貧困の撲滅策などを協議する国連のミレニアム開発目標(MDGs)首脳会合が20日、開幕した。世界の首脳約140人が参加し、最終日の22日に、飢餓・貧困人口の半減などの目標の2015年までの達成に向け「あらゆる努力を尽くす」ことを誓う文書を採択する。
国連の潘基文(バンキムン)事務総長は、「この10年間に成果はあったが、依然脆弱(ぜいじゃく)だ」と述べ、各国がいっそう尽力するよう求めた。
2000年に定められたMDGsは、1990年比で2015年までに(1)1日1ドル(現在は1・25ドルに変更)未満で暮らす飢餓・貧困人口を半減(2)全児童が初等教育に就学(3)性差の平等と女性の地位向上(4)エイズやマラリアなどの感染症の拡大防止--など8分野20項目の目標を設定した。
だが国連の報告書によると、(1)は達成可能だが、それ以外は困難な状況で、特にアフリカでの遅れが目立つ。金融危機、食糧危機を受けた先進国の支援不足も顕著だ。09年に先進国が実施した政府開発援助(ODA)の総額は目標より261億ドル少なかった。
このため、国連は限られた資源を有効活用するため、母子の健康を重視することになった。採択される文書でも、妊婦や5歳未満の乳幼児の死亡率が依然高いことに懸念を表明し、対応する姿勢を強調した。
文書では先進国に対し、ODAを国民総生産(GNP)の0・7%にまで引き上げる目標の達成を強く求めた。
毎日新聞【ニューヨーク山科武司】
国連の潘基文(バンキムン)事務総長は、「この10年間に成果はあったが、依然脆弱(ぜいじゃく)だ」と述べ、各国がいっそう尽力するよう求めた。
2000年に定められたMDGsは、1990年比で2015年までに(1)1日1ドル(現在は1・25ドルに変更)未満で暮らす飢餓・貧困人口を半減(2)全児童が初等教育に就学(3)性差の平等と女性の地位向上(4)エイズやマラリアなどの感染症の拡大防止--など8分野20項目の目標を設定した。
だが国連の報告書によると、(1)は達成可能だが、それ以外は困難な状況で、特にアフリカでの遅れが目立つ。金融危機、食糧危機を受けた先進国の支援不足も顕著だ。09年に先進国が実施した政府開発援助(ODA)の総額は目標より261億ドル少なかった。
このため、国連は限られた資源を有効活用するため、母子の健康を重視することになった。採択される文書でも、妊婦や5歳未満の乳幼児の死亡率が依然高いことに懸念を表明し、対応する姿勢を強調した。
文書では先進国に対し、ODAを国民総生産(GNP)の0・7%にまで引き上げる目標の達成を強く求めた。
毎日新聞【ニューヨーク山科武司】