最高裁は「表現そのものを処罰すること」の憲法適合性を判断せよ!
■□■ 4月13日(水)第9回最高裁要請行動を行いました ■□■
-第9回最高裁要請行動行わる-
◎ 国際的人権水準で判断を
「国立劇場前庭のしだれ桜」 《撮影:垣内(言論・表現の自由を守る会)》
東日本大震災と人災・原発事故が重なり、被災者の方はもとより首都圏の私たちも不安と怒りに揺れている。こんな時でも最高裁東隣国立劇場のしだれ桜はこぼれるばかりの満開。4月13日10時半から、30分の制限時間を越えて第9回最高裁要請行動を行った。(参加者18名、入場17名)
従来の窓口矢後氏は転勤。後任植松実氏(訟廷首席書記官補佐)と初めて出席の訟廷上席書記官・若梅順一氏に要請をした。
まず両面6枚の要請書〔クリック〕(資料添付)提出。事務局(花輪)から骨子を訴えた。
①国連自由権規約委員会公表の規約19条(表現の自由)に関する「一般的意見34」が指摘する条文の解釈と運用の指針(28年間蓄積された先例や審査を整理)に注目を。先に提出したフォルホーフ教授「鑑定意見書」も同様の判例解釈だ。
②物的証拠、特にICレコーダーの証拠能力の検討を。制止行為の立証は破綻している。
③「君が代」裁判一次訴訟控訴審判決(3・10)でも示された通り、「保護者」に起立強制できないことからも藤田さんの呼びかけに違法性はないことは明らかである。
次に加藤弁護士が、最高裁上告以来3年経過、「威力業務妨害」なのかどうか、構成要件該当性に問題があり、有罪とするのは国際人権規約違反。慎重にかつ国際水準で判断してほしいと要望した。
続いて各参加者から具体的な事例を含めての追及が行われた。
①かつて管理職たちの行為を告発したら精神病とされ受診命令を受けるなど都教委の不当な弾圧は藤田事件とも共通する。
②再雇用更新拒否など最高裁に上告。10・23通達の違憲・違法性の点で、藤田事件と共通点を持つ事件である。国際標準できちんと審議してほしい。
③明治憲法的思考を脱却し、世界の標準と日本国憲法に向き合ってほしい。イタリアでは「歌を歌わないと首になる」と報道された。
④夜間中学教員として8割以上の外国籍、ルーツを持つ生徒と関わってきた。「日の丸・君が代」で4回の懲戒処分を受けた。議論の余地のある問題で、それを提起することが「威力業務妨害」になるとは思えない。
⑤運転手をしているが人権の問題と聞いて参加した。
⑥元都庁職員、40年前の立川短大事件も藤田事件と通ずる。特に司法に携わる人間は世界に通用する大人になってほしい。
⑦事件当時、TBSは映像・音声の断片を編集したものをセンセーショナルに流した。私もサンデー毎日コピーを地元教育懇談会で配った。藤田さんだけが起訴されたことは何か仕組まれたものがあることを匂わせる。地裁高裁で審議していないことをきちんとやってほしい。
⑧「表現の自由」に関わる堀越事件では逮捕後数日で起訴。犯罪でないことが犯罪とされている。大逆事件をはじめ、これまで人権侵害された人は一人も救済されていない。
最後に藤田さん本人が証拠物の信用性を中心に鋭く追及した。
藤田:この間の要請書類に目を通してほしい。今の審理状況は?調査官は誰か?
若梅:審理中で具体的にはこの場でお話しできない。調査官名はこの場で言えない。弁護士さんにはお話しできる。
藤田:担当書記官は?
若梅:吉川です。要請は訟廷事務室の者が担当する。
福井:最高裁に係属してから長すぎる。何の音沙汰もなしに3年も待たされる被告の心情は大変なもの、時間延長しても本人の思いを聞いてほしい。
藤田:教育庁佐々木指導主事の調書を確認してほしい。ページ数をふっていない調書の一部を抜いて提出している。証拠書類を中抜きで出すなんてことが許されるのか。一審ではその抜かれた部分についてこちら側の質問が出来なかった。佐々木調書は何ページなのか調べて確認してほしい。調書は2回出されている筈。
若梅:ご要望は承りました。
藤田:既に提出した東京新聞にあるように、証拠書類の中抜き、改竄、ICレコーダーは証拠の違法収集ではないか。また校長が被害届けを出しているが、教育庁の代理でそんなことが出来るのかなど明確に調べてほしい。最高裁は行政の下請けではなく司法の独立をもって判決を。福島原発事故も最高裁が東電のいいなりになった結果である。司法への賄賂の疑いも世間では流布している。いつまでに判決を出すと言うのが常識ではないか。何年も待たせて「棄却」ではたまったものではない。
若梅:強い要望があったと伝える。
最後に、司会が次の2点を強調した。
①今日の発言者には教員経験者でない人もいる。それだけ市民が関心を持つ事件だということだ。
②最高裁の審理の進捗状況が不明なことは被告にとっては人権侵害、慎重かつ迅速にお願いしたい。
さらに加藤弁護士から、国民に関心の高い事件は、結果如何に関わらず公開法廷で口頭弁論を開いてほしい。人権を守る最終審なので弁論を開く姿勢を持ってほしいと付け加えられた。
要請終了後、加藤弁護士は「普通は最高裁にかかって1年以内に判決が出る。重要事件で数年。おそらく今審理している時期。要請行動を続けてほしい、4月末に補充書を提出する」と解説があった。
「沖縄ノート訴訟」で上告棄却(4・21)を決断した最高裁。藤田事件について「逡巡」があるのかもしれないと思うのは「淡い期待?」だろうか。次の要請行動に向け頑張ろう。
『藤田先生を応援する会 通信』(第47号 2011/5/11)
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