国民健康保険などの保険料や医療費を払えないため受診が遅れて死亡した人が、昨年1年間に24都道府県で71人いたことが2日、全日本民主医療機関連合会(民医連)の調査で分かった。前年(47人)の1・5倍で、8割近くが無職と非正規雇用の人だった。
民医連に加盟する1767医療機関で調べた。調査は05年に始め、08年までは30人前後だったが、その後急増。10年の死者数は長野県が最多の9人。死亡した71人中60人が男性。職業別では37人が無職、非正規は18人だった。
保険料滞納などで正規の保険証がなかったのは42人。うち25人は「無保険」で、有効期限の短い「短期保険証」が10人、窓口で全額自己負担が必要な「資格証明書」は7人。また、保険証はあっても自己負担分が払えないため受診しなかった人が29人いた。
民医連の長瀬文雄事務局長は「調査した医療機関の患者数は全国の患者の2%未満。病院にたどり着けなかった人も加えれば、受診をためらい死亡した人はもっと多い。国が実態調査し、対策を講じるべきだ」と訴える。【稲田佳代】
毎日新聞 2011年3月3日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/science/news/20110303ddm012040039000c.html
民医連に加盟する1767医療機関で調べた。調査は05年に始め、08年までは30人前後だったが、その後急増。10年の死者数は長野県が最多の9人。死亡した71人中60人が男性。職業別では37人が無職、非正規は18人だった。
保険料滞納などで正規の保険証がなかったのは42人。うち25人は「無保険」で、有効期限の短い「短期保険証」が10人、窓口で全額自己負担が必要な「資格証明書」は7人。また、保険証はあっても自己負担分が払えないため受診しなかった人が29人いた。
民医連の長瀬文雄事務局長は「調査した医療機関の患者数は全国の患者の2%未満。病院にたどり着けなかった人も加えれば、受診をためらい死亡した人はもっと多い。国が実態調査し、対策を講じるべきだ」と訴える。【稲田佳代】
毎日新聞 2011年3月3日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/science/news/20110303ddm012040039000c.html