千葉県教委が、今年4月から一般教職員にも「業績評価」を公式に導入すると 昨年10月22日に通知しました。この通知に対して、11月11日に千葉学校労働者合同組合が千葉県教育委員会に交渉しました。以下、交渉の記録です。


≪2010、11、11千葉県教育委員会との交渉記録≫

【組=千葉学校労働者合同組合  教=千葉県教育委員会】

組:通知(2011年4月に業績評価実施の通知)が来たんだけども、校長に聞いてみたら、校長が知らないっていったんだけど、4月の実施なんだけど、どういう手順で実施なのか、そこをきちんと説明してほしい。
教:4月(2011年)の下旬に皆様方にこういったことをやりますよとお知らせします。学校合同だけでなく、千教組、高教組、全教、教育フォーラム千葉、そして、学校合同にお知らせをさせて頂いた。皆様の処まで出向いていかれなかったので、ファックスをさせて頂いた、で、どうなっているかというと、昨日11月10日水曜にですね、本庁の教育長までレクチャーしました。もちろん教育次長、両部長、両理事長にレクチャーを致したところです。同じく昨日、ちょうどこの会場で、午後二時から各教育事務所の所長、次長、管理課長、管理主事、合同の会議がありました、管理課全員の会議です。
教:この会議の席上で、人事制度の規則化、今後の見通しについて説明をさせて頂きました。その会議を私は途中で、説明が終わったので出まして、3時に町村教育長協議会の研修会が千葉市でありまして、そこへ出向いて、町村教育協議会の会長、鋸南町の教育長さんの方にご説明を致しました。そして、本日、午前中、浦安市教育委員会に行ってまいりまして、市町村教育委員会連絡協議会、千教連ですね。千教連の会長さん、浦安市教育委員会の委員長さん、この方にご説明をさせて頂きました。
来週、11月15日月曜日都市教育長協議会の会長さん、これは夷隅市教育長、この方にご説明にあがります。また、併せて、千葉県公立学校事務長会の会長さん安房高校の事務長さんに説明にあがります。それから、15日から一ヶ月間、パブリックコメントを実施します。県民の皆様にご意見、ご要望等、これは12月14日まで。11月16日火曜日千葉県高等学校校長会に説明に上がります。11月18日木曜日千葉県特別支援学校長、学校長会で、ご説明にあがります。20日ごろになりますね、人事委員会等に説明して参ります。そして、11月下旬頃皆様には内容を説明してあるんですが、正式にこういう風になりますよって事で、私が持っているペーパーを差し上げます。それは正式な契約だと思っております。で、今規則を作っておりまして、来年1月の教育委員会会議に議案として提出いたします。議決後、これは予定ですが、1月19日の水曜日に今現在は考えております。次は2月の第三水曜日、2月16日になります。文書担当課の政策法務課というのがありまして、文書課の法規担当と詰めて、こういう規定は盛りこまなくちゃいけないとか、こういう規定はいらないとか、を詰めて規則が出来上がります。場合によっては長引く可能性があるんです。そうなると1月に出せなくて、2月になる可能性がある。いずれにしましても、議決後に、通知をさせて頂く。そういう流れでして、4月1日にその後、新しい人事考課に関する、委員会規則が施行される。併せて地行法第40条第1項に書かれている勤務評定を廃止致します。新しい人事評価一本にすると。

組:例えば、教育事務所から校長にいついつまでに伝えて貰いたいとは県教委は言わないのか?
教:勿論言います。当然の事ですから。
組:何処で、言いますか?今言われたところには出てないんだけど。
教:4月1日から円滑なスタートが切れるように一般の教職員に周知徹底させてくださいということを、口頭でこれからも何度も管理課の合同会議がありますので、3月中までに。
組:周知徹底できない場合はどうなるんですか?校長の責任とか。
教:それは厳しいですね。
組:それでは実施できないよね?
教:それはさせて下さいと強くお願いします。
組:(周知)徹底とはどういう事ですか?
教:具体的に申し上げますと、業績評価をされるわけですね。その評価基準がどうなっているのか、どんな手順で評価されるのかとか、一次評価者は誰で、二次評価者は誰で、調整者は誰なのか。その事細かな事について要するに、目標申告と業績評価がわかれてますね?
それぞれに。今度は一つに合体しますから、新しい人事評価の手引き。そうすると相当分厚くなるんですよ。一般の先生は忙しいのに見切れませんよね。ダイジェスト版も作りますから。15ページ位、一般の教職員向けの判りやすいやつ。作りますので、そのダイジェスト版を使って頂いて、校長は周知徹底させて下さいと。回覧をしてもいいですし、増す刷りしてもいいですし。それを配布するなりして、徹底してね。
組:配布で徹底できるなんてとんでもない話ですね。この中に出てきてないんだけど、教職員が疑問に思った事を答えないといけないとか、それから、不平不満に対してきちんと対応しないといけない。それらも含まれているのか?
教:Q&Aもありますけれども、見た事ありますか?
目標申告と業績評価の二つがありますよね。
教職員からこういう質問が出るだろうというQ&Aを一緒にくっつけちゃう。
組:Q&Aに対する疑問は一杯ありますけどね、校長がきちんと答えなくちゃ、校長にきちんと周知徹底ということがきちんと出来るのか。
教:教育事務所はそこで説明をしっかりやってもらって、更に市町村の教育委員会が、校長会等がありますから、そこでしっかり周知徹底してもらって、そして校長先生から一般の教職員へ周知徹底してほしい。そうでなくちゃ困る。
組:色々な疑問点がありますので、答えて貰いたいと思います。
まずは、意見書を出したんですけども、組合への通知に課題が載っていましたよね。そこに評価の公正性・公平性をいかに保障していくか、課題であると、でているんだけど、これ(公正性・公平性)は一番大事なことですね。一番大事な事が課題であるというのに何故実施できるか? 3月までにどの様にして保障(克服)していくのか?
教:校長先生方も勿論、ベテランの校長も50歳の新任校長もいますし。さらに、例えば、面談力とかにも差がある。当然人事評価研修会を5回受けてる校長先生もいますし、今年初めて校長になった方も教頭になった方もいる、教頭先生で10回位やった人もいて差がある。そういう人との差がある事を認めています。少しでも評価精度の全体が上がっていくように評価研修会を今年はかなり工夫して実施しました。校長先生、教頭先生の面談力がいかに先生方をやる気にさせる、勇気づけられると言ったそういう面談の仕方をやったんですね。さらに来年はコーチング面談があります。ティーチングは皆さん上手なんです、管理職も同じです。コーチングという技法があって、先生方お一人お一人の潜在能力を引き出すんですよ。答えを引き出すような面談の仕方がある。その面談を来年度は人事評価研修会でやろうとしております。その資料はすでに出来ています。すぐに使えるようになっております、この年度末行政から戻って学校現場へ管理職になる人の為の人事評価研修会を3月の末にやるんですよ。特に新任の教頭ですね。
組:一人の教員をどの校長が評価しても同じ評価になるっていうのが公正性だと思いますけど、それが出来るのか?という事を聞いていて、そこまで出来ていないのではないか?
これをやるにはどういう事をやるのか?という事です。他の県でも公正性は保てないと言っている、校長に聞いてもそういっている。公正に評価できないのではないか?
来年の3月までに公正性を保つ事が出来るんですか?
教:自分も3月まで二年間校長をやっていましたが、5回位研修をうけてるんです、で、やはりあの、この研修を沢山うけている人は面談力が上手になりますし、評価精度が上がるんです。ですから、本当に出来るのか?というご質問は重々わかるのですが、運用しながら評価精度を上げていく事になる。
組:不十分なままやるという事ですね。
教:十分じゃない方も実際いらっしゃると思います。
組:それはもう少し待つべきでしょう。全部がきちんとできる様になってから導入すべきじゃないでしょうか?
教:それを待ったら、いつまでたっても実施できない。それでは間に合わない。
*公正性・公平性が不十分のまま2011年度に実施することがここで明らかになりました。公正に評価できない管理職に評価されたらたまったものではありません。はっきり言って、能力もないのに評価しないでください。

組:何に間に合わないんですか?
教:間に合わないって言い方は悪かった。
組:何かに迫られているのではないですか?
教:23年度から業績評価を実施しましょうっていうそういうスケジュールというのは、20年度の時に教育庁内で了承された、確認された事項です。工程に乗っかって粛々とやっています。
組:23年度からやるとは誰も知らされてなかったよ。いつも何時からやるとは判らないといっていましたよ。20年にこれは決まっていたんですか?決まっていたならずっと嘘をつき続けていたのですか?今までの人は、本格実施はいつかを尋ねたら決まっていないと答えていましたよ。
教:本格実施という言葉は使っておりません。実施です。
組:23年度の実施は試行を意味するのですか?
教:実施と本格実施という言葉は、本格実施というと、業績評価の評価結果を人事とか、給与とかの処遇に反映させる、それを本格実施という言葉でずっと使ってきた。人事や処遇には反映されない、今のところ全く白紙の状態ですので、単なる実施という。
組:そういう説明をするなら分かりますよ。今まではそういった事を説明されてないんですけど。今初めて聞いたんですけど。それは。それを(交渉の場にいる人に)皆さんは聞いた事ありますか?「実施します」って。
(教育委員会の人)知らないです。
組:それはおかしくないですか?
教:幹部だけ知っていました。

(続く)

(1)http://blogs.yahoo.co.jp/jrfs20040729/18830990.html
(2) http://blogs.yahoo.co.jp/jrfs20040729/18830974.html
(3) http://blogs.yahoo.co.jp/jrfs20040729/18830953.html

* 千葉県教育庁・教育振興部・教職員課・管理室の石田勝己主任管理主事の電話番号は、
                  043-223-4063です。