東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)各号機の原子炉建屋やタービン建屋周辺の地下水から放射線物質が検出されました。東電が3月31日深夜発表しました。放射性ヨウ素131は、最大で、国の定める濃度限度の1万倍を超えていました。

 東電は、4号機を除く1~3号機と5,6号機の建屋周辺の地下水を集める配管から30日午前に水を採取して分析しました。その結果、1号機建屋の地下水からヨウ素131が濃度限度の1万750倍にあたる水1立方センチ当たり430ベクレル検出されたのをはじめ、調べたすべての地下水から放射性のヨウ素131やセシウム134、同137などが検出されました。

 東電は敷地内の広い範囲で検出されているとして、空気中に放出された放射性物質が雨などで染み込んだと推定しています。
 しかし、1~3号機では、原子炉建屋内の原子炉圧力容器から放射性物質を含む水が漏れ出し、タービン建屋地下には通常運転中の原子炉の水の1万~10万倍の放射能を含むたまり水が滞留。
さらに、1~4号機のタービン建屋の地下にある配管トンネルと建更にもたまり水が存在し、水面から高い放射線量が検出されています。

 これらの水が地下へ漏れ出し、さらに海へしみだしていることが心配されています。
東電は、同日深夜、30日に採取した2号機配管トンネルと建更のたまり水にヨウ素131が約690万ベクレル、セシウム134と同137がそれぞれ約200万ベクレル含まれていたと発表しました。

これらの放射能の量を合計すると、通常運転中の原子炉の水の数万倍に相当します。

 一方、経済産業省原子力安全・保安院は1日、データーの1部に誤りがある疑いが強いとして、東電委細測定と再発防止を求め厳重注意。ただ、再測定してもヨウ素131を含め、放射性物質の検出量は大幅に変わることはないといいます。