≪ ふなしん(旧船橋信用金庫)出資金返還訴訟について ご支援のお願い ≫

 このたびの大震災・原発事故において被害に遭われたみなさまに、心からお見舞い申し上げます。


【傍聴のお願い】

 ふなしん出資金返還訴訟が、明日4月7日13:30から東京高裁822号法廷にて結審します。

 裁判の前に、12時から30分間、高裁前の歩道において宣伝行動を計画しています。

 ぜひ宣伝行動と裁判傍聴にご参加いただきますようよろしくお願いします。


【裁判について】

 2009年6月に千葉地裁では、被害総額1億500万円の内約7割、7200万円(原告66人の内44人)が認定されました。

 ふなしん理事側が控訴し、地裁で認定されなかった原告13人も控訴し、合わせて55人が控訴審をたたかっています。09年12月から東京高裁(大島寛明裁判長)で控訴審審理がこれまで9回行われました。

 
≪事件の経過などについて≫

日本では、21世紀に入った直後の1~2年で、新自由主義の小泉構造改革・不良債権早期処理の名の下に、2002年4月からのペイオフ実施で脅しながら、全国で60近くの信用金庫・信用組合がバタバタと破綻させられ、地域経済は急激に疲弊させられました。

その最後の2002年の1月25日に、破綻したのが船橋信用金庫で、出資者数2万人、出資総額15億円でした。この同日同時間に、大阪で大阪相信が破綻発表されました。

この2つの信用金庫の出資金だけが、今なお1円も返還されていません。

地域経済を担う信金・信組の出資金は、株とは違います。
出資金は、それまでは全額保護されていました。
その後破綻した信金でも、出資金返還のための何らかの救済措置が取られています。

「構造改革」の号令で破綻した60近くの信金・信組の中で、出資金が1円も返還されていないのは、 ”ふなしん”と大阪相信だけです。

”ふなしん”は破たん当時、創業70年の老舗の信用金庫で、船橋市を中心に7市にまたがって17の支店があり、地域経済を担っていました。
破綻直後から①債務者をRCCに送るな!②職員の雇用を守れ!③店舗を守れ!④出資金を返せ!と市民運動が起り、たたかいがひろがって①~③については運動の一定の成果が出ましたが、出資金の被害だけがまだ解決していません。

破綻した時に、すでに譲渡先が『ひがしん(東京東信用金庫;本店は墨田区の両国)』に決まっており、金融庁からの税金90億円もの持参金付で『ひがしん』に譲渡され、預金はそのまま引き継がれたものの、出資金は引き継がず、出資者に1円も返還していません。

 破たん直後から金融庁や、信金中金、千葉県知事に対して、支店のあった当該市の7市長も連名で、出資金などの救済・支援を求めていました。

 出資金被害者に裁判を呼びかけ原告を募って、千葉地裁で66人(被害総額1億600万円)の原告団で、ふなしんとふなしん元理事らを相手に「出資金を返せ」と裁判を起し、09年6月に千葉地裁(堀内裁判長)で、被害総額・被害者共に7割、44人分の7200万円が認定されました。
 消費者問題として重要な裁判だとして、千葉県内各地の13人もの弁護士の皆さんに弁護団を結成して弁護活動をしていただいています。

 しかし、元理事らが控訴し、こちらも認定されなかった原告が控訴し、原告55人で控訴審を東京高裁でたたかっています。
 今回の第10回口頭弁論では、原告の最終意見陳述を行い結審します。

 裁判の中で明らかになったことは、ふなしんが破綻した時には、ふなしんは100億もの有価証券を保有しており、2000年に株価が下落し、破たん時には20億円もの損失を出していたことです。

 ふなしんの大木元理事長は金融庁出身で、政府の金融政策に深くかかわっていた人物です。
大木元理事長らは、金融庁竹中平蔵大臣の指揮の下で、国際競争に打ち勝たねばならない都市銀行と同様の自己資本比率にあげるとして、出資金を増強するために数次にわたる月間まで設け、100万円単位で300万・500万・1000万円という多額の出資を募り、甚大な被害を招きました。

大木元理事長ら幹部は、出資金を増強を始めた時にはすでに、出資金の保護救済制度が廃止されており信金破綻時には出資金が保護されなくなっていたことを知りながら、職員には周知せず出資金集めを競わせました。

地元の顧客は、10年20年それ以上の長年にわたって家族のような信頼関係にあったふなしんの職員や理事長らから勧められるままに、満期になった定額預金を出資に切り替える事が頻繁に行なわれたのです。

また、ふなしんが破綻した当時、2002年の4月からペイオフ解禁予定とされており、1000万円以上の預金は保護されないと政府・マスコミが不安をあおっていました。


すでに破綻から10年目に入り、裁判をはじめてから8年目です。
昨年4月、破たん直後から粘り強く原告団を結成し、たたかいの先頭で頑張ってくださった元原告団事務局長が70歳でなくなられてしまいました。この10年近くの間には、もう何人もの原告の方が亡くなられています。

原告は、現在80歳前後の高齢の方が大半です。
皆さん、大切な老後の資金、生活資金を返してほしいと必死です。
この大震災でさらに生活も、家族の営業も苦しくなっており、なんとしても一日も早い全面解決が急がれています。

ふなしん出資金返還訴訟の道理ある早期・全面勝利のために、みなさまにこの裁判へのご支援と裁判傍聴にご理解ご協力いただきますよう心からお願い申し上げます。


  ふなしん出資金返還訴訟原告団 事務局