多剤耐性菌アシネトバクターの院内感染問題で、帝京大医学部付属病院は9日までに、外部委員らによる調査委員会の報告書を公表しました。

感染制御の専従職員が今年4月までゼロだったことや、細菌検査室の人材不足など、結果的に感染拡大につながった病院の体制上の問題点が指摘されています。

外部委員2人を含む調査委は、7月30日に開催。

その時点で39人が感染、因果関係なしも含め25人が死亡していました。

感染拡大の要因として、感染制御部が今年2月に初めて感染を把握する以前に14人から菌が検出されていたのに、その情報が検査室から伝わっていなかったことや、菌検出時の対応を病院として決めていなかったことなどを指摘。

4月の感染拡大時に検査室の責任者が不在だったことも、情報伝達の遅れにつながったとしました。

事態を把握した5月以降も拡大が抑えられていないのは、感染制御部の情報収集能力、対策実践能力の限界があったとしました。

4月の時点で同部の専従者はおらず、5月に初めて看護師一人が配置されたと言います。

改善策の中で、病院の規模からは看護師4人程度、医師3人以上を専従とする必要があるとしました。

(2010/09/09)