(8月23日メール返信)メールマガジンについていくつかご質問がありましたので、補足と回答をいたします。
 まず、供給力と電力消費量についてのデータが一部抜けているという指摘です。確かに北海道電力に言及しませんでした。しかし北海道電力のピークは冬
で、夏は60万キロワット程度とは言え東北に融通するほど余力があります。また、今夏について北海道電力だけは一切データを公表していません。データの解析が他電力と同様の方法でできないため、質問から回答まで1日程度で回答したという、スピード重視の情報提供であったため、北海道以外で解析しまし
た。ご了承ください。

 九州電力が表から欠落したのは転記ミスです。下記は九電分を含んだ表に書き換えました。
    電力会社   最大電力 予想と   その時点の   原発を停止
    の供給力     予想 供給の差引  稼働原発分  した差引
 東北  1347  1290   57      0    57
 東京  5460  5020  440  381.2    58.8
 中部  2822  2520  302      0   302
 関西  3010  2750  260  337.1   ▲77.1
 北陸   604   540   64      0    64
 中国  1220  1070  150   82      68
 四国   620   550   70  113.2   ▲43.2
 九州  1735  1560  175  262.9   ▲87.9

 合計 16818 15300 1518 1176.4   341.6

 北海道電力を除く8電力のピーク時供給力は、最大電力予想(この場合は原稿を書いた時点なので8月9日)を超えて供給可能なので、原発を全部止めても何ら問題は無いという結論になります。

 これらの電力供給力の中には、Jパワーや共同火力などの発電事業者の発電量のうち、あらかじめ供給契約を結んでいるものについては含まれます。また、各家庭で設置した太陽光を含む自家発についても供給契約を結んだものは含みます。一方、自家発電の一部はキロワット単価では7円で安すぎるとして、契
約していないものがあります。
 これらの動向が詳細には分かっていません。経産省が調べた結果、追加供給可能な自家発が160万キロワットしかなかったという、信じがたい報道もありましたが、実態としては電力需給状況が東電については見事に「安全域」で推移したため、いわゆる「埋蔵電力」の追求が中途半端で終わっているのが現
実だろうと思います。
[編集部より]8月13日発行の「◆ 地震と原発事故情報 その143 ◆」は、たんぽぽ舎HPの次のurlより見る事が出来ます。http://www.tanpoposya.net/main/index.php?id=370