「普天間」飛び火を回避

 【平安名純代・米国駐在契約記者】

沖縄県民を侮辱する発言をしたと報道されている米国務省のケビン・メア日本部長が9日、更迭されていたことが分かった。県内で謝罪や更迭を求める抗議が拡大した事態を受け、米軍普天間飛行場の移設問題に飛び火する恐れを回避するためとみられる。同省関係筋が明らかにした。

 同省は、「沖縄県民はゆすりの名人で怠惰」などとの同氏の発言に関する6日の報道を受け、同日、本人に事実関係を確認。学生対象のオフレコによる講義でも発言は許容範囲を超えるとし、厳重処分の対象となる可能性を通達していた。

 メア氏は今夏、ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)アジア部長に転出する予定となっていたが、米政府のアジア外交責任者というポストへの就任はさらなる反発を招く恐れもあり、不透明な状況となっている。

 後任には、ラスト・デミング元駐日首席公使が就任する。

 米大手テレビ局のABCニュースは9日、「米外交官の非常識な発言に日本が大きく反発」とメア氏の発言内容とあわせて伝えたうえで、米側が謝罪などの対応に追われていると報じた。


沖縄タイムス 政治 2011年3月10日 10時11分
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2011-03-10_15256/


今帰仁村議会も抗議決議
【今帰仁】
今帰仁村議会(久田浩也議長)は10日、米国務省のケビン・メア日本部長の発言に対する抗議決議を全会一致で可決した。普天間飛行場を「特別に危険ではない」とした発言は、9万人余が参加した昨年の県民大会における民意への許しがたい挑戦でもある、と指摘。「県民を愚弄し、侮辱する発言を断じて容認できない」と厳しく抗議し、撤回と謝罪、辞任を強く要求している。

沖縄タイムス 2011年3月10日 10時50分
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2011-03-10_15258/


 メア氏発言 宜野湾市議会も抗議決議

 米国務省のケビン・メア日本部長の差別的発言について宜野湾市議会(呉屋勉議長)は10日午前、発言の撤回や謝罪を求める抗議決議を全会一致で可決した。あて先は米国務長官、駐日米国大使、米国務省日本部長、在沖米国総領事。

 抗議決議では、市の中央に米軍普天間飛行場を抱え、2004年8月に発生した沖国大への米軍大型ヘリ墜落事故をはじめとした事件・事故が度重なっていることに触れ、「今なお過重な基地負担を強いられている県民を愚弄(ぐろう)し、侮辱する発言は断じて容認できない」と糾弾している。

 同市議会では2月23日に米空軍嘉手納基地所属のF15戦闘機6機が普天間飛行場へダイバート(目的地変更)着陸したことについても抗議決議・意見書両案を可決。
10日午後には要請行動を実施する。


2011年3月10日【琉球新報電子版】
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-174444-storytopic-231.html