42. 本委員会は、「現代マスメディアの発展により、すべての者に対する表現の自由の権利を損なうようなメディア管理を防ぐための効果的な方策が必要である」と、一般的意見10の中で所見を繰り返し述べている。締約国はメディアの独占管理を行い、あるいは求めることを避けなければならない。締約国は、本規約に従い、情報源や意見の多様性に有害となる独占的な状況の中で個人的に管理されたメディアグループによって、不当なメディア支配あるいは集中を防ぐために適切な行動を取らなければならない。

43.マスコミや政府広報の設置に対する政府の補助金システムは、表現の自由を危うくする効果に用いられないよう確認する注意が払われるべきである。さらに私的メディアは、公的メディアと比較して、伝達・分配の方法やニュース入手の手段などの問題で不利益に置かれるべきではない。

44.政府や政府に擁護された政治社会システムに批判的であるというだけでマスコミ、出版社あるいはジャーナリストを処罰することは3項と両立しない。

45.ウエブサイト、ブログ、あるいはその他のインターネット基盤で、インターネット・サービス・プロバイダーあるいは検索機能のような情報を支えるシステムを含む、電子的あるいは他の情報伝達システムの操作に対するいかなる制約は、3項と両立しなければならない。いかなる制約も内容が明確でなければならない。あるサイトやシステムの操作に対する一般的な禁止は3項と一致することはない。
政府や政府に擁護された政治社会システムに批判的であることに基づくだけで、データを公表することをサイトやシステムに禁ずることもまた3項と矛盾する。

46. ジャーナリズムはインターネット上またはどこにおいても、ブロガーや自費出版の形で従事する人と同様、専門の常勤のリポーターや解説者を含む広い範囲の関係者によって共有される機能であるがゆえに、ジャーナリストを登録又は許可する一般的な制度は3項と両立しない。
限定された認定計画と云うものはジャーナリストにある場所そして(又は)行事に対し特権的に参加する手段を与える必要のあるところでのみ許容される。そのような計画は公平で19条及び本規約の他の規定と両立する方法でのみ適用されるべきである。

47. 締約国の外に旅行するジャーナリストや表現の自由を行使しようと努力する人々、例えば、人権関係の会議に赴こうとする人々の自由を制限したり、ある特定の国々から来た人々に対して、外国人ジャーナリストの締約国への入国を制限したり、締約国の内部、例えば戦闘の影響のある現場、自然災害の現場、人権侵害の申立のある現場でのジャーナリストや人権調査者の活動の自由を制限することは普通では3項と矛盾する。
締約国は情報源を開示しないでよいというジャーナリストの限定的な特権を認識し、尊重すべきである。


48. 締約国は反テロリズムの措置は3項と矛盾しないことを確保すべきである。
テロリズムを賞揚し、讃美し、正当化するという違反行為と同様、テロリズムの奨励や過激主義のような違反行為は、それらが表現の自由との関係で不釣合いな干渉をもたらすことのよう、明確に定義するべきである。情報の自由についての行き過ぎた規制もまた避けられなければならない。
メディアはテロリズムの行為について、一般市民に知らせる上で、非常に重要な役割を果たしている。そしてその役割能力は不当に制限されるべきではない。
この関係で、ジャーナリストは彼らの合法的な活動の遂行により処罰されるべきではない。

49.名誉毀損法は3項に従い、そして実際に表現の自由を窒息死させることのないよう注意深くつくられなければならない。すべてのそのような法は真実の防御を含むべきであり、そしてその性質から、この法は検証の対象とはならない意見の表明に関して適用されるべきではない。少なくとも公人についての論評に関しては、処罰することを避け、あるいは悪意ではなく誤って公開された違法で真実でない声明にするために配慮があるべきである。いかなる場合でも、批判の対象となる公けの関心は擁護されるものと認識されるべきである。
ゆき過ぎた刑罰措置や処罰を避けるために締約国による注意が払われるべきである。
関連するところで、締約国は勝訴した当事者の費用を被告が賠償する要求には理由のある制限をおくべきである。
締約国は名誉毀損の不処罰を考慮すべきであるし、どんな場合でも、刑法の適用は最も深刻な事件においてのみ支持されるべきで、実刑は適切な刑罰では決してない。
締約国が人を刑事の名誉毀損のかどで起訴することは許されない。しかし、起訴した以上は迅速に裁判を進めるために行われていない。
そのようなやり方は関係人や他の人々の表現の自由の実践を過度に制限することになる萎縮効果をもたらす。

50. 神への冒涜の禁止及び宗教若しくは他の信仰組織に対する無礼の表明の禁止は3項又は一般的意見22を含む有用な一般的意見に関しては規約2,5,18,26条を含む、その他の規約の規定と矛盾するやり方では有効には機能しない。
それ故、例えば、それらは一つ又はある宗教又は信仰システムを選ぶとか、もう独りのうえに信奉者を選ぶとか、無宗教の人の上に宗教信奉者を選ぶと言ったやり方では分け隔てしないだろう。
神への冒涜法は宗教的指導者、宗教的教義、そして宗教の信条の批判を妨げ、処罰するために使われてはならない。
締約国は神への冒涜に対する刑法規定を無効にし、宗教や他の進行システムに対する不敬の表明に関して下記に議論したとおり20条に従うはっきりした文脈とは異なる。

51. 過去の出来事についてのある特別の関係を公表することを処罰する法律、いわゆる”記憶法”と呼ばれるものはそれらが意見を持つ自由やそれを表現する自由のどちらも犯さないことを保証するために見直されるべきである。本規約は歴史観の表明に対する一般的な禁止は許されず、それが人の権利を誤りであるとか過去の出来事を正しく説明してないとかの理由で禁ずることもまたしてはならない。制約は意見を持つ自由の権利に決して課されてはならないし、表現の自由に関してそれらは3項で認められたものや20条下で要求されるものを超えてはならない。
19条と20条の関係

52.19条と20条は相互に一致しており補完しあっている。20条で述べられた行為は19条3項に従い、それらはすべて制約の対象になる極端な性質のものである。このように、20条に基づき正当化されている制限は19条3項にまた応じなければならない。これは表現に対する制約が許されるかどうかを決定するための要求を制定している。

53.20条で述べた行為が19条3項の下で制約の対象となっているほかの行為と区別しているものは、20条で述べられている行為のためのものであり、本規約は国家から要求された特別の返答を示している。すなわち法によるその禁止である。20条は19条に関連して特別な法律として考えられる範囲のものだ。

54.本委員会は、懸念の問題にも関わらず、「憎悪発言」についての多くの形態が20条で取り上げられている深刻さの段階に応じていないことを懸念している。また、差別的、軽蔑的、そして品位を傷つける言動の多くの形態にも考慮している。しかしながら、これは締約国が法的な禁止を行うようになっている20条に示された表現の特別の形態に関するだけのことである。すべての場合において、締約国はこのような禁止をすることに一般的には妨げられ
てはいないが、この禁止と19条に厳しく守ってこれらの規定を正当化することが必要だ。


① http://blogs.yahoo.co.jp/jrfs20040729/18824874.html
② http://blogs.yahoo.co.jp/jrfs20040729/18852124.html