潘基文(バン・キムン)国連事務総長が8月5日、国連事務総長として初めて長崎市を訪れ、同6日には広島平和記念式典に出席したのを機に、長崎市が「欧州本部でも原爆の常設展示ができないか」と提案。9月17日、長崎市と国連欧州本部、ジュネーブにある軍縮会議日本政府代表部の非公式協議で、基本的に合意した。
22日から国連総会出席のためニューヨークを訪れる菅直人首相が、潘事務総長との会談で申し入れる見通し。長崎市は今後、広島市に呼びかけ、両市の共同事業として進めたい考えだ。
ただし、常設展の実現までには、展示品を貸し出す両市の調査団派遣や市議会の予算議決、展示する場所や内容の選定など、準備に時間がかかる。
ニューヨーク国連本部の総会棟と事務局棟の渡り廊下には、被爆した聖女像など60点余りが展示されている。ジュネーブ欧州本部では、新たな展示スタイルとして視聴覚機器を導入し、高齢化が進む「被爆語り部」の証言を動画や音声で見聞きできる方法についても検討していく。
毎日新聞 2010年9月22日 2時30分
http://mainichi.jp/select/today/news/20100922k0000m030124000c.html