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発せられることばを見極めるとは、いつ、どこで、だれが、だれに、なにを、どのように伝えたのかを細かく検討することだ。そしてそれを踏まえて、ではなぜそのような伝え方をしたのか、を考えてみる。そのようにして初めて、そのことばの真の意味を見出すことができるのだ。それが「文学」を学ぶこと。

枝野官房長官の発言はこの「いつ、どこで、だれが、だれに、なにを、どのように」伝えているのかを、画面(編集されているが)から確かめることはできる。しかし「いつ、どこで、だれが、なにを、どのように」枝野氏に伝えたのかは、記者会見の内容からは正確に知ることはできない。だとすれば。。。

伝言ゲームのようなものだ。人づてに情報が受け渡されるたびに「いつ、どこで、だれが、だれに、なにを、どのように」という要素の一つ一つにバイアスがかかっていく。結果として伝えられることばは、そのプロセスに関わった一人一人についての「なぜ」をいやおうなく考えさせるものだ。

その人たちは、現場の作業員、現場で指揮をとる監督、作業の責任者、その上司、さらにその上の上司、東電福島原発の幹部、東電の幹部、原発の監督をする立場の原子力安全・保安院の役人、通商産業省の役人、そして総理を長とし、官房長官をスポークスマンとする閣僚たち政治家である。

そうしたバイアスのかかったことばの連鎖の末端に、官房長官の記者会見があり、それを報ずる大小報道機関がある。メディア・リテラシーとはそのようなことばの仕組みと質を見極める力である。「メディア」=諸媒介物、「リテラシー」=読解力。媒介物の向う側にある真実を読みとらなければならない。

官房長官の背後に注目せよ!

2011年03月14日
Prof. Shima's Life and Opinion Shima教授の生活と意見。
http://blog.livedoor.jp/insectshima/archives/52263401.html



2011年03月14日13:40
カテゴリそれをふまえて・・・
「3号機で水素爆発 6人けが」NHKニュースサイト
3号機で水素爆発 6人けが


14日午前11時1分、東京電力福島第一原子力発電所の3号機で爆発が起きて煙が大量に上がり、原発の作業員6人がけがをしているということです。経済産業省原子力安全・保安院では、12日の1号機に続いて水素爆発が起きたとみて、原発から半径20キロの中に残っているおよそ600人の住民に対して屋内退避を指示しました。枝野官房長官は、記者会見で「原子炉を覆う格納容器は、健全だという報告を受けた。放射性物質が大量に飛び散っている可能性は低いと考えている」と話しました。

14日午前11時1分、福島第一原子力発電所の3号機から爆発音がして大量の煙が上がりました。これについて経済産業省原子力安全・保安院では、水素爆発が起きたものとみています。東京電力によりますと、この爆発で東京電力の社員4人と協力会社の従業員2人のあわせて6人がけがをし、所在が分からなくなっていた7人については全員確認ができたということです。福島第一原発から半径20キロの範囲では住民に対してすでに避難の指示が出ていますが、半径20キロには、まだおよそ600人の住民が残っているとみられ、屋外にいる場合は、できるだけ早く建物の中に入るよう屋内退避を指示しました。現在のところ、敷地周辺では放射線の異常な上昇は見られていないということです。水素爆発は12日、福島第一原発1号機でも起きて建屋の上部が吹き飛びました。3号機でも原子炉の水位が下がり、燃料棒が露出したため、水蒸気と反応して水素が大量に発生したことが分かっており、水素爆発の起きることが心配されていました。枝野官房長官は、記者会見で「原子炉を覆う格納容器は、健全だという報告を受けた。放射性物質が大量に飛び散っている可能性は低いと考えている」と話しました。