大阪府知事で弁護士の橋下徹氏が平成19年、山口県光市の母子殺害事件の被告弁護団を懲戒請求するようテレビ番組で呼びかけた問題で、大阪弁護士会は17日、「弁護士としての品位を害する行為」として業務停止2カ月の懲戒処分にしたと発表した。処分に不服があれば、日本弁護士会に審査請求できる。

 母子殺害事件では、19年5月の差し戻し控訴審で、被告の元少年の弁護団が殺意や強姦(ごうかん)目的を否認。橋下氏は、直後に放送された読売テレビ系の番組「たかじんのそこまで言って委員会」で、弁護団について「もし許せないと思うんだったら、一斉に弁護士会に懲戒請求をかけてもらいたい」「弁護士会としても処分を出さないわけにはいかない」などと発言した。

 橋下氏自身は懲戒請求を行わなかったが、20年1月ごろまでに、弁護人それぞれに対して600件を超える懲戒請求が広島弁護士会に殺到したという。

 19年12月以降、市民ら約380人が「刑事弁護の社会的品位をおとしめた」などとして大阪弁護士会に橋下氏を懲戒処分するよう請求。同会綱紀委員会が昨年4月、懲戒処分が相当と議決していた。

 橋下綜合(そうごう)法律事務所によると、橋下氏は実質的には弁護士業務はしていないという。懲戒請求者の1人は「業務停止は当然。この処分で橋下氏は反省してほしい」と話した。


産経新聞 09月17日11時21分