▼ 静岡のお茶が瀬戸際に追い込まれた事は、
   放射能汚染が致命傷になりつつある事態の反映。

 きょうある食品検査の関係者と話したのですが、静岡のお茶が、生茶葉ではなく、荒茶という乾燥して水分を飛ばした、普通に市販している状態のものだと数千ベクレルのレベルで検出されているということです。暫定基準は500ベクレルですから、完全に終わりですが、生の茶葉で、500ベクレルを超えなければいいのではという議論も国の関係機関の中でなされています。
 その議論の是非はともかく、その関係者によれば、お茶として飲む段階になれば、数十ベクレルから百ベクレル程度になるので、大きく心配しなくてもよいのではとも、言われました。これも、飲料の暫定基準を受けてのことですが、水道水のように不検出になって、ほぼ放射性物質がなくなった状態ではなく、数十ベクレルでも、お茶には、だいたいはある状態になるということを消費者がどううけとめるのかということです。
 僕は、文化人類学者の知事が検査拒否をしていることを聞くとさらに、ことし以降、当面は静岡のお茶は飲まないと決めました(お茶の大半が静岡産ですから、どこかで出されるお茶が、ほぼ飲まないという、尋常でない決断をする事態になります)。


 もちろん、粉茶、抹茶、茶葉を粉末にして食用、低温でお茶を抽出して飲用にするなどのパターンはもちろん「だめです」と言われました。これは静岡のお茶にとってかなりのダメージになったことは、間違いありません。
 というか、驚きなのは放射性物質がそれほど多く降下していないはずの静岡で、主要産業のお茶が、瀬戸際においこまれている事態は、今後の放射能汚染の拡散がいったいどこまで続くのか、もう誰にもわからなくなっているということです。放射能汚染が致命傷になりつつある事態がいよいよ露呈してきていると言う事です。
 国が発表している放射性物質の降下量で、福島第一原発の影響がいったいどこまで出ているのか、突き止められない状況です。放射能汚染は、徐々にその様相をあらわしていますが、全体像として浮かび上がってくる様子は、どんどん膨らむ魔物のような感じです。本当に困りました。
 ここまで、影響が大きくなってくると、福島のみならず、関東各地で多大な影響が出てくる気がします。冗談抜きで、関東に居続けるのかどうかという事を、食べ物飲み物という観点から見直す作業が、どの方にも不可欠になっているという事です。
 静岡のお茶の話は、福島第一原発の事故が、僕らの生活を確実に蝕み、変えさせるきっかけにさらになっています。毎日、毎日、僕の中でも急ピッチで見直し作業が進んでいます。

 本日は福島の子どもたちの交渉で、文部科学省側が二十ミリ基準から極力少なくするという譲歩発言が引き出せました。当然の事です。もともと決定の仕方はおかしいです。
 しかし、本質はそこにはありません。こどもたちを福島市や郡山市に置いていてはいけないのです。国が動くよりも先に、親御さんが子どもを疎開させる決断をしてください。政府の遅れた判断で、追い込まれるのは子どもなんです。一刻もはやく決断してください。

『ジャーナリスト 木下黄太のブログ  「福島第一原発を考えます」』(2011-05-24)
http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/a500dc2fc5a92849e4baeb8eca856bd9

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