東京電力は19日、福島第1原発に津波が到達した直後の連続写真を初めて公開した。海面から高さ10メートルの敷地にある重油タンク(高さ5・5メートル)が、到達後わずか1分間で水没するなど、津波が猛烈な勢いで押し寄せる様子をとらえている。
公開されたのは、3月11日午後3時40分ごろから撮影された計17枚。敷地の南にある集中廃棄物処理施設の4階から北方向(4号機タービン建屋方面)を東電の関連会社社員が撮影した写真は、同42分に海抜10メートルの敷地で浸水が始まり=写真(1)、約1分後には高さ5・5メートルの重油タンクが濁流で水没し始めた=写真(2)。
タンクは一気にのみ込まれ、駐車中の乗用車も流されて補助建屋(高さ9・5メートル)の壁がめくれ上がる=写真(3)。同44分、水が引き始めると、流された車は建屋の壁にひっかかるように逆立ちしていた=写真(4)。
東電は写真の公表が被災から約2カ月後となったことについて「情報を収集して整理する中でこうした写真があることが分かったため」と説明した。【八田浩輔、野田武】
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110519dde001040033000c.html