十市市長)
                              『四万十市』公式HP(右フレーム【秋水広場】から)
            http://www.city.shimanto.lg.jp/topj.html

■ 幸徳秋水特別展  2011年9月10日(土)~25日(日)
  
図書館資料を中心として、県や多市町村からも資料をあつめて展示会を開催する。
■■大逆事件サミット  2011年9月24日(土)
 大逆事件に関係する運動団体に呼びかけて、関係者の交流会を行う。

■ 幸徳秋水展~伝次郎から秋水へ
 刑死100周年の記念の年にあたって、幸徳秋水の足跡を見つめる特別展を開催します。
 今回の特別展準備中に、秋水から三申への書簡のコピーが見つかり、
 所有者に連絡を取った結果、これまで公にされていないことがわかりました。
 この書簡原物も借り受け、新発見資料として展示する予定です。
 
日時: 9月10日(土)~25日(日)
    9時~17時
場所:四万十市立中央公民館 1階
   展示ホール及び大会議室
 
主な展示品
  「秋水から三申宛ての書簡」 ‣ 小泉三申(1872~1937)
       名は策太郎. 1894年入社した『自由新聞』で秋水と親交を結び、
       それ以降、秋水に多くの支援をするとともに執筆依頼なども行った。
  「菅野スガ 針文字書簡」(我孫子市教育委員会提供)
  「秋水の絶筆(漢詩)」、「秋水工夫の暗号」、「幸徳幸衛氏の自画像」など
 
※日頃は、公開していないものも、所有者のご厚意により出品するほか、秋水の中村在住当時の街並み写真や古地図も展示します。