東京都の浄水場で、浄水処理の際に発生する土から高濃度の放射性物質が検出されたことが都水道局の測定結果でわかりました。都内に水道水を供給する金町(葛飾区)、小作(羽村市)、東村山(東村山市)、朝霞(埼玉県朝霞市)の4浄水場で3月28日、4月14、27日の3回、試料採取し測定した結果を13日公表しました。

 最も高かったのは、3月28日に採取した金町浄水場の発生土で1キログラム当たり放射性ヨウ素131が8万8400ベクレル、放射性セシウムが1万4650ベクレルでした。

 他の浄水場の最高値は、朝霞でヨウ素131が5410ベクレル、放射性セシウムが6120ベクレル、小作でヨウ素がベクレル、セシウムが866ベクレル、東村山でヨウ素が1100ベクレル、セシウムが1635ベクレルでした。

 いずれの浄水場も水道水(5月13日採取)からは放射性ヨウ素は検出されていません。

 浄水場発生土は、浄水処理で河川の水などに含まれる泥を沈殿・濃縮し、水分を取り除いたもの。雨水などで河川に流入した放射性物質が、浄水場で濃縮され検出されたとみられます。

 埼玉県でも県内5か所の浄水場の発生土から最高7400ベクレルの放射性セシウムが6日に検出されたことから、同県が再資源化していた園芸用土などの販売を休止しています。

 政府の原子力災害対策本部では高濃度の放射性物質が検出された福島県内の下水処理残土について、10万ベクレルを超えるものは県内で焼却・溶融などの容量を減らす処理を行い、飛散しないよう保管し、放射能のモニタリングをするよう求めています。