『岬の会 会報』(2011年1月20日No.14)
 
★ 法廷を圧する傍聴席の熱気
   12・20業績評価裁判控訴審 第2回
   過去最高の44人が傍聴に駆けつける!

  12月20日,業績評価裁判控訴審第2回が開催されました。過去最高44人の方々が傍聴に駆けつけてくださり、傍聴席があふれました。傍聴席はものすごい熱気で、法廷を圧倒しました。年末の多忙にもかかわらず傍聴に来てくださったみなさん,本当にありがとうございました。次回もぜひよろしくお願いします。
 今回の公判に向けて被控訴人(大嶽さん)側は「第1準備書面」を提出しました。内容は、控訴人・東京都と世田谷区が、1審東京地裁の原判決に対して法律論的に反論している内容を、法律論的に全面批判したものです。肝心の事実問題に関する反論は、まだ十分に準備が整っていないので、今回無理して提出することは見送りました。したがって、事実関係についての全面的な反論書は、万全の準備を期して次回第3回公判までに提出することになります。


 控訴人・世田谷区からは、新たにひとつの陳述書が出されました。元同僚によるものです。提出書面と今後の見通しが確認され、次回公判期日を調整決定して、公判自体はほんの数分で終了しました。
 公判終了後、法廷脇の控え室で、簡単な報告会を持ちました。さらにその後、地下の食堂に移動して、裁判準備の実務的な話を詰めました。

 =傍聴者の感想=
 ★ これからの教育のあり方をかけた戦い

 12月20日、大嶽さんの2審の傍聴に行ってきました。社会科見学で最高裁には何度も行ったことがあるのですが、実際の裁判を傍聴したのは初めてでした。勇敢に戦っておられる大嶽さんの姿とご支援の皆さんの頑張りを目にすることが出来ました。

 被控訴人の席は大嶽さんと弁護士さんの2人だけだったのに対して、世田谷区と東京都はすごい数で代理人席を埋めていました。数で裁判官にプレッシャーを与えようとしているようでしたね。こちらも、傍聴席はこちらの人達であふれていましたので、負けていませんでしたね。

 でも、行政側もここで負けたら、たがが外れてしまうので必死ですね。あらためて、大嶽さん、たいしたもんだと思いました。願わくば、現場の同僚の人達の応援がもっと欲しいですね。大嶽さんは、授業をやりながら、しかも、学芸会委員長なんかをやりながら、ご自分で過去の資料等を集めるなどして、皆のために戦っておられるのですから。

 裁判、そしてその後の作戦会議に出させていただいて感じたのは、大嶽さんは、必ず後世に名を残すだろう、ということです。昭和初期の暗い時代に多くの教師たちが口を閉ざす中、投獄覚悟で信念を隠さずに戦って、戦後の暁光のなかで讃えられた人がいました。その中でたとえるならば、僕なんかは、海外に逃げ出してしまい、外から応援している人間の部類に入るのでしょう。今の中国の民主化運動と同じですね。

 大嶽さん、頑張ってください。正義はこちらがわにあります。教師が自分の評価や給料のために子供達に向かうようになったらおしまいです。これからの、教育のあり方をかけた戦いです。Kさん


 ★ 1月定例会の報告
 1月13日(木)午後6時30分から、世田谷区教職員組合会館で岬の会の1月定例会を開催し、16人が集まりました。
 ①2月28日の控訴審第3回に向けての準備の進捗状況と課題、控訴審の今後の見通しについて、大嶽さんから報告されました。
 ②「岬の会」の昨年1年間の会計報告がなされました。1審報酬と2審着手金として大嶽さんが負担した弁護士への525,000円のうち、会の会計からとりあえず25万円を大嶽さんに支払ったことが報告され、運動の発展に確信を持つことができました。
 ③世田谷区教委に、苦情相談の際の第3者立ち会いに関して再度の申し入れを行うことが再確認されました。
 ④参加者全員が簡単に自分の取り組みのアピールや意見表明を行いました。
 ⑤会報第14号のたたき台が検討されました。他。

 ★ みんなでやろう、本人開示請求
 昨年5月の東京地裁の勝利判決は、業績評価制度のデタラメさを満天下に明らかにしました。
 大嶽さんの業績評価裁判は、人事考課一業績評価制度こそが、現在の教育現場の競争と管理強化と多忙化という過酷な現実の大もとであること、したがって、撤廃するしかないことを訴えてきました。
 そしてこの制度の最大の弱点は、本人開示請求です。なぜならば、職場の全員が開示請求をしたら、校長はそれだけでパニックになるからです。不当評価も次々と暴かれるでしょう。ひとりでやるのは大変でも、職場の仲間と団結して取り組めば怖くありません。まず同僚と話し合いましょう。

 ★ 新勤評反対全国集会で大嶽さんが発言
 12月19日、大阪中之島公会堂で,新勤評を許さない全国集会が開催され、500人が参加しました。大嶽さんは連帯発言し、全国の仲問に業績評価制度との闘いを訴えました。

 「業績評価裁判を支援する会」
 [連絡先]世田谷区教臓員組合内「岬の会」 世田谷区世田谷1-41-12
 ブログ http://misaki2010kai.blog58.fc2.com


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