「君が代」起立条例案を直ちに取り下げ、廃案とすることを求める 声明
2011年5月23日
人権NGO 言論・表現の自由を守る会
5月19日に開会した大阪府6月議会に、橋下徹大阪府知事と大阪維新の会が、「君が代」起立条例案を提出し、府立学校と政令指定市(大阪市・堺市)を除く市町村立小中学校の全ての教職員に対して、卒業式・入学式において「君が代」斉唱時の起立を義務化しようとしていることが報道されています。
また、9月府議会にも「複数回の不起立で懲戒免職」を含む内容の教職員処分条例案を提出し、共に大阪維新の会の過半数を超える議席の数の力を頼みに、強引に成立させ、さらに不起立者の氏名と所属校の公表も検討中とも。
天皇制をたたえる国歌「君が代」を、教員に対して起立して歌うことを条例によって強制することは、思想・良心の自由を保障している憲法第19条、国際自由権規約第18条に明らかに違反する強制であり、見せしめに教師に強制することはすなわち、児童・生徒に対する強制であることから、明らかにこどもの権利条約第14条に違反します。
橋本知事は弁護士であり、昨年弁護士会から業務停止2カ月の懲戒処分を受けたばかりとのことですが、3月10日に東京高裁で、東京都教育委員会の10・23通達「君が代起立斉唱強制」に従わなかったとして、168人を懲戒処分したことについて、「懲戒権の範囲を逸脱・濫用するもの」と裁量権の逸脱だとして原告全員の処分取り消しを命じたことをご存じないのでしょうか?
弁護士でありながら、「君が代」起立斉唱強制の違法性も歴史的および教育的問題点をも一切顧みず、「起立は社会常識」「(不起立は)ルール違反」などと問題をすり替え、法律どころか、教育現場の実情も教職員の心情をも無視し、ひたすら自らの偏頗な意図に従わない者に対する知事の異常な敵意がメールに表れています。
そもそも「君が代」斉唱は、侵略戦争を担ってきたその役割や信仰上の理由などから、この歌を歌うことを条例によって強制することは、人類普遍の基本的人権である思想・良心の自由にかかわる重大な違法行為であり、憲法第19条、自由権規約第18条、こどもの権利条約第14条違反の公権力の乱用です。
この教職員への起立強制のねらいは、多様な考えを持つ子どもたちに対して、有無を言わせず、起立して「君が代」を歌わせることにあることは明らかです。
この条例の提出・制定を許すならば、教育現場にさらなる混乱と深刻な疲弊をもたらすことは、東京都の10・23通達以降の教員の病欠者の急増からも、火を見るよりも明らかです。
弁護士でもある橋下知事が代表を務める維新の会による、憲法とともに自由権規約、こどもの権利条約違反である本条例案提出行為は弁護士としての橋下知事の懲戒処分対象となる不法行為でもあると考えます。
この条例提案の暴挙は絶対に許すことができません。直ちに、「君が代」起立強制条例案の提案を取り下げ、廃案とするよう求めます。
以上
2011年5月23日
人権NGO 言論・表現の自由を守る会
5月19日に開会した大阪府6月議会に、橋下徹大阪府知事と大阪維新の会が、「君が代」起立条例案を提出し、府立学校と政令指定市(大阪市・堺市)を除く市町村立小中学校の全ての教職員に対して、卒業式・入学式において「君が代」斉唱時の起立を義務化しようとしていることが報道されています。
また、9月府議会にも「複数回の不起立で懲戒免職」を含む内容の教職員処分条例案を提出し、共に大阪維新の会の過半数を超える議席の数の力を頼みに、強引に成立させ、さらに不起立者の氏名と所属校の公表も検討中とも。
天皇制をたたえる国歌「君が代」を、教員に対して起立して歌うことを条例によって強制することは、思想・良心の自由を保障している憲法第19条、国際自由権規約第18条に明らかに違反する強制であり、見せしめに教師に強制することはすなわち、児童・生徒に対する強制であることから、明らかにこどもの権利条約第14条に違反します。
橋本知事は弁護士であり、昨年弁護士会から業務停止2カ月の懲戒処分を受けたばかりとのことですが、3月10日に東京高裁で、東京都教育委員会の10・23通達「君が代起立斉唱強制」に従わなかったとして、168人を懲戒処分したことについて、「懲戒権の範囲を逸脱・濫用するもの」と裁量権の逸脱だとして原告全員の処分取り消しを命じたことをご存じないのでしょうか?
弁護士でありながら、「君が代」起立斉唱強制の違法性も歴史的および教育的問題点をも一切顧みず、「起立は社会常識」「(不起立は)ルール違反」などと問題をすり替え、法律どころか、教育現場の実情も教職員の心情をも無視し、ひたすら自らの偏頗な意図に従わない者に対する知事の異常な敵意がメールに表れています。
そもそも「君が代」斉唱は、侵略戦争を担ってきたその役割や信仰上の理由などから、この歌を歌うことを条例によって強制することは、人類普遍の基本的人権である思想・良心の自由にかかわる重大な違法行為であり、憲法第19条、自由権規約第18条、こどもの権利条約第14条違反の公権力の乱用です。
この教職員への起立強制のねらいは、多様な考えを持つ子どもたちに対して、有無を言わせず、起立して「君が代」を歌わせることにあることは明らかです。
この条例の提出・制定を許すならば、教育現場にさらなる混乱と深刻な疲弊をもたらすことは、東京都の10・23通達以降の教員の病欠者の急増からも、火を見るよりも明らかです。
弁護士でもある橋下知事が代表を務める維新の会による、憲法とともに自由権規約、こどもの権利条約違反である本条例案提出行為は弁護士としての橋下知事の懲戒処分対象となる不法行為でもあると考えます。
この条例提案の暴挙は絶対に許すことができません。直ちに、「君が代」起立強制条例案の提案を取り下げ、廃案とするよう求めます。
以上