たんぽぽ舎です。【TMM:No1065】  転送歓迎です

      ◆ 地震と原発事故情報 その50 ◆

         5つの情報をお知らせします。

★1 福島原発事故の4月・5月の日程
★2 東電原発工程表についての疑問 山崎久隆
★3「想定外」は許さない  後半  山崎久隆
★4 芝公園集会にこんなお便り頂きました
★5 新刊本紹介:『原発崩壊』増補版 明石昇二郎


★1 福島原発事故の4月・5月の日程

 #4月24日(日)芝公園:集会とデモ

  14:30~集会15:30~デモ
  会場:芝公園23号地(都営地下鉄三田線 御成門下車5分)
  デモコース 経産省別館前~中部電力東京支社前~東電本社前~
    銀座数寄屋橋交差点~東京駅前~常盤橋公園で流れ解散
  チェルノブイリ大事故(4月26日)に合わせた毎年のデモ、
   今年こそみんなで集まろう!!
   主催 原発止めよう!東京ネットワーク

#4月26日(火)チェルノブイリデー!
   16:00 新橋駅前 ~17:30 経済産業省別館前行動 ~
   19:00 東電前行動  キャンドルナイト

#4月27日(水) 緊急院内集会 13:00~15:00
   会場  衆議院第1議員会館1F 多目的ホール(198人定員)
   主催  超党派国会議員有志、
       *原子力安全委員会などに出席を求めている。  
#4月30日(土)広瀬隆さん講演会  17:50開演~21:10
   会場  豊島公会堂(池袋駅東口5分)
   講演  広瀬 隆「いま福島原発で起こっていること」
大東 断、伊田浩之、山崎久隆、鈴木千津子
   主催  たんぽぽ舎・週刊金曜日共催

#5月1日(日) メーデー労働者と共に東電へ要求 
   10:30 東電本社前集合 ~12:00  ビラを配ります

#5月7日(土) 超巨大反原発ロックフェス デモIN高円寺
午後予定

#5月15日(日) 福島原発事故で起きたこと、わかったこととこれから
            13:00~17:00  
   会場 明大リバティータワー1011室
主催 市民エネルギー研究所、現代史研究会、大竹財団、たんぽぽ舎

#5月22日(日)反原発自治体議員(と市民)連盟・結成大会
   13:00~17:00  市民の参加歓迎
   会場 全水道会館大ホール(JR水道橋東口下車2分)
         

★2 東電原発工程表についての疑問
                         山崎久隆

 どんな工事でも工程表を作るときは、作業の内容をまず決定し、それに必要な資機材を発注し、納品をしてもらえるのにどれくらいかかるかを見積もりし、さらに現場作業でどれほどの人数を何日投入するか、または工期が決まっているならばその工期までに何人を投入するか計算して決めるものです。
 さらに最低限に必要なのは、その作業環境で何人が同時にどのような工事を行えるかを計算することです。あるいは現場据え付けを簡略化するために工場で組み立てを行うにしてもどれだけの装置を何処に取り付けるかが決まっていないと図面さえ引けません。
 そのような観点から見ると、現状で最も問題なのは、現場で人が活動できるまでにどれだけかかるかが全く計算できないことです。これでは無限にかかるとしか言いようがありません。
 最初にすべきことが出来ていないのに、最終目標が決まるわけがありませんから、何ヶ月という日数に合理性はありません。たぶん、昨日決めて今日になってもう工期に遅れが出ていることでしょう。
 18日の報道は1号機と3号機内部が人間の立ち入れない高線量域だと言うことがわかったそうです。19日になって2号機は空間線量測定さえ失敗しました。調査し、そして除染しないと人が入れないのです。このようなことは今までに原発では経験したことさえありません。


★3 「想定外」は許さない・後半  (前半はその48)       
                           山崎久隆 
         
最悪のシナリオ全般

 圧力容器の構造から、炉底に落ちた燃料の冷却は難しくなるため、燃料の温度が上がりだす。2700度以上にならないと燃料の酸化ウランそのものは溶けないが、圧力容器の鋼鉄は1000度程度でクリープ破壊という現象を起こす可能性がある。そうなると完全な底抜け状態になり、燃料の一部が格納容器内に落下する。下には水が溜まっているので、1000度以上の高温になっている燃料が水に落ちた場合は水蒸気爆発を引き起こすかもしれない。格納容器やコンクリート製の建屋も破壊され、内蔵する放射性物質の大量放出が始まる。原子炉圧力容器も大きく破壊され、大量の燃料が新たに飛び散ることになる。
 現時点で内蔵している放射能の1%にも満たない量しか放出されていないと見られる(希ガスは除く)が、水蒸気爆発を引き起こせば数十%にもなるかもしれない。居住不可能地域が今よりももっと拡大してしまう。
 さらに3号機がプルサーマル原発であることは今回の原発震災をさらに深刻なものにしている。
 プルサーマル用MOX燃料は最初から燃料にプルトニウムを入れている。この燃料体は32体あるが、MOX燃料の欠点は他のウラン燃料と比べて「融点が低い」「核分裂生成物の放出が多い」「中性子を吸収しやすいため制御棒が効きにくい」「放射線放出量が多い」などがある。既にこれも株主総会で指摘されてきた。
 通常運転中ならばウラン燃料とは安全上問題になるほどの差は無く「誤差範囲」と国も東電も主張をしていた。それに対して私たちは「極限的状況に陥った際に危険性をいたずらに増大させる」と、強く警告してきたが、こんなに早く実現するとは思わなかった。
 全ての燃料は冷却不足となり、上部は溶融状態だと思われる。当然ウラン燃料よりもMOXのほうが破壊は進み、炉の底に降り積もっているかもしれない。
 そのような環境で、いつまでも水を入れ続けていると、今度は炉の底で再臨界を起こす危険性もある。ウラン235よりもプルトニウム239のほうが臨界量は少ない。破損し、崩れてしまった燃料ペレットが積み重なった中で、プルトニウムを多く含むMOX燃料がどの程度臨界になりやすいかは、実際のところよく分からないだろう。まさしく実機を使った「核実験」が今ここで行われている。

報道姿勢

 初期の、原発で水素爆発が起きた頃、テレビでは遠景で撮った爆発映像を繰り返し流しておきながら、何が起きているのかをほとんど説明できなかった。
国や東電がまともに情報を出さなかったため、「コメンテーター」と呼ばれる「素人」が勝手な憶測を並べ立てた。情報が出てこないこと、一方では周辺からの避難指示、これを総合すれば大変な事態になったことは誰もが想像できるだろうに、何故か「データを出せ」「責任あるものが調査をせよ」等の指摘がほとんどされず、枝野官房長官、保安院の西山審議官、そして東電の記者会見をつなぎ合わせるだけ。これは冗談にも報道などと言える次元では無い。いつもならば「行くな」という場所だろうとずけずけ入り込むメディアが今回に限り「30キロ離れた場所から撮影する鮮明化した」と称する、よく見えない画像を背景に、ほとんど理解できない解説を繰り返した。
 最初の一週間が個人の健康を守るために最も大事だった期間だったのに、正確な情報を伝える責任を放棄した報道の姿勢には心底怒りがわく。そのうえで、国や東電発表をそのまま垂れ流したあげくに市民からの警告を「風評被害」と切り捨てたり、これほどの大災害を引き起こしてきた原発に対し「この事故を終息させれば世界に原発を売り込める」などと、自らがデマと風評を広めるような発言まで発信している。
 いまマスコミに必要なのは、大きな主張として言うかどうかはともかくとしても、これだけの原発震災を、ほとんど何も警告できなかったことと、市民からの警告を全く取り上げなかったことを自らの報道姿勢の欠陥として、真摯に受け止めることであろう。
         
         
★4 芝公園集会にこんなお便り頂きました。元気が出そうです

たんぽぽ舎 御中

過日高円寺の原発反対ロックデモに参加し、関連のHPを拝見してご連絡いたしました。

直近ですが4月24日の芝公園デモに参加しようかと思っておりまして、ひとつ
ご相談です。
高円寺のように、打楽器を持参しても大丈夫でしょうか??
デモの構成やコンセプトにもよると思うのですが、音があると声を出せない人でも歩くだけでパレードに楽しく参加しやすいのでいいなと思っております。
私はサンバチームに所属しており、こうした友人は、楽器でパレードに勢いをつけることもできるのではないかと思います。
まだチームによびかけていませんが、
ご連絡いただければ、その旨友人たちに打診してみたいと思っています。
急なご相談ですみませんが、間に合いましたら幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします
         
                       東京A子
        

★5 新刊本の紹介です。

 『原発崩壊』増補版
    想定されていた福島原発事故
      明石 昇二郎 著
        株式会社 金曜日 1,500円+税 
        
○「天災」と「人災」は区別して考えなければならない。このたびの東京電力・福島第一原発事故は、紛れもない「人災」である。そもそも被災地内に原発がなければ、「天災」である地震や津波による被害の他に、被曝の心配までする必要などまったくなかったからだ。・・・(第1章より)

 第1章 想定内の津波被害と放射能来襲
 第2章 原発炎上
  解説 原子力発電所(原発)とは何か?
 第3章 頼みの「専門家」は役立たずだった
 第4章 シミュレーション・ノンフィクション「原発震災」
  解説 原発輸出---これだけのリスク
 第5章 「ロシアンルーレット」は今日も止まらない