≪「言論の自由」と「表現の自由」は、人間の完全な発展にとって必要不可欠の条件
全ての社会の本質であり、民主的な社会にとっての礎石
この二つの自由は言論の交換と展開の手段を提供する。≫
昨年の10月に、国連自由権規約委員会が、自由権規約第19条(言論・表現の自由)についてのジェネラルコメント(一般的見解)を審議して新たな「一般的見解」を制定し、第19回期にコメントされていた「一般的意見10」と差し替えられました。
パラグラフ7「締約国は、本規約の締約国に課されている一般的な法的義務の性質に関する一般的意見31の中で、本委員会によって示された指針と一致する方法で、本規約の19条に含まれている権利が締約国の国内法に確実に明記されるよう求められている。」とコメントされています。
(「締約国」:日本政府は、1978年に自由権規約を批准しており=「日本政府」)
憲法98条に基づき、地裁・高裁・最高裁の全ての裁判官は、この一般的見解を現在のすべての裁判において憲法判断とともに適応させる責任があります。
このコメントを、裁判で弁論・支援に活用し、国民的な世論を広げてすでに最高裁段階に入っているビラ弾圧3事件(板橋高校君が代弾圧事件・国公法弾圧堀越事件・世田谷国公法弾圧事件)の裁判を必ず勝利させましょう!
CCPR/C/GC/34/CRP.4
2010年10月22日
原文:英語 (翻訳:国際人権活動日本委員会)
自由権規約委員会 第100会期 ジュネーブ、2010年10月11日~29日
一般的意見34―草案(自由権規約委員会の初回読み取りの完了に基づく)
自由権規約 第19条 一般見解
1.この一般的意見を一般的意見10(第19会期)と差し替える。
2.言論の自由と表現の自由は人間の完全な発展にとって必要不可欠の条件であり、すべての社会の本質でもあり、すべての自由で民主的な社会にとっての礎石を成している。この二つの自由は言論の交換と展開の手段を提供する表現の自由と密接に関係している。
3.言論の自由あるいは表現の自由の保障を含むその他の条文として18条、17条、25条、そして27条がある。言論と表現の自由は多岐にわたる他の人権を最大に享受するための基礎を形成している。例えば、表現の自由は集会や結社の自由の権利を享受するためには不可欠のものある。
4.言論や思想の関係(18条)と同様、19条1項の特定の用語を考慮すると、1項を留保することは本規約の目的や趣旨と相容れないものである。さらに、言論の自由が本規約の4条の規定により違反とされることがないこれらの権利の中に記載されてはいないが、「4条の2項に記載されていない本規約の規定の中に、本委員会の意見として4条の下で合法的な違反の対象とはならない要素がある」ことが想起される。
言論の自由はこのような要素のひとつなのです。なぜならば、緊急事態の場合でもこの権利を侵す必要には決して成らないからです。
5.本規約内の他の権利と表現の自由の関係を考慮して、19条2項の特別な要素への留保は受け入られるかも知れないが、2項で述べられた権利への一般的な留保は本規約の目的と趣旨とは相容れないだろう。
6.言論と表現の自由を尊重する義務は全体としてすべての締約国を縛りつけている。国(行政、立法、そして司法)や他の公共あるいは政府機関―国や地方あるいは市町村のどの段階であれ―のすべての分野は締約国の責任を負う立場にいる。このような責任は国家並の機関の行為に関して、ある環境下では、締約国によってまた負うことになるだろう。締約国がまた確認すべきことは、本規約のこれらの権利が個人あるいは団体の間において適用される限りにおいて、人が言論と表現の自由の享受を、個人や団体から侵害される可能性のあるいかなる行為からも保護されることである。
7.締約国は、本規約の締約国に課されている一般的な法的義務の性質に関する一般的意見31の中で、本委員会によって示された指針と一致する方法で、本規約の19条に含まれている権利が締約国の国内法に確実に明記されるよう求められている。
8.締約国は、今回の一般的意見で議論されている問題を考慮に入れながら、19条で保護されている権利に関係する関連政策や他の分野の施策と同様に、関係する国内法、行政施策、そして司法判断を定期的報告によって本委員会に提供することが求められている。締約国はこれらの権利が侵害されたとき、救済可能な情報を同時に含まなければならない。
言論の自由
9.19条の1項は干渉を受けることのなく意見を有する権利の保護を要求している。これは本委員会がいかなる例外あるいは制限をも認めない権利である。言論の自由は、いつでも、そして人が自由に選ぶ理由が何であれ、意見を交換する権利まで及ぶのである。何人も、個人の実際の意見や、感じ取りあるいは想定している意見により、本規約に基づく権利のいかなる差別や侵害の対象になることはない。あらゆる形態の言論は、制限なく、政治的、科学的、歴史的、道徳的、あるいは宗教的性質の言論を含み、保護されている。言論の保持を犯罪とすることは1項と相容れない。言論を保持することを理由として、逮捕、勾留あるいは収監を含む、人への嫌がらせや脅迫、あるいは非難は19条1項違反を形成する。
10.言論を歪めようとするいかなる強要された行為は禁じられている。言論を表明する自由は必然的に言論を表明しない自由を含むので、19条1項は言論を無理やりに暴露するいかなる行為を禁じている。
表現の自由
11.2項は国境に関係なくあらゆる種類の情報や考えを求め、受領し、そして伝える権利を保障することを要求している。この権利は19条3項と20条の規定を条件として、他の人へ伝達可能な主観的な考えや言論のあらゆる形態の表現の保障へと及ぶ。これは政治演説、自己と公務に関する解説、戸別訪問1, 人権についての議論、ジャーナリズム、文化的かつ芸術的表現、教育、宗教的演説、(そして商業広告)を含んでいる。このような表現は19条3項や20条の規定に従って規制されるかも知れないが、2項の範囲は大いに攻撃的と見なされる見解すら含んでいる。
12.2項はすべての表現の形態やその発表の手段を保護している。これらの形態は制限されることなく、語られた言語や書かれた言語、そして美術の映像や物体のような言葉によらない表現をも含む。表現の手段としては、書籍、新聞、パンフレット、ポスター、横断幕、そして法的報告を含む。これらは電子的かつインターネットに基づくメディアと同じくすべての視聴覚装置を含む。しかしながら、2項は特定の場所における自由な表現の権利は与えていない。
13.締約国はひとつ以上の国家言語あるいは公式言語を選択できるが、一般生活の範囲外において、自分で選んだ言語により自分自身を表現する自由を排除することはできない。また、本規約の27条が明白に示していることは、民族的、宗教的、あるいは言語的な少数者に属する人は、他の人たちと共存するその共同体において、彼ら自身の言語を使用する権利を否定されることはない。
表現の自由とメディア
14.自由で検閲もされず、そして妨害もされない報道、あるいは他のメディアは、言論や表現の自由の確保や本規約の他の権利の享受にとって、いかなる社会においても基本的なものである。これは民主社会のひとつの礎石を構成している。本規約は、メディアがその機能を遂行できることに基づいて、メディアの一部の情報を受ける権利を持っている。市民や候補者と当選した議員の間の公的かつ政治的な問題に関する情報や意見の自由な伝達は基本的なものである。これは検閲や規制なく公共の問題について批評し、世論を知らせることができる報道や他のメディアの自由を含んでいる。19条に基づき、また市民は情報を伝えるジャーナリストの固有の機能によりもたらされた情報を受ける権利を有している。
15.締約国は独立し、かつ多様なメディアを奨励するための特別の注意を払わなければならない。また、締約国は少数グループのためにメディアへの接触を促進し保護しなければならない。
16.締約国は、公共放送サービスは独立した手段で運営されることを確保しなければならない。独立性を確保する行為として、法律で放送事業者の任命を設置し、独立性を揺るがすことのない手段による財政に関する規定と同じく、独立性と編集の自由の法的な保障に関する規定が含まれる。
17.メディアに関する問題は、この一般的意見の言論の自由への規制に取り組んでいる項目でさらに議論される。
情報への接触
18.19条2項は公的機関が有する情報へ接触する一般的な権利を受け容れている。このような情報には、それが蓄積されている形式やその出所、そして作成の日時に関係なく、公的機関が有するすべての情報が含まれる。公的機関には国家機関や司法を含むすべての段階の機関を含み、そして公的機能の遂行に関しては他の機関も含まれるだろう。
19.既に述べられ、本規約25条でも記述されているように、情報への接触の権利には公務についての情報に接触するマスメディアの権利や、マスメディアの発信を受け取る一般市民の権利を含む。情報に接触する権利は同時に本規約の至る所で取り扱われている。本委員会が本規約の17条に関して一般的意見16で述べたように、「すべての個人は個人情報が自動的に情報ファイルに蓄積され、そして何の目的でなされているのかを明確な形で確認する権利を有するべきである。また、すべての個人は、公的機関あるいは民間の個人または団体が自分たちのファイルを管理しているかを確認することが出来なければならない。もし、これらのファイルが間違った個人情報を含んでおり、あるいは法の規定に反して収集され、処理されていたならば、すべての個人は修正あるいは削除を要求する権利を持たなければならない。」 本規約の10条に基づき、受刑者は自分の医療記録に接触する権利を失うことはない。本委員会は14条に関する一般的意見32の中で、刑事犯罪者によって保持されている情報の様々な権利を述べた。2条の規定に従い、人は一般的に本規約の権利に関する情報を受けるべきである。27条の基では、少数者グループの生活様式や文化を本質的に害するかも知れない締約国の意志決定は、影響を受ける共同体との情報の共有や協議の過程を経るべきである。
20.情報に接触する権利に効果を与えるために、締約国は情報公開法によるような必要な手続きを成立すべきである。この手続きは本規約に適合する明確な規則に従い、情報の要求に対して迅速な処理を提供しなければならない。情報への接触の提供を拒否する申し出に対する調整が用意されなければならない。情報処理に対する請求代金は情報の接触に不合理な妨害をなすようなものであってはならない。権力機関は情報への接触を拒否するいかなる場合もその理由を示さなければならない。締約国は公開されている国家管理の情報に対して、容易く、効果的で、かつ実用的に接触できるよう常に努力をしなければならない。
表現の自由と政治的権利
21.本委員会は公務への参加や投票権に関する一般的意見25において、公務の実施や投票権の効果的な行使に対する表現の自由について詳述した。市民や候補者と選ばれた議員の間における公的かつ政治的な問題についての情報や意見の自由な伝達は欠くことのできないものである。これは検閲あるいは規制を受けることなく公的な問題を論評でき、そして世論を知らせることができる報道などメディアの自由を含んでいる。締約国の関心は、一般的意見25がこのような意味で表現の自由の促進と保護に関して示している指針に引き寄せられている。
(19条3項の適用 に続く)
全ての社会の本質であり、民主的な社会にとっての礎石
この二つの自由は言論の交換と展開の手段を提供する。≫
昨年の10月に、国連自由権規約委員会が、自由権規約第19条(言論・表現の自由)についてのジェネラルコメント(一般的見解)を審議して新たな「一般的見解」を制定し、第19回期にコメントされていた「一般的意見10」と差し替えられました。
パラグラフ7「締約国は、本規約の締約国に課されている一般的な法的義務の性質に関する一般的意見31の中で、本委員会によって示された指針と一致する方法で、本規約の19条に含まれている権利が締約国の国内法に確実に明記されるよう求められている。」とコメントされています。
(「締約国」:日本政府は、1978年に自由権規約を批准しており=「日本政府」)
憲法98条に基づき、地裁・高裁・最高裁の全ての裁判官は、この一般的見解を現在のすべての裁判において憲法判断とともに適応させる責任があります。
このコメントを、裁判で弁論・支援に活用し、国民的な世論を広げてすでに最高裁段階に入っているビラ弾圧3事件(板橋高校君が代弾圧事件・国公法弾圧堀越事件・世田谷国公法弾圧事件)の裁判を必ず勝利させましょう!
CCPR/C/GC/34/CRP.4
2010年10月22日
原文:英語 (翻訳:国際人権活動日本委員会)
自由権規約委員会 第100会期 ジュネーブ、2010年10月11日~29日
一般的意見34―草案(自由権規約委員会の初回読み取りの完了に基づく)
自由権規約 第19条 一般見解
1.この一般的意見を一般的意見10(第19会期)と差し替える。
2.言論の自由と表現の自由は人間の完全な発展にとって必要不可欠の条件であり、すべての社会の本質でもあり、すべての自由で民主的な社会にとっての礎石を成している。この二つの自由は言論の交換と展開の手段を提供する表現の自由と密接に関係している。
3.言論の自由あるいは表現の自由の保障を含むその他の条文として18条、17条、25条、そして27条がある。言論と表現の自由は多岐にわたる他の人権を最大に享受するための基礎を形成している。例えば、表現の自由は集会や結社の自由の権利を享受するためには不可欠のものある。
4.言論や思想の関係(18条)と同様、19条1項の特定の用語を考慮すると、1項を留保することは本規約の目的や趣旨と相容れないものである。さらに、言論の自由が本規約の4条の規定により違反とされることがないこれらの権利の中に記載されてはいないが、「4条の2項に記載されていない本規約の規定の中に、本委員会の意見として4条の下で合法的な違反の対象とはならない要素がある」ことが想起される。
言論の自由はこのような要素のひとつなのです。なぜならば、緊急事態の場合でもこの権利を侵す必要には決して成らないからです。
5.本規約内の他の権利と表現の自由の関係を考慮して、19条2項の特別な要素への留保は受け入られるかも知れないが、2項で述べられた権利への一般的な留保は本規約の目的と趣旨とは相容れないだろう。
6.言論と表現の自由を尊重する義務は全体としてすべての締約国を縛りつけている。国(行政、立法、そして司法)や他の公共あるいは政府機関―国や地方あるいは市町村のどの段階であれ―のすべての分野は締約国の責任を負う立場にいる。このような責任は国家並の機関の行為に関して、ある環境下では、締約国によってまた負うことになるだろう。締約国がまた確認すべきことは、本規約のこれらの権利が個人あるいは団体の間において適用される限りにおいて、人が言論と表現の自由の享受を、個人や団体から侵害される可能性のあるいかなる行為からも保護されることである。
7.締約国は、本規約の締約国に課されている一般的な法的義務の性質に関する一般的意見31の中で、本委員会によって示された指針と一致する方法で、本規約の19条に含まれている権利が締約国の国内法に確実に明記されるよう求められている。
8.締約国は、今回の一般的意見で議論されている問題を考慮に入れながら、19条で保護されている権利に関係する関連政策や他の分野の施策と同様に、関係する国内法、行政施策、そして司法判断を定期的報告によって本委員会に提供することが求められている。締約国はこれらの権利が侵害されたとき、救済可能な情報を同時に含まなければならない。
言論の自由
9.19条の1項は干渉を受けることのなく意見を有する権利の保護を要求している。これは本委員会がいかなる例外あるいは制限をも認めない権利である。言論の自由は、いつでも、そして人が自由に選ぶ理由が何であれ、意見を交換する権利まで及ぶのである。何人も、個人の実際の意見や、感じ取りあるいは想定している意見により、本規約に基づく権利のいかなる差別や侵害の対象になることはない。あらゆる形態の言論は、制限なく、政治的、科学的、歴史的、道徳的、あるいは宗教的性質の言論を含み、保護されている。言論の保持を犯罪とすることは1項と相容れない。言論を保持することを理由として、逮捕、勾留あるいは収監を含む、人への嫌がらせや脅迫、あるいは非難は19条1項違反を形成する。
10.言論を歪めようとするいかなる強要された行為は禁じられている。言論を表明する自由は必然的に言論を表明しない自由を含むので、19条1項は言論を無理やりに暴露するいかなる行為を禁じている。
表現の自由
11.2項は国境に関係なくあらゆる種類の情報や考えを求め、受領し、そして伝える権利を保障することを要求している。この権利は19条3項と20条の規定を条件として、他の人へ伝達可能な主観的な考えや言論のあらゆる形態の表現の保障へと及ぶ。これは政治演説、自己と公務に関する解説、戸別訪問1, 人権についての議論、ジャーナリズム、文化的かつ芸術的表現、教育、宗教的演説、(そして商業広告)を含んでいる。このような表現は19条3項や20条の規定に従って規制されるかも知れないが、2項の範囲は大いに攻撃的と見なされる見解すら含んでいる。
12.2項はすべての表現の形態やその発表の手段を保護している。これらの形態は制限されることなく、語られた言語や書かれた言語、そして美術の映像や物体のような言葉によらない表現をも含む。表現の手段としては、書籍、新聞、パンフレット、ポスター、横断幕、そして法的報告を含む。これらは電子的かつインターネットに基づくメディアと同じくすべての視聴覚装置を含む。しかしながら、2項は特定の場所における自由な表現の権利は与えていない。
13.締約国はひとつ以上の国家言語あるいは公式言語を選択できるが、一般生活の範囲外において、自分で選んだ言語により自分自身を表現する自由を排除することはできない。また、本規約の27条が明白に示していることは、民族的、宗教的、あるいは言語的な少数者に属する人は、他の人たちと共存するその共同体において、彼ら自身の言語を使用する権利を否定されることはない。
表現の自由とメディア
14.自由で検閲もされず、そして妨害もされない報道、あるいは他のメディアは、言論や表現の自由の確保や本規約の他の権利の享受にとって、いかなる社会においても基本的なものである。これは民主社会のひとつの礎石を構成している。本規約は、メディアがその機能を遂行できることに基づいて、メディアの一部の情報を受ける権利を持っている。市民や候補者と当選した議員の間の公的かつ政治的な問題に関する情報や意見の自由な伝達は基本的なものである。これは検閲や規制なく公共の問題について批評し、世論を知らせることができる報道や他のメディアの自由を含んでいる。19条に基づき、また市民は情報を伝えるジャーナリストの固有の機能によりもたらされた情報を受ける権利を有している。
15.締約国は独立し、かつ多様なメディアを奨励するための特別の注意を払わなければならない。また、締約国は少数グループのためにメディアへの接触を促進し保護しなければならない。
16.締約国は、公共放送サービスは独立した手段で運営されることを確保しなければならない。独立性を確保する行為として、法律で放送事業者の任命を設置し、独立性を揺るがすことのない手段による財政に関する規定と同じく、独立性と編集の自由の法的な保障に関する規定が含まれる。
17.メディアに関する問題は、この一般的意見の言論の自由への規制に取り組んでいる項目でさらに議論される。
情報への接触
18.19条2項は公的機関が有する情報へ接触する一般的な権利を受け容れている。このような情報には、それが蓄積されている形式やその出所、そして作成の日時に関係なく、公的機関が有するすべての情報が含まれる。公的機関には国家機関や司法を含むすべての段階の機関を含み、そして公的機能の遂行に関しては他の機関も含まれるだろう。
19.既に述べられ、本規約25条でも記述されているように、情報への接触の権利には公務についての情報に接触するマスメディアの権利や、マスメディアの発信を受け取る一般市民の権利を含む。情報に接触する権利は同時に本規約の至る所で取り扱われている。本委員会が本規約の17条に関して一般的意見16で述べたように、「すべての個人は個人情報が自動的に情報ファイルに蓄積され、そして何の目的でなされているのかを明確な形で確認する権利を有するべきである。また、すべての個人は、公的機関あるいは民間の個人または団体が自分たちのファイルを管理しているかを確認することが出来なければならない。もし、これらのファイルが間違った個人情報を含んでおり、あるいは法の規定に反して収集され、処理されていたならば、すべての個人は修正あるいは削除を要求する権利を持たなければならない。」 本規約の10条に基づき、受刑者は自分の医療記録に接触する権利を失うことはない。本委員会は14条に関する一般的意見32の中で、刑事犯罪者によって保持されている情報の様々な権利を述べた。2条の規定に従い、人は一般的に本規約の権利に関する情報を受けるべきである。27条の基では、少数者グループの生活様式や文化を本質的に害するかも知れない締約国の意志決定は、影響を受ける共同体との情報の共有や協議の過程を経るべきである。
20.情報に接触する権利に効果を与えるために、締約国は情報公開法によるような必要な手続きを成立すべきである。この手続きは本規約に適合する明確な規則に従い、情報の要求に対して迅速な処理を提供しなければならない。情報への接触の提供を拒否する申し出に対する調整が用意されなければならない。情報処理に対する請求代金は情報の接触に不合理な妨害をなすようなものであってはならない。権力機関は情報への接触を拒否するいかなる場合もその理由を示さなければならない。締約国は公開されている国家管理の情報に対して、容易く、効果的で、かつ実用的に接触できるよう常に努力をしなければならない。
表現の自由と政治的権利
21.本委員会は公務への参加や投票権に関する一般的意見25において、公務の実施や投票権の効果的な行使に対する表現の自由について詳述した。市民や候補者と選ばれた議員の間における公的かつ政治的な問題についての情報や意見の自由な伝達は欠くことのできないものである。これは検閲あるいは規制を受けることなく公的な問題を論評でき、そして世論を知らせることができる報道などメディアの自由を含んでいる。締約国の関心は、一般的意見25がこのような意味で表現の自由の促進と保護に関して示している指針に引き寄せられている。
(19条3項の適用 に続く)